【解説】九州乳業、RCCで再建へ
同社は08年3月期決算で5億26百万円の赤字となり、09年3月期も大幅な赤字が見込まれていた。借入金も売上高208億円に対して150億円以上にも及び、取引金融機関14行に対して債務カットを依頼しようにも調整が付かず、リストラ等の再建計画案を携えRCC(整理回収機構)に駆け込んでいたものである。社長の席も大分県にお願いして県OBに決定している。
メイン銀行の農林中金は、デベロッパーなどに対する不良債権が山済みされている。今回の再建策についても金融機関が3行しか支援表明はしておらず、他行に対してRCCを介在させることで強制的に債務免除させるものである。
同社の08年3月期は、売上高208億51百万円、経常利益61百万円、当期損失5億26百万円とあるように、過去の不良債権を処理した結果大赤字となっている。これまで適正に経理計上していたら、こんな巨額な赤字は発生しなかった。赤字の先送りによる不良債権を表面化させたのである。(未来永劫に一番うるさい監査法人に監査してもらうしかなかろう)
甘えん坊の農協体質と県の官僚体質が加わってもビジネスは生まれてこず、県OBが社長に就任したところで、マーケティングの一つもわからない人に経営できるかはなはだ疑問である。現経営陣の総入れ替えを行うほどの上層部のリストラをしなければ天下り体質や赤字体質は払拭できないと思われる。
最近、福岡のコンビニやスーパーでミドリ牛乳(=九州乳業)が置かれている店が少なくなってきていた。福岡県にも春日工場がある。
なお、RCCは現在豊和銀行の再建にも取り組んでいる。RCC派遣の現頭取は、漆間元常務を警察に詐欺容疑で告発した正義感の持ち主でもある。RCCはこういう人財を九州乳業にも社長として送り込むべきである。