アイコン ㈱ドゥ・イット・ナウ/自己破産へ/さらば蔀氏

所在地:福岡市城南区神松寺2-16-21
代 表:蔀 章
設 立:1990年8月
資本金:2億52百万円
年 商:(07/5)23億75百万円

8月20日民事再生を申請していたドゥ・イット・ナウ(すぐやろうの意味)は、民事再生手続を10月20日取りやめ自己破産となった。負債総額は約17億30百万円(子会社含む)
代表の蔀氏はマックに10年勤め部長までなりながら脱サラ、鳴り物入りで宅配鮨チェーン「ふく鮨本舗の三太郎」を創業、順調に業績を伸ばした。元々蔀氏は上場企業を作るとして宅配寿司に的を絞っただけであり、職人気質では全くなかった。それでも宣伝に次ぐ宣伝で業績を向上させた。そうした意味では凄腕であるが、折角各地に存在する回転鮨に的を絞らず、ニッチ産業になっていた宅配鮨を創業して成功したにもかかわらず(蔀氏も人の子でバブル化してしまい)回転鮨の店舗展開をはかった。当時食べたがシャリが美味しくなく(福岡でネタが美味しくなかったら失格)、シャリが美味しくないよと店長に指摘もしたが、蔀氏までは上がらなかったのだろう。
同社は回転鮨店と平行して本業の宅配鮨店も広島・京都・名古屋・豊橋・東京などへ進出、直営店24店・FC店12店など拡大路線を取り続けた。また商品開発も自家製明太子や蒟蒻ご飯の素など開発して売り出した。
この時が一番元気の良いドゥ・イット・ナウであったのであろう。その後案の定回転鮨店を全店閉鎖、本体に大きな負担を負わせる事態に陥った。
それでも蔀氏は、原点に戻るとして宅配鮨に注力したが、小泉政権下の増税路線で一般消費者の可処分所得はジワジワと減少、最近では不況も重なり同社の売上高も落ち込み、各地への出店費用の負担や回転鮨の失敗の負担(借入金)もあり、また間延びした店舗の運営も難しく、資金も回転しなくなり民事再生に至った。
民事再生は、お客があっての民事再生である。金融機関の更なる融資は望めずお客が減れば非常に難しくなる。その典型として同社の民事再生廃止、自己破産となった。
元気の良いときの蔀氏は活発にいろいろな会合に参加していたが、最近では全く見かけなくなっていた。
今度会うときは元気の良い蔀氏に会いたいものである。元気の良いコンサル向きのお人である。
 

[ 2009年11月 7日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサードリンク
スポンサードリンク