アイコン ㈱ペー・ジェー・セー・デー/民事再生申請 野田氏の再起に期待

スキンケア用品通販の(株)ペー・ジェー・セー・デー(資本金4億7500万円、渋谷区神宮前5-34-11、代表:野田憲男)は5月18日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請、同日保全命令を受けた。負債総額は約34億円が見込まれている。申請代理人は佐藤明夫弁護士(電話03-5770-8282)ほか3名。調査委員には矢島匡弁護士(電話03-3272-4066)が任命されている。

今年2月に貸付金の返済が滞っていたことなどから取引先より破産を申し立てられる事態となり、これに対抗するため今回の措置となったとされる。 

九州リースサービスは、同社に対して6億42百万円の債権が不良化したが、担保によりカバーされており、実質的な被害はないと発表している。
野田代表は、㈱ペー・ジェー・セー・デーのほか㈱ペー・ジェー・セー・デー・ロジ(化粧品の製造・販売及び輸入、福岡市中央区大手門2-3-13、代表:同)も有している。(動向は現在調査中)
同氏は、深夜時間帯を使用したテレビショッピングの通販事業で、全国最強の福岡通販軍団の草分け的存在で、化粧石鹸の「ヴァーナル」の(故)太田勝氏との関係も深かった。
当時「ヴァーナル」の通販のTV-CMは、太田社長自らが女優の梶芽衣子にインタビューするという斬新な宣伝方法が採用され、大ヒット(ピーク売上高2000年3月331億円)、今では定着している社長出演の宣伝番組の草分けでもあった。その成功の裏には、野田氏の宣伝企画のプロデュース力があったとされている。
 
元々野田氏はデザイン畑の人、これまで店舗デザイン、建築デザイン、設計、商施設開発、ファイナンスに至るまで手掛け、建築の総合プロデュースを行っていた。一方で「ヴァーナル」の宣伝企画をプロデュースするなど、企画行動力のある人である。
同氏は、福岡市天神にあるピエトロ本社ビルの企画設計プロデュースをしたことでも知られ、ピエトロがイタリアンレストランを郊外に店舗展開させた時も企画・設計・プロデュースをしていた。(建設プロデュース事業は、施主にとって建設資金が若干割高になることから、親しかったピエトロも最近は野田氏の会社に発注していなかった)
通販事業では、㈱新日本通販という会社を有していた。健康食品「黒昆玄」(発毛向け健康自然食品で定評、サイエンス・ラボの開発品)などの販売もしていたが、今では当時の電話番号は使用されておらず定かではない。㈱ペー・ジェー・セー・デー・ロジの本社所在地は、今でも新日本通販として地図に表記されている。
新日本通販ビルは、昭和通り沿い大手門の交差点角にある。同ビルはガラス張りで造られ、路上からも事務所内が丸見えである。野田氏は「女性社員が外から見られることにより、緊張して仕事に当たる」と述べ、建築デザインからも女性美を追求していた。
そうしたなか、野田氏の東京の通販会社が軌道に乗っている話を以前聞いた。しかし、今回民事再生に至ったP.G.C.Dのようである。自らの事業による通販会社は、成功の途
上であったようだ。 
非常にセンスに優れ、企画力にも優れ、幅が広く、行動力のある野田氏の再起に期待したい。
[ 2010年5月22日 ]
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