アイコン 日本風力開発 粉飾で課徴金4億円支払へ/証取委勧告

証券取引等監視委員会は29日、日本風力開発(株)に対して、粉飾の法令違反により有価証券報告書の訂正報告書の提出命令と、異例の高額となった課徴金3億9,969万円の支払を命じるよう金融庁に勧告を行った(日本の雛っ子証取委には司法権がなく二重行政)。

<法令違反の事実関係>
日本風力開発(株)は、実態のない風力発電機販売斡旋取引に係る売上が計上されている平成21年3月期有価証券報告書を平成21年6月24日に関東財務局長に提出した。その後、当該有価証券報告書については、その訂正報告書が平成22年7月28日に関東財務局長に提出されているが、当該訂正報告書によっても上記売上が訂正されていない。
したがって、別紙のとおり、平成21年3月期有価証券報告書のうちに金融商品取引法第24条の2第1項において準用する同法第10条第1項に規定する「重要な事項について虚偽の記載」があると認められたものである
平成20年4月1日~平成21年3月31日の連結会計期間連結、損益計算書連結経常損益が▲404百万円であるところを1,861百万円と記載、連結当期純損益が▲1,635百万円であるところを630百万円と記載・実態のない風力発電機販売斡旋取引に係る売上の計上。

<発行開示書類>
当社は、関東財務局長に対し、以下のとおり、金融商品取引法第172条の2第1項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類を提出し、当該発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させたものである。
(i)平成21年9月7日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成21年3月期有価証券報告書(別紙1の番号欄1参照)を参照書類とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年9月25日、新株予約権付社債を30億円で取得させた。

(ii)平成21年11月10日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成21年3月期有価証券報告書(別紙1の番号欄1参照)を参照書類とする有価証券届出書(一般募集)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年11月25日、20,000株の株式を47億26百90万円で取得させた。

(iii)平成21年11月10日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成21年3月期有価証券報告書(別紙1の番号欄1参照)を参照書類とする有価証券届出書(その他の者に対する割当)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年12月17日、3,000株の株式を7億9百3万5千円で取得させた。

(iv)平成22年1月15日、重要な事項につき虚偽の記載がある平成21年3月期有価証券報告書(別紙1の番号欄1参照)を参照書類とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年1月29日、1,497個の新株予約権証券を3億7,965万5,667円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。)で取得させた。

粉飾による資金調達額(ⅰ+ⅱ+ⅲ+ⅳ)=88億1,559万0,667円

<日本風力開発(株)の言い分>
<本件勧告に対する対応について>

(1)本件勧告によると、平成21 年3 月期における当社と風力発電機メーカーとの風力発電機販売斡旋取引には、販売斡旋の役務提供及びその対価の実態がないとしている。
(2)しかしながら、販売斡旋の役務提供はもちろん実施していたものであり、また、取引先においても当社が提供する役務に対して経済合理性を認識されたからこそ、適正な会社機関決定手続を経て、手数料をお支払いいただいたものであり、監視委員会の指摘は客観的事実に相反するものである。
(3)なお、本件勧告の対象となった平成21 年3 月期の決算については、当時の会計基準に照らして適切な会計処理を行っており、当時の会計監査人である新日本有限責任監査法人は無限定適正意見を表明していることに加え、当該年度の決算については、過去に開示している2度の外部調査委員会による調査や、その他の複数の弁護士、公認会計士、大学教授等の有識者による「当社の決算に問題があるとはいえない」旨の意見を得ている。
(4)監視委員会における本件勧告は、客観的事実に明らかに相反した事実関係の認定を根拠にしたものであり、当社としては誠に遺憾である。
当社は、今後予定されております審判手続きや聴聞の手続きにおいて、当該有価証券報告書に誤りがないことを説明し、公正かつ客観的な判断を求める方針である。
以上。

<記者見解>
もし、粉飾でなかったら、当然今後法廷闘争になり、負けたとしても見解の相違となる。ただ、当初すら粉飾の疑いが濃いいものだと、社債権者などから、訴えられたり、社債買戻し請求を受けたりする可能性がある。
同社株はこれまで大きく乱高下を繰り返しており、イロイロな思惑が働いているものと思われる。
風力発電事業は、過去、国が電力自由化の一環で、いろいろな補助金制度を設け、補助金ブローカーがコンサルに変身、田舎の市町村に持ちかけ、全国に建設された経緯がある。しかし、建設に関わる補助金制度も国や地方自治体の財政疲弊から既になくなっており、今回また復活したものの、電力買取制度によるものであり、初期建設投資に対するものはない。そうしたことから、資本力=金を有している三菱やIHIなど業界大手は新規投資もできようが、風任せの投資に地方公共団体も投資の余裕もなく後ろ向きとなっている。
太陽光発電の場合は、糞田舎の地方自治体が、バブル時代、先を競って充てもないのに大規模工業団地を造成、今や大規模工業団地の空地が日本中にいくらでもある。自治体にとっても草取り等経費もかかり無用の長物となっていた。そこに、太陽光発電事業会社が目を付け、格安の賃料で借り上げ、メガソーラーが全国で開発されている。地方公共団体の初期投資は0であり、年間・月間の日照時間等のデータがふんだんにあることから、事業会社も買取制度で直ぐ元を取り戻す計算が成り立っている。世界生産の上位を独占する中国の太陽光パネルメーカーからの輸入で調達価格も大幅に減じているのが現状である。
風力発電では、10年位で躯体の金増疲労=老朽化により、頭が落ちる事件も発生しており、耐用年数や近隣住民に対する低周波問題も抱えている。電気の買取料金が高いとしても初期投資に多大な投資が必要であり、今後金持ち会社以外に、投資するようなところは殆どないと思われる。
株は浮世のもの、環境銘柄として循環的に持て囃されるが、陸地での風力発電事業は将来とも厳しいものといえる。
なお、環境省は29日、蓄電池制御実証モデル事業として、日本風力開発の完全子会社である六ヶ所村風力開発が運営する発電施設(22基、3万2850kW)に大容量蓄電池(1万kW)を併設する事業を選んだ。環境省のモデル事業投入資金42億円。実証期間は13年度内の蓄電池設置工事完了から3年間。
証取委がこうした動きの中で、石原アホボンの環境省が当施設を選出するとは、アホボンらしいが、日本風力開発は政治力も結構有しているものと見られる。

連結/百万円 2010年3月期 2011年3月期 2012年3月期 2012年3月期予
売上高 5,112 5,246 5,986 5,852
営業利益 -784 -2,459 -1,329 -434
経常利益 -2,406 -3,626 -2,538 -1,481
当期利益 -2,394 -5,696 -5,506 4,023
総資産 103,267 86,235 76,103  
自己資本 19,031 12,668 7,111  
資本金 9,866 9,866 9,905  
有利子負債 51,787 47,058 47,956  
自己資本率 18.4% 14.7% 9.3%  
今期は、銚子風力開発(株)の保有株式の90%、江差風力開発(株)、肥前風力発電(株)及び平生風力開発(株)の株式すべてを売却して、40億78百万円の株式売却益を特別利益計上した。表記課徴金は当決算予想には反映されていない。

 

[ 2013年4月 1日 ]
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