アイコン ノバルティス社員による臨床データ捏造事件 高血圧治療薬「ディオバン」

一般の治療薬と効能変わらず 改ざんで1兆2千億円の超大型薬品に成長
京 都府立医科大学の調査委員会は11日、スイスを本拠地とする世界第2位の製薬会社ノバルティス社の医薬事業部門担当「ノバルティスファーマ」の高血圧の薬 効を調べた複数の大学の臨床研究に、ノバルティス社の社員が関与し、研究結果に疑問が投げかけられていた問題で、データに何らかの操作があった疑いがある としたうえで、他の薬より脳卒中や狭心症を減らせるとした臨床研究の論文の結論には誤りがあった可能性が高いとする調査結果を発表した。

こ の問題は、ノバルティスファーマが販売する高血圧の治療薬「ディオバン」の効果を調べた京都府立医科大学などの臨床研究にこの会社の当時の社員が関与し、 データの解析などを担当していたもので、「ほかの薬より脳卒中などのリスクを下げる効果が高い」などとした論文が発表され、薬の販売促進に使われていた。

これについて京都府立医科大学の調査委員会は11日夜、患者のカルテに書かれた情報と論文作成に使われたとされる解析データに食い違いがあり、データに何らかの操作があった疑いがあると発表した。

そのうえで、血圧を下げる薬の効果に問題はないもののほかの薬より脳卒中や狭心症を減らせるとした結論には誤りがあった可能性が高いと指摘した。

ノバルティスファーマは、この臨床研究の結果を薬の販売促進などに使っていて、ディオバンは、年間1000億円以上を売り上げる商品になっていた。

これについて厚生労働省の治験推進室は「京都府立医科大学の発表は、臨床研究のデータを操作したことが強く示唆される内容で、このようなことが起きたのは非常に遺憾だ。今後については京都府立医科大学以外に同様の臨床研究が行われた4つの大学の調査結果などを踏まえたうえで対応を検討したい」と話している。

「ディオバン」は、ノバルティスファーマが開発した高血圧の治療薬。
17年前、ドイツで承認されて以降、世界の約100か国で承認されている。
日本では、13年前の平成12年に承認、販売され、昨年までの売上額は約1兆2000億円の超大型薬品となっている。

<京都府立医科大の検証>
京都府立医科大学の調査委員会は、臨床研究に参加したおよそ3000人の患者のうち今もカルテが保管されている223人の患者のデータと論文に使われたデータとを突き合わせ、論文の作成が正しく行われたのか検証した。
 その結果、カルテには、脳卒中や狭心症と診断された記録があったにもかかわらず、論文に使われたデータには、症状がないようにされていた患者が複数いたことが分かった。
また、逆に脳卒中や狭心症と診断されていないのに、症状があったようにされていた患者もいたが、結果としては、脳卒中などを防ぐ効果が高くなるようにデータが変わっていた。
調査委員会は「意図されたものか、意図しないミスなのかは判断できない」としたうえで、「何らかの操作が行われた疑いがある」とした。
そして、「正しく分析されていれば、ほかの薬と効果に違いがないという結論になる可能性が高い」としている。
また血圧を下げる効果についてもほかの薬と大差はなかったとしている。

他の日本メーカーの高血圧治療薬と大差なかったと検証結果は述べている。それが、ノバルティスファーマ社員白橋らによりデータが捏造され、その追加効能が営業トークに最大限利用され、超大型商品に作り上げられたのである。

白橋伸雄(当時、ノバルティス社員であり、大阪市立大非常勤講師)
白橋伸雄は、ノバルティスファーマ社の社員であり、自社の高血圧治療薬であるディオバン(バルサルタン)の多数の臨床研究論文の統計解析に関わっていた。
それにも関らず、ノバルティスファーマ社および論文著者らは、白橋伸雄のノバルティスファーマ社員としての身分を隠し、大阪市立大の非常勤講師とすることにより、利益相反(Conflict of Interest:COI)行為を隠蔽していた。また、ノバルティスファーマ社が担当医師に寄附金を支払っていることさえも論文に記載していなかった。と報道されていた。

<今回のデータ偽証疑惑の関係者として名が挙がっている方々>
白橋伸雄(ノバルティスファーマ社の社員:身分を隠し臨床研究の統計解析に関与、当時大阪市立大学非常勤講師)
松原弘明(京都府立医科大学循環器内科教授:Kyoto Heart Studyの統括責任者、基礎研究でも研究不正)
小室一成(千葉大学、大阪大学、東京大学循環器内科教授:VART関係者、基礎研究論文でも疑惑)
光山勝慶(熊本大学大学院生命科学研究部生体機能薬理学分野教授:Kyoto Heart StudyのEndopint committee member、元 大阪市立大学医学部・医学研究科所属、基礎研究論文でも疑惑)
森下竜一(大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学教授:日本高血圧学会理事、小室・光山・堀内氏らとディオバン宣伝のため何度も座談会に参加、基礎研究論文でも疑惑)
萩原俊男(大阪大学大学院医学系研究科 老年・腎臓内科学教授:Jikei Heart Studyに賞賛のコメント、基礎研究論文でも疑惑)
堀内正嗣(日本高血圧学会理事長、 小室・光山・森下氏らとディオバン宣伝のため何度も座談会に参加)
青野吉晃(ノバルティスファーマ社の元営業本部長、現在は日本べーリンガーインゲルハイム社長、白橋伸雄社員が統計解析者として関与したディオバン臨床研究における身分隠蔽(COI違反)を認識していた可能性が高い)
藤井幸子(ディオバンの市販準備からマーケティングの責任者として辣腕を振るい、売上げ年間1000億円を達成するまで担当した。当時の肩書は『ディオバンマーケティング部長』。ノバの企業カラーである『赤』のスーツに身を包み、足しげく大学病院に通っていた。実際に彼女はいろいろな大学にパイプを持っており、日本高血圧学会の幹部にも食い込んでいた。)
原田寿瑞(2002年より、ノバルティスファーマ株式会社にて、高脂血症治療薬、高血圧治療薬のマーケティングマネージャーを担当。2006年4月1日まで、医薬品事業本部 循環器事業部 マーケティング部 ディオバングループ グループマネージャー。その後、医薬品事業本部 マーケティング本部 循環器領域マーケティング部長などを歴任)


<ノバルティスの見解>2013年7月12日リリース
心血管イベントについて
心血管イベントについては、カルテと解析用のデータに齟齬があると報告されています。通常、心血管複合イベントは、本試験研究者から独立したエンドポイント委員会で医学的な検討を経て確定されるため、イベントの採否が変更されることは一般的です。従って、恣意的なデータの操作があったと結論付けるには、エンドポイント委員会の記録を確認する必要があると考えます。
血圧について
血圧値については、カルテと解析用データは概ね一致しているが、解析用データとWeb収集データとで一部の血圧値に相違があったと報告されています。この点については、Web収集データに欠測値(データが未入力)があった場合に、カルテに遡って血圧値を確認し、解析用データに反映したためと考えられます。その結果として、解析用データとWeb収集データとの間に相違が生じることはあります。

ノバルティスは、研究成果の信頼性の評価に協力できることがあれば、前向きに取り組んでまいりたいと考えています。
なお、弊社の元社員に対する同大学の事情聴取への協力要請については、元社員の強い意志により実現しなかったものであり、ノバルティスが同大学からの要請を断ったという事実はありません。
京都府立医科大学による報告においても、バルサルタンの降圧効果に問題がないことが確認されました。なお、調査の対象となった、バルサルタンの医師主導臨床研究の結果は、バルサルタンの承認申請や追加適応取得の資料としては使用されておりません。
今回の件について、ノバルティスは、大学関係者の方々や患者様に対して、多大なご心配をおかけしておりますことを申し訳なく思っております。
ノバルティスは、日本で2001年から2004年の間に開始されたバルサルタンの医師主導臨床研究について第三者である外部専門家による包括的な調査を本年4月に開始しています。この調査が終了次第、その結果に基づき、適宜、必要かつ適切な対応をとっていく所存です。


2013年6月3日ノバルティスのリリース
<これまでの調査で判明した問題点とその原因>

利益相反および医師主導臨床研究に対する理解不足:
これらの臨床研究が開始された2001年から2004年当時、医師主導臨床研究における利益相反を明確に規定したガイドラインがありませんでした。このため、元社員およびその上司は、製薬企業の社員の医師主導臨床研究に対するかかわり方について理解が不足しておりました。さらに、当社の教育が不十分であったため、開示の在り方についても正しく理解していませんでした。
プロモーション資材の審査プロセスの不備:
当社では、研究論文を引用したプロモーション資材は、社内審査委員会の承認を得なければいけない規則になっています。しかし、この委員会は、資材が薬事承認の範囲内であることの確認や、有効性と安全性の情報が適正に記載されていることなどについて厳正に審査しておりましたが、資材に用いる研究論文を当社との利益相反の観点からチェックする機能を有しておりませんでした。また、社員が臨床研究に関与していることを記録する仕組みもありませんでした。
<当社の取り組み>
プロモーション資材の審査プロセスの厳格化:
プロモーション資材の審査委員会で利益相反についてもチェックができるようにするため、現行審査プロセスを厳格化します。また、こうしたプロセスの変更を速やかに社内研修教材に反映します。さらに、社員のアカデミアとの兼業や社外における研究活動をモニター及び記録する社内規定を制定し、潜在的利益相反の確認と適切な対応を徹底します。
社内教育の徹底とプロモーションの自粛:
社員に対して、利益相反、医師主導臨床研究に対する法令並びに社内基準、プロモーション、コンプライアンスに関する法令、ガイドライン、業界団体ルールおよび社内行動規範を徹底的に研修し、社員教育を行います。
このため、7月1日から5日まで、当社の全ての医療用医薬品に関するプロモーション活動を停止します(学会共催のセミナーを除く)。
バルサルタン関連講演会の自粛:
2013年6月から8月までの3カ月間、バルサルタン関連の講演会を自粛します。
関係役員の報酬の減額:
医師主導臨床研究の信頼を揺るがす事態を生じさせたことで関係各位に多大なご迷惑をおかけし、バルサルタンを服用されている患者の皆様やそのご家族にご心配をおかけする事態をまねいたことを深く反省し、お詫びいたします。それらの意を表するため、当社代表取締役社長はじめ関係役員の月額報酬を2カ月間10%減額することを決定しました。

7月12日の同社のリリースは、何か開き直っているようだ。
その後の販売目的で、金をばら撒いているいろんな大学医を臨床に巻き込み、挙句、データ捏造、とんだ食わせ物の製薬会社のようだ。スイス本部は、日本のこうした関係者を全員首にするくらいの措置が必要であろう。また、大学医にこうした利益を還元させるための金のばら撒きも問題だ。

[ 2013年7月12日 ]
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