アイコン インド自動車市場と韓国勢 100万台生産体制の現代G 2019年大幅な落ち込み

 

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インドの自動車市場が深い低迷の沼に陥り、現代・起亜自動車の悩みが深刻になっている。
2017年3月のTHAAD配備決定から中国での販売が急減、新たにインドに目を向けたが、最近インドの成長までもが腰折れし、海外での販売不振が続く可能性が高まっている。

インド自動車工業会(SIAM)は10月4日、今年に入って8月までのインドの全体の自動車販売台数は前年同期間比▲15.3%減の194万3230台だった。特に8月の販売台数は前年同期比▲33.2%減の24万8421台にとどまった。

昨年までインドは、ここ数年間の成長速度が世界で最も速い自動車市場として注目を浴びていた。
インドは13億人を超える人口を抱えているが、自動車普及台数は中国の3分の1にすぎず、成長潜在力の大きな市場という分析が相次いで示されており、インドが中国・米国に次いで世界3位の市場に浮上するとの見通しも多かった。
インドの自動車販売台数は、2016年は前年比7%増、2017年には同8.7%増となり、2018年も5.1%増加してきた。

インドの自動車市場の成長が悪化し始めたのは昨年の第4四半期(10~12月期)から。
米中貿易戦争によって世界景気が鈍化し、インドも直撃弾を受けたことに加え、最近いわゆる「影の銀行」と呼ばれる非銀行系金融会社が相次いで破産し、金融危機が重なって消費が冷え込んでいる。

また、最近インド政府が完成車に適用する安全と環境規制を強化したことで、自動車価格の引き上げが避けられなくなり、需要の萎縮が来年まで続く可能性が高くなっている。

<現代Gのインド投資>
インドの自動車市場が揺らいだことで、現代・起亜自も非常事態となっている。
現代・起亜自は2017年3月、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)韓国配備に対する中国の報復措置以降、中国で苦戦すると、中国の次に人口が多く成長潜在力の大きいインドを「ネクスト・チャイナ」として目を付け、同地域に多額の投資を行ってきた。

現代自動車は、インド・チェンナイ第1、第2工場が稼働中で現在、年生産キャパ65万台を、今後75万台水準まで拡大するため増設に700億ルピー(約1050億円)を投じる。

起亜自動車も今年、インドのアンドラ・プラデシュ州に年産30万台規模の初の工場を完工し、稼働を開始した。(年産キャパ30万台の工場投資は1000億円以上必要)
現代・起亜自は、今年発売した新車のうち一部をインドで最初に発売し、現地市場攻略に力を注いだ。
起亜自は今年6月、小型スポーツ用多目的車(SUV)セルトスをインドで、世界で初めて公開し、現代自は軽自動車級の小型SUVベニューを国内に先駆けてインドで発売した。

中国での不振が続く中、インドまで成長が腰折れし、現代・起亜自は低迷している海外販売実績をなかなか回復させられずにいる。

<韓国と世界販売>
現代自の場合、今年に入り9月までの韓国内の販売台数は54万7435台で、前年同期比で4.1%増加したが、海外での販売台数は268万3697台で▲5.4%減少した。このため国内・海外合わせた世界販売台数も323万1132台で▲3.9%減少した。

<チェンナイ工場・生産一時中断>
今年に入って8月までの現代自のインド市場での販売台数は、ベニューなど新車を発売したにもかかわらず33万6922台で、前年同期比▲7.5%減少した。
現代自は下半期に入ってインドでの販売台数が大幅に落ち込むと8月に在庫削減のためにチェンナイ工場の稼働を一時中断した。

インド市場の低迷が長期化するという懸念が増大し、現代・起亜自をはじめインドに進出している完成車メーカー各社はさらなる構造調整を考えなければならない状況に追い込まれた。

今年4月以降、インドの自動車業界は約35万人の労働者を解雇するなど構造調整を本格化させているとし、現代・起亜自も新車を発売したにもかかわらず、需要不振とインドのルピー切り下げなどの影響で、可視的な業績改善は容易ではないだろうと話している。
以上、

<世界一新工場持ちの現代G>
起亜自動車:2016年9月、メキシコ工場完成 年産キャパ30~40万台
現代自動車:2016年10月、中国・河北滄州工場完成 年産キャパ30万台
現代自動車:2017年7月、中国・重慶工場完成 年産キャパ30万台
現代自動車:2019年2月、ミャンマーにセミノックダウン工場完成 初年度1万台
起亜自動車:2019年2月、インド・アンドラプラデシュ州工場完成 年産30万台

現代自動車:2019年7月、インド・タミルナド工場、10億ドル追加投資決定
EV生産も
2014年9月、現代自動車はソウル新本社建設のため韓国電力の跡地約8万平方メートルを時価評価の3倍の10兆5500億ウォン(当時のレートで約1.1兆円)で購入した。高価格購入については国に還元するとした。計画では500メートル超えの超高層本社ビルを核に複合施設を総投資額5000億円で開発すると発表していた。しかし、それ以降、経営環境の雲行きが怪しくなり、最近では投資ファンドと組み建設に当たると発表し、2022年完成予定の建設計画は大幅に遅れている。実際、本社ビル建設どころではない・・・。現代自動車はその後の決算で、当土地購入に当たり、時価評価とのギャップを損金計上したのかも不明。

この間、工場も世界各国に造ってきたものの、世界での総販売台数は伸びていないどころか落ちている。
韓国・蔚山には160万台キャパの世界最大の工場を抱え、世界一屈強な労働組合も抱え、それでも利益が出る現代自動車の利益構造はすごいの一言。

 

現代+起亜G世界販売台数
/万台
台数
前年比
2013年
754.84
5.9%
2014年
800.51
5.8%
2015年
801.57
0.1%
2016年
788.02
-1.7%
2017年
725.10
-7.0%
2018年
739.89
2.0%

 

インドにおける現代自動車Gの100万台へ道
 
現代
インド全体
 
2019年
2018年
2019年乗用車
 
台数
前年比
台数
前年比
台数
前年比
1月
45,803
0.6%
45,508
8.3%
280,125
-1.9%
2月
43,110
-3.1%
44,505
5.1%
272,284
-1.1%
3月
44,350
-7.6%
48,009
7.3%
291,806
-3.0%
4月
42,005
-10.1%
46,735
4.4%
247,541
-17.1%
5月
42,502
-5.6%
45,008
7.1%
239,347
-20.5%
6月
42,007
-7.3%
45,314
20.8%
225,732
-17.5%
7月
39,010
-10.3%
43,481
1.1%
200,790
-31.0%
8月
38,205
-16.6%
45,801
-2.8%
196,524
-31.6%
9月
40,705
-14.8%
47,781
-4.5%
 
 
10月
 
 
52,001
4.9%
 
 
11月
 
 
43,709
-0.7%
 
 
12月
9月累計
 
42,093
4.8%
8月累計
 
合計
377,697
-8.4%
549,945
 
1,954,149
-15.5%
・起亜自動車は2019年2月工場完成 30万台キャパ=新規参入

 

[ 2019年10月 8日 ]

 

 

 

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