アイコン 韓国文政権 米国の国連軍強化をけん制

 

 

戦時作戦統制権の韓国への返還はのむ政権下で米国との交渉で合意した。しかし、その後の2期の保守政権で延期され、文政権となり返還の手続きを申し入れ、米軍とその作業に入っている。
しかし、現実は、北朝鮮が核を保有する中、韓国に戦作権を引き渡す環境ではなくなっているのが実情だ。ただ、米軍としても合意を覆すわけには行かず、国連軍司令部が米軍より上位の統制権を保有していることから、米軍は国連軍として統制権を行使する計画である。

北朝鮮に対する愛こそすべての文政権にあり、大統領スタッフの一部にはあからさまに北朝鮮の核保有を認める高官もおり、大統領はそれを咎めもせず、もう北朝鮮に対して盲目的偏愛としか言いようがない文政権となっている。

大統領府の言いなりになっている国防部(省)の鄭景斗長官は今年7月、国連軍司令部所属の16ヶ国に対して「国連軍司令部の規模拡大のためには、韓国の同意が必要」という趣旨の見解を伝えていたことが10月14日までに分かったと韓国の聨合ニュースが伝えている。韓国軍関係者は「鄭長官は、米国を除く英国・カナダ・オーストラリアなど国連軍司令部加盟16ヶ国の駐韓大使館に、韓国の立場を文書の形で伝えた」として「国連軍司令部が戦力提供国を追加しようとする場合、韓国と協議しなければならないという趣旨」と語った。

国連軍司令部拡大は、このところ米軍が積極的に推進してきたもので、韓国軍はこうした動きに拒否感をあらわにしてきた。だが、国防長官まで乗り出して、米国とはっきり対立する内容の見解を他国へ送るのは異例で、文大統領の直接の意向であり、大統領府の指示に基づくものと見られる。米軍による国連軍司令部拡大の動きは、今年の初めから感知されていた。

今年5月には、ドイツを戦時の戦力提供国に含めようとしたが、韓国の反対で白紙となっていた。また6月に米統合参謀本部は「国連軍司令部関連の約定および戦略指針」で、国連軍司令部戦力提供国の定義を「国連安保理決議に基づき国連軍司令部に軍事的・非軍事的寄与を行った、あるいは行う国家」と定め、「日本などを戦力提供国として参加させようとしているのではないか」という論争が起きた。
さらに在韓米軍は今年7月、「戦略ダイジェスト」で「国連軍司令部は危機に必要な日本との支援および戦力協力を継続する」とも表明した。
鄭長官の見解は、こうした論争の直後、各国大使館に送られたと伝えられている。
8月の戦作権移管の合同演習においては、米軍司令官が指揮権に関与しようとしたところ、韓国軍の司令官から拒否されひと悶着あり、韓国軍トップの合同参謀議長が乗り出し、決着をつけないまま灰色で決着させた。

韓国軍内外からは、国連軍司令部を巡る神経戦は、戦時作戦統制権(統制権)移管後を考慮した米軍の布石が理由という声が上がっている。
現行の統制権移管計画によると、「未来連合司令部」体制では、米軍は戦時に韓国軍の指揮を受けることになる。
韓国軍の戦時作戦能力に確信を100%持てない米軍は、国連軍司令部の拡大を通して統制権行使に関与できる道を整えようとしている。
  米軍は創設以来、他国軍の統制権下になった歴史は持ち合わせていない。

戦時作戦統制権が韓国側に渡れば、米軍は韓国軍にとって傭兵並みに格下げされ、安全も保証されないものになる。
大幅な撤退も含め米軍は韓国に対応しているものと見られる。

文在寅大統領は、トランプに対しては兵器さえ高額に購入していればどうにでもなる人物と見ているようだが、一過性の米大統領とは異なり、米国の安全を司る米軍はそうではない。
特に、北朝鮮の核を容認するかのような文政権のこれまでの北朝鮮政策は、国連でも米国でも相容れないものでもある。

こうしたことからも米国の韓国に対する取り扱いは、GSOMIA破棄に対する言動や、韓国文政権が8月24・25日に行った日本を仮想敵国とした過去最大の大規模な竹島防衛訓練に対する批判など、韓国が米国に対して批判を止めるよう要請したにもかかわらず、米政権はまったく意に介せず、韓国批判を続けたが、このように韓国に対する対応がこれまでとはまったく異なったものとなっている。
韓国民の米国を信頼する度合いは70%以上と非常に高く、チョ・グク問題では文政権の支持率は落ち、双方のロウソク集会も文政権支持派と反支持派が300万人ずつと既に国論は分裂し、特に中道層の支持率は34%まで下がり、文政権離れが加速している。
こうした事態に、文政権もこれまでのような我を通す事態ではなくなっている。

米国が韓国を捨てるか、韓国が米国を捨てるかであろうが、今の韓国では米国を捨てる状況にない。
さらに、駐韓米軍が大幅に縮小した場合、韓国自体の安全保障体制も危うくなる。米軍が完全に撤退しない限り、中ロ朝に寄り付くこともできず、韓国はどこも相手にせず孤立することになる。

既に北朝鮮は韓国を相手にしていない。
文大統領は、トランプから高額な兵器をF35Aも含め購入し続け、その最新兵器は北朝鮮に向けられたものであり、2018年9月19日の南北軍事合意からも違反した敵対行為だと批判し続け、文政権に対して警告のため弾道ミサイルを11回も発射しているのが現実である。
社会主義政権を目指す文政権にとって、北朝鮮からも相手にされなくなり、もはや駐留米軍は邪魔者のようでもある。

[ 2019年10月16日 ]

 

 

 


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