アイコン AI研究と製品開発・日韓の差は開くばかり サムスン電子

 

 

大きく綺麗な打ち上げ花火を打ち上げるのは美しい日本の現政権の専売特許のようなものだが、現実には花火大会で打ち上げる人はいない。こっそり、政治人脈を利用してそうした政府資金を利用する企業人はいくらでもいても、産業界のリーダーシップ役は皆無。田中角栄のような政治家もいない。

その点、韓国は単純だ。サムスン電子が打ち上げ花火を用意し、大会でも自ら打ち上げる。それほど、韓国は財閥に産業が依存している裏返しにもなるが、自然発生的に裾野が広がる米国や中国でないため、利点は限りなく大きい。日本はどちらでもない絵に描いた餅だけを堪能している。

サムスン電子の李在鎔副会長が、全社的な人工知能(AI)の力量強化に拍車をかけている。世界的に著名な学者を招待してAIフォーラムを開き、AI研究センターを設立してサムスン電子をハイテク企業に導くという戦略。サムスン電子は11月4日と5日の2日間にわたって「サムスン電子AIフォーラム2019」を開催した。

今年で3回目を迎える当AIフォーラムは、世界的に著名なAI研究者を招待して、最新の研究動向を共有する。
初日のイベントは、サムスン電子総合技術院の主管で、ソウル瑞草区の社屋で開かれた。
金奇南DS部門代表取締役(副会長)は開会の辞で、「サムスン電子はディープラーニングの初期から多額の投資をしており、世界最高の大学と協力してきた」とし、「世界的な研究者と一緒にAI技術の未来発展の方向性を示し、世界を利する戦略について考える場にしたい」と語った。

カナダ・モントリオール大学のヨシュア・ベンジオ教授の「ディープラーニングによる組み合わせ的世界の理解」など著名学者たちの講演も行われた。
ソウル瑞草区のサムスン電子研究開発(R&D)キャンパスで開催された5日のイベントでは、米ワシントン大学のノア・スミス教授とカーネギーメロン大学のアビナブ・グプタ教授が基調講演を行った。

サムスン電子は、今年のAIフォーラムにAI専門家など1700人余りが訪れたと見ている。
AIは、李副会長自らが奔走しサムスン電子の未来成長事業として育てている代表的分野に挙げられる。
李副会長は、2016年に登記取締役に選任され、経営の前面に出た後、2017年に「サムスンリサーチ」を発足させ、「AIセンター」を新設して先行研究を強化するための足掛かりを作った。
昨年1月に米シリコンバレーに「AI研究センター」を設立したのを皮切りに、現在、世界5ヶ国で7つの研究センターを運営している。

昨年6月は、初めて「最高研究科学者」という役職を新設し、AI分野の世界的研究者であるセバスチャン・スン米プリンストン大学教授とダニエル・リー・ペンシルバニア大学教授を同時に迎え入れ、グローバルAI人脈も固めている。

李副会長は、昨年11月に訪韓したサティア・ナデラ・マイクロソフト(MS)最高経営責任者(CEO)、7月に訪韓した孫正義ソフトバンク会長とAIなど、未来産業と関連した協力方策について議論した。

さらに10月には、サムスンリサーチを訪れ、主な研究課題の進捗状況について報告を受け、先行技術の戦略について議論した。
当会議で李副会長は、「今までになかった新技術で、新未来を作らなければならない」と話したと伝えられた。
今月1日、サムスン電子創立50周年を迎えては、「我々の技術で、より健康で幸せな未来を作ろう」と技術力量の重要性を強調した。
以上、

日韓企業の決定的な違いは、サラリーマン経営者の企業とオーナー企業との違いだろう。韓国で生き残っている財閥企業は、いろいろな弊害ももたらしているが、一方で、グローバル化に成功した企業は、巨大化し、その収益をさらに新分野へ投資し続け、それが拡大スパイラルを演出させている。
そうした企業もこれまで日本を真似ていろいろな投資も行ってきたが、業績改善が図られなければ、止めるのも鶴の一声、日本のような内部の利害関係など通用しない。

首を切られないオーナーは、将来の経営へ向け方向・方針を示し続け、それを実践できる人材を育て上げる宿命を帯びている。

日本の場合は、サラリーマンの揚げ足取り合戦で生き残った要領だけ長けている人物が頂点まで上り詰めている。アベノミクス・円安誘導で利益が出たのを自らの力量と錯覚さえしている。
その錯覚は、企業の怠慢を招き、腹ばかり突き出た生活習慣病に冒された体質企業へ引きずり込んでいる。
エコポイントに浮かれた家電業界の今日を見れば一目瞭然だ。一つも教訓化されてもいない。
サラリーマン経営者として、いつまでもトップという地位の腐れた延命のために。
企業の将来のために潔く身をわきまえる知も力もなく、腐れかけた権力欲だけで地位の存命を図っている。

家電・電子業界は、構造改革によりハード部門を統廃合させてきたが、今や世界はソフト部門が利益の源泉となっている。
人材も乏しい中、ソフト部門の統廃合こそが日本企業に求められているようでならない。
以上、

企業には常に、アシモやムラタ君、ペッパーなど自由闊達枠が必要ではないだろうか。
政府は、金をケチり続ける中でも、学者が研究するものだと錯覚しているのでは・・・、大学ばかり馬のクソのように増加させ、薄く広く大学補助金を分散させてしまった。今では研究資金が欲しければ防衛技術の研究をせよと圧力さえかける。

量子コンピュータでも基礎技術の開発には先行したものの、予算と人材のため遅々として進まず、カナダ企業が、そしてグーグルが造ってしまった。
それでも政府は、政府系研究機関の理研に巨額を拠出して「富岳」を造るという。
東芝は、既存コンピュータの計算式の組み合わせ技術により量子コンピュータ並みの計算能力を証明している。今後、機器の開発に当たるというが、「富岳」より超安価に「富岳」よりケタ違いの計算能力を有するものと見られている。
量子コンピュータの小型化技術を開発中の東大とともに、そうした技術開発に国の資金と人材を集中させるべきではないのだろうか。

言い出し兵衛の諮問機関の長と政治家ばかりでは前に進まない、実務研究開発部門のリーダーの不在は日本にとって致命的だろう。
親方日の丸、護送船団方式など、今まではそれでも何とかなったがそれは明治遺産の残骸を食っていたようなもの。グローバル化したこん日の社会ではそれは通用しない。



 

[ 2019年11月 6日 ]

 

 

 


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