アイコン 韓国LNG運搬船に問題発生 外壁結氷 & 10月の造船大量受注

 

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中国の造船業界への台頭に、韓国の最後の砦のLNG船。液化天然ガス(LNG)船はLNGを液体状態で輸送している。液体での輸送にはマイナス160度を維持する超低温のLNGを保管できる技術が必要であり、これまでその技術「ガストランスポート・メンブレン方式」を保有するフランスのGTTと船舶価格の5%のロイヤリティを支払ってきた。大型化しており1隻あたり100億ウォン(約10億円)になる。

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そこで、韓国ガス公社と韓国の主要造船会社が独自技術を開発すべく提携し、2004年から10年間の開発期間を経て「KC-1」(韓国型タンク核心設計技術)を完成させた。

結果、LNG船1隻に最大36億ウォンの費用で済むようになった。国産技術であるため国富の流出もない。
ところが2018年4月、この技術を適用したLNG船2隻の船体の外壁に結氷問題が発生した。
その後、197億ウォンを投入して一度補修したが、昨年5月にまたも同じ欠陥が表れた。
11月、2度目の補修に入ったLNG船2隻について「修理完了後にもまた欠陥が表れるおそれがある」という指摘が出ているという。

韓国ガス公社の資料によると、SK海運所属のSKセレニティ号、SKスピカ号は11月から来年3月の完了を目標にサムスン重工業巨済(コジェ)造船所で補修中という。

↓問題のLNG船のSKセレニティ号(左) と 問題のないLNG船のSM JEJU1号(右)
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2次補修方法は、タンク下側の空間に断熱材を設置して空間内部の対流現象を防ぐ方式だという。
ガス公社は「タンクのコーナー空間内の低温気体流動を遮断し、低温発生部位を除去する」と明らかにしている。

「KC-1タンク」は、LNGと直接接するステンレススチール材質の大型タンク(メンブレイン)とこれを覆ったポリウレタン材質の断熱材部位、外側の船体との連結部位で構成されている。

問題は、この方式が検証された方式でないという。このため、ガス公社がすでに検証されている補修方式を採用しなかったという主張も出ている。

サムスン重工業が建造して9月に大韓海運に引き渡したSM JEJU LNG1号船の場合、KC-1技術が適用されたが、断熱方式が異なる。
大型タンク(メンブレイン)の外側の空間をすべて断熱材を覆って対流現象を防いでいる。SM JEJU LNG1号は現在、正常運行中で、今月末に2号も引き渡す予定。

業界関係者は「全体に断熱材を覆わず空間を残す点がSKセレニティ号、SKスピカ号の2次補修の問題点」と指摘している。

SK海運は2018年10月、ガス公社の子会社で「KC-1」技術管理会社のKC LNGテック(KLT)を相手取り250億ウォンの船舶運航損失関連の損害賠償訴訟を起こした。
このため、ガス公社が積極的に補修せず責任を回避しているという指摘も出ているという。

「KC-1」技術は、国民の税金157億ウォンで開発した国産技術だが、ガス公社の責任回避で死蔵される危機を迎えているとし、責任主体であるガス公社が失敗という結論が出た1次修理時の固執を2次修理でも見せていて、まともに修理されるかは疑問だとされている。

KLT側の関係者は「新しい船を建造するのと従来の船を修理するのは状況が異なる」とし「SKセレニティ号、SKスピカ号のタンクに一部の空間があるのは補修の結果に全く関係ない」と述べているという。
以上、
外壁が結氷すれば、その箇所が何かのショックで破損し、大事故に至る可能性がある。

仏GTTの特許技術を、その特許にかからない方式を開発したのだろう。それまでの建造で、GTTの仕様は熟知しており、簡単に国産化できると見たようだ。
これでは、現在、韓国が世界から受注しまくっている巨大LNG船も、運行中、問題が発生するおそれもある。そのときの補修費用は韓国の海運会社ではないため、巨額請求されるおそれもある(新造船でも「KC-1タンク」を採用した場合に限る)。

LNG運搬船は丸タンク方式から、上記写真のような格納庫角型方式に変わったようだが、安全面からは丸タンク方式だろう。ただ、角型方式は大量輸送に向いている。船主としては安全ならば角型を選ぶだろう。

↓これまでのLNG船
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また始まった韓国勢の船舶根こそぎ受注
英国の造船・海運分析機関クラークソンリサーチが11月12日に明らかにしたところによると、韓国造船業界は10月、全世界の船舶発注量150万CGT(標準貨物船換算トン)のうち129万CGTを受注した。前年同期より324%増加した。
月間受注量が100万CGTを超えるのは今年に入り初めて。受注額は前年同期より287%増加した26億ドルでやはり月間最高を記録した。

韓国は1~10月の累積受注量でも695万CGTを記録し、
中国の611万CGTを抜いて再び1位に上った。
受注額では159億ドルで中国の136億ドルと格差をさらに広げ3ヶ月連続1位となった。

韓国はLNG運搬船など高付加価値船種を主力に受注しており、受注額では8月から1位を記録していたが受注量では中国に押されていた。2ヶ月ぶりに1位を奪還し、受注額・受注量ともに1位に上った。
1~10月の累計では韓国は、
発注のLNG運搬船35隻のうち32隻、
超大型原油運搬船(VLCC)21隻のうち13隻、
超大型コンテナ船26隻のうち16隻などを受注している。

韓国勢は取れるものはすべて取り捲り、他社に受注させない。それは韓国勢どうしでも安値競争して受注する。特にライバルが日本の場合は、日本勢が太刀打ちできない価格で受注していく。
文政権になり、赤字から銀行管理に入っていた3社は、ともに解除され、それまでの選別受注強化策など解除され、今では、取ったモンの勝ちとばかりに受注しまくっている。

巨額粉飾決算で政府支援を受けた準国営の大宇造船海洋は現代重工へ吸収統合され、今後、世界№1の現代重工とサムスン重工の2社体制となる。但し、合併承認手続き中で、日本が寡占化で反対する可能性がある。ただ、米圧力により水面下でへっぴり腰になってしまった安倍政権は承認する可能性が高い。

[ 2019年12月 4日 ]

 

 

 

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