アイコン 現代韓国人の心の病 深刻 うつ病患者数と自殺者数 自殺率

 

 

ボイコットジャパンに見られるように気性が激しいとされる韓国の人たち。その反面、自殺率は高く、社会問題となっている。文在寅大統領も自殺率半減という目標を掲げている。
経済協力開発機構(OECD)加盟国(36ヶ国)で、自殺率は26.6人(人口10万人当たりの自殺者数)で1位という現実から抜け出せず、2003年から1位※が続いている。
1996年の韓国の自殺率は15.2人だった。その後、経済成長とともに自殺率は増加、政策不毛との相関関係にもある。リーマン・ショック後の2009年には33.8人と過去最高を記録、その後、減少傾向にあった。

韓国で心穏やかに成長し年追うには、歴史、宗教、経済、政治、学歴・競争・収入・仕事・会社制度・友人などの生活環境と家族・一族の古い慣習・しきたりなどがあり、新たにネットの誹謗中傷の山などとの葛藤があろうか。
(皮肉にも、こうした社会・生活環境が、現在の財閥が主導した韓国経済の成長ともなってきたのも事実。だからこそ、政治による国民のケアが必要であろうか・・・)
韓国の人口は5,182万人(2018年)

<社会環境、うつ病患者>20代急増中
韓国の健康保険審査評価院の資料によると、うつ病患者は2014年の58万8,155人から2018年は75万1,930人と4年間で28%増加している。
中でも20代の増加率が目立ち、うつ病患者は同期間に4万9,975人から9万8,434人へと4年間で97%も増加している。今年2019年も1月から9月にうつ病の治療を受けた20代は9万4245人に達しており、このペースで行けば、今年の20代のうつ病患者は12万5000人に達すると予想される。1年間で30%近い急増で、5年前の2.5倍となる。

<社会環境、そううつ病患者>
また、双極性障害(そううつ病)患者数も、全年齢層で2014年の7万5,616人から2018年には9万4,129人と4年間で24%増加している。特に20代は同期間で1万1,844人から1万7,458人へと4年間で47%増加しており、全年齢層平均伸び率の2倍となっている。
双極性障害とは、憂うつな気分が生活に支障を来すほど頻繁に生じる「うつ病」と、気分がひどく高揚している状態である「そう病」が交互に現れる症状。
特に2019年1月から9月までの20代の双極性障害の患者数は1万7,763人で、昨年の年間患者数をすでに上回っている。

<社会環境、憤怒調節障害の患者数>
資料が2014年分と古いが、韓国健康保険審査評価院の調べでは、怒りを抑えられない間欠性爆発性障害=憤怒調節障害の患者数が急増している。2010年41万人、2012年49万人、2014年50万人超。
2014年の“腹立ちまぎれ”により偶発的に起きた暴力犯罪は約15万件。全体の40%に達すると調査されている。

<自殺者数>
韓国保健福祉部の資料では、2018年の自殺者数は、1万3,670人、10万人当たりは2017年24.3人から26.6人と増加している。1日あたり37.5人。
2013年以降、自殺者数は5年連続で減少していたが、これが再び増加に転じた。
特に、家族関係や経済的な問題などで荷が重くなる中高年、とりわけ40代男性が自殺を選択するケースが目立っている。
40代男性の(10万人あたりの)自殺率は、2017年には38.7人だったが2018年には45.35人と17.3%も増加し、男性の全年齢層の中で最も高かった。

<↓参考図、日韓年齢層別自殺者数>
日本の人口は韓国の2.46倍(韓国の人口は約5,182万人、日本は約12,618万人)
※表の注意点:韓国の自殺者数は2016年、日本は2018年の違いがある。
日本の2018年の自殺率は16.5人(10万人あたり)、男性は23.2人、女性は10.1人、自殺者数は20,840人(男はつらいよ)。

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別に、韓国では昨年2018年、自傷・自殺を試みて救急救命室に運ばれ助かった人は3万3,451人だった。10万人当たり65.6人に相当する。自傷・自殺未遂者は1時間当たり3.82人、1日当たり91.64人が救急病院へ運ばれている。これに自殺者が(1日当たり)37.5人加わる。

大韓神経精神医学会によると、心療内科治療を受けるべき患者のうち、実際に病院に来るのは僅か5人に1人しかいないという。そうしたことも自殺の多さに結びついていると見られるという。まだ、社会的風土や偏見が内包されているようだ。

北欧フィンランドの自殺率は、1990年の30.2から2014年には14.11まで低下した。これは、大規模な心理学的剖検(個々の自殺原因を徹底的に究明)を実施し、これを基に国家自殺予防戦略を策定・施行して画期的な現象を見ている。

<日本も性格は似てきている>
日本人も最近キレる人が非常に多くなってきている。新自由主義社会がもたらしている文明病であろうか。それを克服するには欧州の施策を取り入れることしかないようだが、列強時代から築いてきた多くの国富や北海油田という国富などの国家基盤を有しており、一朝一夕に真似ることはできない。しかし、少しずつ真似、解決していくことはできるだろう。白人支配、白人至上主義の多民族国家アメリカ合衆国を真似ていては、解決策は遠のくばかりではないだろうか。

(※、2017年はOECDに自殺者が多いリトアニア(フィンランドの南、旧ソ連)が加盟して2位なったが、2018年には1位に戻っている。バルト3国は寒いからか、強い酒を飲むことからか無政策では自殺率が高い)

文大統領の責任問題・功罪
当HPでは、文大統領が、2017年8月に決定した2018年の最低賃金の大幅アップ(16.4%)は、経済成長下に行うべき政策であり、経済低迷下では経済をさらに悪化させると警鐘を鳴らしたが、2018年にも19年分を再び大幅に引き上げ(10.9%)、半導体を除きさらに経済失速、内需低迷、失業者増を招き、昨秋、所得主導経済成長政策担当の張夏成大統領府室長の首を切った。
これに対して、文大統領が取った対策は、数百万社に及ぶ中小零細事業者に対し、従業員1人当たりの補助金を支出して首切り抑制、それでも事業者は耐えられず、失業者が急増、店舗などでは日8時間就労から、繁忙時間だけの就労に変更、就労者の収入も大幅に減少させた。

また、文大統領は中堅企業以上に対しては労働時間を週68時間から52時間に減らさせたことから、特に工場労働者などの収入が大幅に減った。当然、内需不振の原因の一つになった。ただ、高給取りの富裕層は残業が減り、収入は増加し、家族サービスもでき大喜びしている。

8月以降、大幅に青年失業率が減少しているが内容不明、
文大統領は、
これまで批判してきた大幅公共投資増に舵を切っており、その効果が現れ始めたのか?、
失業対策に公務員を80万人増加させるという公約を実行に移しているのか、
忖度統計庁長官の忖度数値かは不明。

これまでに高齢者を短期就労で、数十万人官公庁で採用させている。しかし、対象は青年ではなかった。就労できない留年大学生には金銭のバラまきをはかっている。
こうした青年失業者問題で、どれほど自殺者が出たのであろうか。
就職できず就職をあきらめニートなどになった未就労者は別途20%もいる。

多くの学生たちが、大学を卒業しても就職できず、「コシウォン(考試院)」というキッチンやバスは共同の狭小部屋から出ることもできず、こうした貧しい若者の恒久的な住まいになるケースが増えているという。
そうした社会的な成功をほぼ諦めた「泥スプーン」族を、公正経済を掲げ、貧困層に支持・期待された文大統領が皮肉にも大量創出し、逆に、増加一方の「金スプーン族」と呼ばれる富裕層と貧富の差はますます拡大している。
それを認めようともしない文大統領にその対策などできようもなく、自殺者増も含め、すべての責任がある。自殺と経済は密接な関係にある。
(貧富の差拡大の統計数値を発表した黄秀慶(前)統計庁長官は、昨年8月いきなり、文大統領により首を切られた。黄氏は大統領自ら鳴り物入りで就任させていた左派系の女性長官だった)

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[ 2019年12月 2日 ]

 

 

 


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