アイコン 双龍自動車も赤の点滅信号灯る 韓国政府に支援申し入れ

 

 

双龍自動車が韓国政府とメインバンクの産業銀行に既存借入金の返済延長や新規資金支援を緊急要請した。
11四半期連続で赤字が累積して流動性危機に陥った双龍車が、政府と産業銀行に支援を要請した。
政府は双龍車の大株主であるインドのマヒンドラグループの追加増資と強力な構造調整が先に行われてこそ支援について議論できると伝えた。
双龍車は16日、取締役会を開き、今後の事業計画および経営再建案などを議論した。双龍車の労使も協議に入った。

双龍車が資金支援などを要請したのは、来年上半期に満期を迎える借入金1000億ウォン(約94億円)を償還するのが難しい状況であるという。
同社は2017年1~3月期から赤字が続いている。9月末基準で負債比率は285.5%と、1年前(204.6%)に比べ80.9ポイント増えている。

今年に入って「コランド」のフルチェンジモデル、「チボリ」のマイナーチェンジモデルなどを出したが、期待以下の成績だった。
来年は新車発売計画がなく、販売不振が長期化する可能性が高い。業界関係者は「双龍車が2009年のストライキ以降、最大の危機に直面した」と話している。

産業銀行は、インドのマヒンドラグループが先に「大株主の責任」を履行し、双龍車も追加の経営再建案を用意すべきだと要求した。双龍車の労使は経営再建案を用意するための交渉に入った。

<双龍車の歴史>
双龍車は、1954年に河東煥自動車製作所として第一歩を踏み出した双龍車は1986年に双竜グループに買収されて再スタートした。
経済成長下、好調だった双龍車は1997年にアジア通貨危機を迎え、経営難を乗り越えられず1998年に大宇グループに渡った。
1999年に大宇グループも経営難から解体され、双龍車は2000年に債権団の管理を受けることになった。
2004年に中国上海自動車に売却されたが、下降は続いた。
2008年にリーマン・ショックの金融危機を迎えると、翌年の2009年に上海車は双龍車の法定管理を申請した。
1900人が希望退職し、約450人が無給休職に入った。この時、77日間の「玉砕ストライキ」事態が発生し、会社が閉鎖直前状況まで悪化した。
2010年に最大株主がインドのマヒンドラグループに変わると「反転ドラマ」が始まった。安定的な財務構造と労使和合を基礎に正常化の基盤を固めた。
最も貢献したのは2015年に登場した小型SUV「チボリ」だった。2016年には9年ぶりに黒字転換(営業利益280億ウォン)した。

しかし、長くは続かなかった。
2017年から販売台数が減り、双龍車はまたふらついた。今年に入ってからは、さらに悪化した。
双龍車の今年1~11月の販売台数は11万9876台。最悪の販売危機を迎えた前年同期の12万7818台と比較しても▲6.2%減少した。
双龍車は、チボリのマイナーチェンジモデル、コランドのフルチェンジモデルを出したが、販売に寄与することはなかった。

業績は過去最悪。
双龍車は今年7~9月期に1052億ウォンの営業損失を出した。
11四半期連続の赤字で、3年足らずで累積赤字は3000億ウォンを超えた。

双龍車は「競争力がある新車の不在→販売不振→資金難」の悪循環に入ったと診断されている。
経営難の余波で来年の新車開発および量産計画も次々と延期された。来年は目を引く新車を出すのが難しい状況。
こうした理由で双龍車の労使は9月、第1次経営再建案に合意した。
事務職の職員を対象に循環休職を施行し、役職員の福祉も大幅に縮小することにした。129人規模の新規採用計画も無期限延期した。
しかし、その成果もまだ見られず、銀行の返済圧力まで強まっている。
双龍車の返済額は今月末300億ウォン、来年上半期700億ウォンなど1000億ウォン。1年以内に返済すべき短期借入金は3000億ウォン(今年9月末基準)。
産業銀行をはじめ、ウリィ銀行、国民銀行、韓国シティ銀行などから施設および運営資金の用途での借入金。

双龍車は、政府と産業銀行に追加の資金支援も要請した。
産業銀行は、大株主のマヒンドラグループが先に追加増資をして双龍車も追加の経営再建案を出すべきだと伝えた。マヒンドラ側は難色を示している。今年に入ってインド自動車市場が冷え込み、マヒンドラの事情も悪化している。

双龍車の労使は第2次経営再建案のための交渉を始めた。
業界は循環休職の拡大、希望退職の施行、賃金の返納などを議論中とみている。双龍車関係者は「持続的な未来への投資のための案を用意する」と伝えているという。
以上、韓国紙参照

インド政府が銀行外をシャドーバンキングとして規制強化したことから、車両購入ローンが付けられなくなり、販売台数が大幅に落ち込んでいる。
マヒンドラは、イタリア最大のカーデザイナー会社で車両メーカーのピニンファリーナの株式を76パーセント取得して子会社化している(スポーツタイプ)。
インド市場は、1~11月までの4輪車の販売台数は前年同期間比▲14.0%減の351万台。
韓国・現代車の子会社である起亜自動車は今秋、年間30万台キャパの工場をインドに完成させたばかり。現代車もインドでは同期間マイナカとなっている。

韓国民が買わない双龍自動車、年間販売台数13万5千台で利益が出る体質にならなければ破綻するしかない、国営にしなければ持たないだろう。国営にしてその後、現代自動車に買い取らせるしかない。
韓国GMも黄色信号が灯り、ルノーサムスンに至っては赤の点滅信号となっている。
文政権は、韓国GMを支援しており、今回、双龍を支援しなければインドで問題になる可能性も出てくる。

 

双龍自動車販売台数推移
 
台数
前年比
2013年
145,649
20.7%
2014年
141,047
-3.2%
2015年
144,764
2.6%
2016年
155,844
7.7%
2017年
143,685
-7.8%
2018年
143,309
-0.3%
2019年1~11月
124,614
-4.6%
2019年7~11月
52075
-15.7%

 

[ 2019年12月18日 ]

 

 

 


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