群馬県は27日、大同特殊鋼の渋川工場が排出した六価クロムなどの有害物質を含む「スラグ」の取引をめぐり、廃棄物処理法に基づいて同工場を立ち入り検査した。
 スラグは、鉄の製造過程ででき、鉄の不純物と石灰がまじった石状のもの。コンクリートの骨材などに再利用される。
同社が業者にスラグを販売した取引は、販売価格を上回る運搬費などを支払う「逆有償」と呼ばれる取引で、産廃扱いを逃れる目的だった疑いが浮上している。

同社は、副産物の有効活用のため製品として販売した。廃棄物処理法は適用されないと考えていたと反論しているという。
スラグには、重金属が含まれており、取り除いて再利用されているが、こうした取り除きの経費を浮かすため、大同特殊鋼は重金属入りで産廃業者に引き取らせていたのであろう。同社の見解では、スラグをこれまでまったく重金属を取り除かず、産廃業者に引き取らせていたようだ。