新型万能細胞「STAP細胞」の論文不正問題で、理化学研究所の調査委員長を務める石井俊輔・理研上席研究員らが執筆した論文に対し、ネット上で疑義が指摘されていることが24日分かった。
石井氏は24日、委員長を辞任する意向を明らかにした。

この論文は、「乳がんを抑制するタンパク質」に関するもので、平成20年に理研などのチームが英学術誌に発表したもの。石井氏が責任著者の一人になっていた。
指摘されたのは、遺伝子を調べる実験結果の画像の一部を入れ替えた改竄(かいざん)ではないかというものだった。
 石井氏は、「オリジナルのデータがあり、不正な改竄ではない」と否定。その上で「疑義を指摘された以上、その部分を突かれると理研や委員会に迷惑をかける。調査委員長がこのような隙を作ってはいけない。不本意だが本日、理研に委員長の職を辞したい旨を伝えた。慰留されても意志は固い」と述べた。石井氏によると学術誌側も不正でないことは認め、訂正を承諾しているという。

理研は、2月中旬に調査委を設置。委員長の石井氏は分子遺伝学が専門で、16年に発覚した理研の研究者による血小板に関する論文不正の調査委でも委員を務め、改竄などを認定した。
 STAP論文をめぐっては、調査委から不正を認定された小保方晴子・研究ユニットリーダー(30)が不服を申し立て、再調査の実施と不正認定の撤回を求めている。
責任者である石井委員長が自身の疑義で辞任の意向を固める異例の事態となり、一連の問題はさらに波紋を広げる。
以上、参照産経等