御嶽山は1979年の爆発後、小規模爆発を繰り返しており、最新機器が御嶽山や周辺に設置され、警戒に当たっていた。
御嶽山には地震計12台、カメラ2台、傾斜計1台のほか、地殻変動観測装置も5ヶ所に設置されている。
御嶽山は今月11日に火山性地震が85回観測されるなど、噴火の前兆がなかったわけではない。
気象庁は、地震の発生頻度が高まったため集中的な監視を行ったが、地殻変動や山の膨張などが観測されなかったことから、爆発はないと判断した。地殻変動があったのは噴火の直前12分前になってようやく観測された。

気象庁は、今回の爆発はマグマが直接噴出するマグマ爆発ではなく、マグマが地下水を熱することで起こる『水蒸気爆発』だったため、予知できなかったと説明している。

1979年の御嶽山の爆発も水蒸気爆発であった。

<データ依存の過信が禍か>
御嶽山の爆発について火山噴火予知連絡会は28日、噴火はマグマの熱が地中を伝わって地下水が沸騰し、圧力が急激に高まって爆発する「水蒸気爆発」だったと判断した。噴火の11分前から発生した火山性微動は噴火後、振幅の大きい状態が約30分間続いたという。傾斜計では噴火の7分前から山側が隆起、噴火後は山側が沈降するような変化が観測されたことも明らかにした。
藤井会長は(今更ながら)「マグマが関与する噴火だと明確に分かることもあるが、水蒸気爆発の予知は非常に難しい」と述べた。
(ならば、どうして、9月に入って、火山性微震が多くなったことを登山者などへ周知しなかったのか問われるのでは・・・)
日本の予知技術が急速に発展したのは、雲仙普賢岳で多くの犠牲者を出したことによる。火山爆発の可能性を判断するために御嶽山にも多くの最新機器が設置された。
気象庁や火山学者たちは、その計器に依存し過ぎたばかりに、その過信により判断を誤ったとも取れる。しかし、水蒸気爆発については、知識がないというのが現実なのだろう。

日本での有名な水蒸気爆発は、1888年の会津磐梯山の噴火で、磐梯山の山体内部で水蒸気爆発が発生し、山体崩壊とともに岩屑なだれが発生し、477人の死者を出すとともに、長瀬川とその支流がせき止められ、桧原湖、小野川湖、秋元湖、五色沼をはじめ、大小さまざまな湖沼が形成されたとされる。
ほかには、1973年に西之島新島の噴火(その後、火山は波に侵食されたが、現在再度噴火し、西之島と陸続きになり大規模な陸地を形成中)。
1979年10月28日に御嶽山で水蒸気爆発。
などしか見当たらない。実際検証できるのは1979年爆発の御嶽山であるが、当時はほとんど予見する機器が設置されていなかったとされる。