違法なネズミ講を行って破綻した「クインアッシュ」の破産管財人が、損失を受けた被害者への支払いに充てるため、上位の会員らに不正な利益の返還を請求できるかが問われた訴訟の上告審判決が28日あった。

最高裁第3小法廷(木内道祥子裁判長)は、「管財人が適正かつ公平に被害者への配当などを行えるようにすべきだ」と述べ、請求を認める初判断を示した。

その上で、管財人側敗訴の1、2審判決を破棄し、被告の上位会員に、請求通り約2100万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

管財人が、上位会員らに利益返還を求められるかどうかについては下級審で判断が分かれていたが、最高裁が統一判断を示した。

ネズミ講などの違法ビジネスでは、末端に多数の被害者が生まれる一方、企業に資産が残っていないケースが多く、今回の判断で被害救済が進む可能性がある。

問題になったのは、インターネットのブログを用いたビジネスへの出資を募り、2011年に破綻した「クインアッシュ」(東京)。出資者が新たな会員を紹介すると一定の配当金が得られるネズミ講とされ、1審・東京地裁判決は、少なくとも4035人から25億6000万円を集めたと認定した。

管財人(澤野正明弁護士、東京都千代田区丸の内2-2-2、電話03-6212-5500)は、同社との取引で利益を得た九州地方の男性に利益分の返還を求めていた。

過去記事ねずみ講か?代表は失踪/(株)クインアッシュ23億かき集め破産