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2015年度第1四半期(2015年4~6月期)の鋼材需要量は、前期比▲4.7%の減少、前年同期比でも▲3.8%減少し、2,321万トンとなる見通し。その内訳は以下のとおり。

<国内需要>弱い
(建設部門)

前期比では、土木需要が季節的要因により減少する。
前年同期比では、土木部門は、前年同期が予算執行前倒し効果による高水準との比較となり減少。
建築部門についても、持家着工は前年同期を上回るものの、非住宅着工の低迷により前年同期比減少。
(製造部門)
前期比では、季節的要因により自動車や電気機械向け需要等が減少する。
前年同期比でも自動車需要の減少等により減少。自動車需要は、販売低迷を受け2年半ぶりの低い水準。
産業機械については、企業収益に改善の動きが見られ、工作機械需要等が設備投資の増加により高水準が続くものの、建設機械向け需要が排ガス規制前駆け込み需要の反動により減少し、産業機械全体でも前年同期比減少。

<海外需要=鋼材輸出>弱い
前期比では、エネルギー関連需要等の減少により減少。
前年同期比では、普通鋼鋼材輸出については、アジアでの供給過剰継続の影響等により、前年同期並に留まる。
前年同期のエネルギー関連輸出が高水準であった特殊鋼鋼材輸出は減少。

今期の粗鋼需要量は、2,551万トン。前期比▲4.9%。前年同期比▲7.8%。
前年同期は、消費税増税前駆け込み需要の受注残等により鋼材需要が高く、かつ在庫も蓄積されたが、今期は、景気は緩やかな回復基調にあるものの、高い水準である鋼材在庫による需要への対応が見込まれる。

こうした鉄鋼需要の低迷を受け、新日鉄住金は4月から約10%の減産を行うほか、JFEスチールと神戸製鋼所も減産を検討している。

今後鉄鋼業界にとって脅威となるのは中国製の鋼材、韓国では価格が韓国製と比し2/3程度だとされ、すでに韓国最大手のポスコなどの経営に打撃を与えつつある。中国製は、不動産開発の不振などから自国での需要が低迷、生産過剰となった分が東アジア・東南アジアへ大量に流れている。それも安価なため手に負えないのが現実。造船で気を吐く韓国の業界にも大量に流れている。日本の場合は、それでも超円安により救われている分もある。

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