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昨日、蓮舫氏が民進党の代表を退くことを発表した後、稲田防衛相もその職を辞任する意向が伝えられました。

ワイドショーがまっっっったく重国籍問題を話題にせぬまま辞任した蓮舫民進党代表と、疑惑の疑惑の疑惑で騒がれ続けた稲田防衛相では、明らかに面白おかしく扱き下ろさせれるのは、稲田防衛相でしょう。

今井議員と橋本市議との不倫疑惑、某モナアナウンサーと不倫していた民進党幹部もいましたが嫁さんに怒られたくらいで済みました。自民党も含め政治家のそういった色恋沙汰は個人的問題とあまり取りざたされませんでした。

今回は元芸能人、さらに安倍自民叩き真っただ中ということもあり、かなり引っ張られる話題になるでしょうが、政治家で色恋で辞任した有名な政治家は、宇野総理くらいでしょうか。

ただ、昨今は日本自体の倫理観がかなり厳しくなっているため、これも問題になってゆきそうです。

まあ、今井議員だけ例外で、以降は別の議員が同様の個人的不祥事をおこしても議員次第でスル―ってこともありえそうですが。

 

今回も(農と島のありんくりん)を転載させていただきました。

どうぞ読んでみてください。

稲田氏辞任: 農と島のありんくりん

おそらく今日は、蓮舫氏と稲田氏のダブル辞任で賑わうことでしょう。 

今日あたりワイドショーは面白おかしく稲田氏の化粧がケバイとか、ファッションがどうのとやくたいもないことを騒ぐことでしょう。

伊藤惇夫氏がなんていうのか、もう今からわかっちゃいますね(苦笑)。

稲田氏のガバナンス能力がないのは、目に見えていました。 

例の文書が陸幕から出ようと、統幕から出ようと本質的にはどうでもいいことです。同じ文書なんですからね。 

いちおう説明しておきます。

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スーダンPKO部隊は、空自も含めた統合幕僚監部(統幕)が責任主体です。 

日報には2016年7月に、首都ジュバで大規模な武装衝突があったとして「戦闘」と書かれてありました。 

自衛隊部隊が武装集団と「戦闘」したのではなく、そのような情勢にあったということを素直に書いたのです。 

これが現地部隊の上級司令部である中央即応団(CRF)に上がると、ややっこしいことになりました。「政治的思惑」が介在したからです。 

というのは、「戦闘」地域にはPKO部隊は派遣できない、PKO5原則に抵触する可能性が出たからです。 

5原則には「停戦合意の成立」が書いてあって、停戦後の紛争の再燃という事態は想定していなかったのです。 

そもそもPKO5原則というシロモノからして古色蒼然、一体いつ作ったんだという原則なのです。 

日本がカンボジアPKOの時に作った5原則を後生大事にかかえて、思考停止したままの日本を置いて世界は先に行ってしまったのです。 

本質的に9条と一緒です。日本を取りまく安全保障条件が変化すれば、それに合わせて原則は改訂していかねばなりません。 

さもなければ、派遣される自衛隊もいいツラの皮です。 

ところがそれをしない。自民は初めから騒ぎにしたくないからと沈黙し、野党は憲法学者を連れてくるだけというお粗末です。

なたかだかといえば語弊がありますが、こんなPKOていどの国際警察活動で9条2項の交戦権に引っかかる議論になっしまうからです。 

「停戦合意」が破られた地域に、自衛隊がいては困るのです。 

で、統幕は「戦闘」と書かれた文書を廃棄することにしたわけです。 

こういう政治的発想は、いわゆる「背広組」、つまり防衛官僚のものだと思われます。 

そこで稲田大臣に、「ない」と言わせたのです。それが隠蔽になるとメディアが大騒ぎ。 

後はご承知のように、あったのなかったのと迷走していきます。

加計と一緒で、やってはいけない「文書があったのなかったの」次元の泥沼に、ここでも政府は引きずり込まれたわけです。 

ただし、今回稲田氏が会議で隠蔽を了承したという事実はウソです。 

なぜなら、閉会中審査で青山繁晴委員が述べているように、稲田氏が出席したといわれる2月15日会議の1週間前の2月6日、7日に統幕は日誌を公開しているからです。 

いいでしょうか。PKO作戦の責任司令部はあくまでも統幕です。 

ここが会社でいえば営業本部にあたり、PKOという仕事にどのような部隊を出すのか決めるのが、人事部に相当する陸幕です。

ですから、統幕で開示すれば、それで決まり、オシマイなのです。

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先の青山委員の質問に答えた、稲田大臣の答弁です。http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2086.html#sequel 

「昨年の秋に、開示請求があったこの日報について、12月に不開示し用済み後、破棄、不開示、という報告を受けました時に、私は、どこかに探せば、日報はあるんじゃないの、しっかりと探して公表するようにと、いう指示をいたしました。
そして、いま委員がご指摘のように、その統幕から日報が見つかって、2月6日に、開示請求されているものの日報の公表、そして13日には、不開示決定をしたものを取り消して、開示決定をしたわけであります」
 

ではここで稲田氏が述べている日誌不開示は違法なのでしょうか。 

いえ、既定方針どおりです。初めからスーダンPKOオペでは日誌は一定の期間をすぎると廃棄されることになっていたからです。 

決めたのは民主党野田政権です。そもそもガラス細工のように危うい「停戦合意」の地域であるスーダンにPKO部隊を出したのも民主党野田政権、日誌の廃棄を決めたのも野田政権です。 

いままで特にこの「戦闘」記録がある日誌に限らず、大量に日誌は廃棄されています。 

ただし、電磁的にはPCに残っていたわけです。 

ところでちょっと考えればわかることですが、こんなジュバの「戦闘」程度は何時どこでも起き得ます。 

今世界のあらゆる地域で、この程度の武装集団間の小規模摩擦は起き続けています。それが世界の現実です。 

仮に「停戦合意」したとしても、停戦を覆したくてウズウズしている武装集団は山ほどいますが、それは9条が想定しているような、「国権の発動たる」国家間戦争ではありません。 

いつでもどの地域でも起こり得る戦闘であって、私は区別する意味で、それを「摩擦」(フリクション)と読んでいます。 

こういう「摩擦」が起きる可能性がある地域に、いきなりNGOを出すわけにはいかないから、自己防衛の能力を持ち、完結した補給能力を有する自衛隊が行くわけです。

ですから、このていどの「摩擦」がイヤで憲法違反がどーたらと言いたいなら、そもそもPKOにはわが国は小指一本動かしません、と宣言するしかないのです。 

ついでにいえば、9条の「交戦権」という言葉に相当する概念は世界にありません。あれは日本人にだけ通じる「日本語」です。 

憲法制定時に無理矢理平和主義と書き込みたかったために、ひねり出した用語にすぎません。 

PKOにおいても、「住民保護」という新たな規定が国連で生れてから、停戦合意の原則は変化しました。 

停戦合意が破られて住民が武装集団に襲撃を受けている場合、それを保護することが、PKO任務に付与されたからです。 

ならば、「戦闘」はスーダンでもありえる想定だったはずでした。 

稲田氏はたしかに能力不足でした。 それは事実です。

それは日誌うんぬんではなく、このような矛盾の中でPKOオペが遂行されている現実を国民に率直に伝えて、問題を喚起しなかったからです。