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何かと問題多発の千葉大学附属病院は、今年8月下旬以降に死亡した入院患者4人から抗生物質の効きにくい「多剤耐性緑のう菌」が検出されたとホームページで発表した。

病院では、検出された菌と死亡原因との関係について調べているという。
「多剤耐性緑のう菌」は、抗生物質が効きにくく、院内感染を引き起こすことがあり、免疫力が低下した患者が感染すると死亡するおそれもあるという。
一部の患者は病状が重くなったため治療を続けていたということで、病院では、この菌と死亡原因との関係について、調べているという。

緑膿菌とは、
真正細菌に分類される、グラム陰性で好気性の桿菌の1種であり、地球上の環境中に広く分布している代表的な常在菌の1つでもある。
ヒトに対しても病原性を持つものの、仮に健常者に感染しても発病させることはほとんど無い。
対して、免疫力の低下した者に感染すると、日和見感染症の1つとして数えられる緑膿菌感染症の原因となる。
元々、緑膿菌は消毒薬や抗菌薬に対する抵抗性が高い上に、ヒトが抗菌薬を使用したことによって薬剤に対して耐性を獲得したものも多いため、緑膿菌感染症を発症すると治療が困難である。

このために、日和見感染症や院内感染の原因菌として、緑膿菌は医学上重要視されている。
緑膿菌は、熱に対する抵抗性は他の細菌と同程度で比較的弱い部類に属する(55℃1時間処理で死滅)が、消毒薬や抗生物質などに対しては、広範かつ強い抵抗性を有している。
このため、長期間放置されている手洗い用の消毒液などの中からも分離されることがあり、院内感染などとの関連から特に医療分野で注目されている。
指定医療機関において週単位の発生状況の報告が義務づけられている。