日本貿易振興機構(ジェトロ)が12日発表した20~40代の中国人の消費に関する意識調査で、「今後行きたい国」として日本が2013年の調査開始以来初のトップとなった。目的は、遊園地やテーマパークで遊ぶことが6割を超え、買物や食事を上回った。
桜の観賞も42.3%が希望し、訪日中国人の「コト消費」人気の高まりを裏付けた。
ジェトロは「日中関係の改善も進んでおり、インバウンド(訪日客)消費のさらなる増加が期待される」と指摘した。
調査は8月、北京、上海、広州、武漢、重慶、成都の6都市に住む中高所得層の月収5,000元以上のミドル・ハイエンド層の計1224人を対象に実施した。今回が7回目。
行きたい国(複数回答)は、
日本が40.2%で9カ国中1位。前回トップだった米国(39.9%)は2位、イタリア(37.4%)は2位から3位に順位を落とした。
旅行の情報源としては、親族や友人からの口コミがウェブなどのインターネット情報を大きく引き離した。
日本に対しては「礼儀正しい(38.6%)」「サービスが良い(38.5%)」「エコ(省エネ、環境に優しい)(36.4%)」の3項目が5年連続で第一位となり、そうしたイメージが定着する一方、日本製品の機能や使い方を「分かりにくい」と感じている人も多かった。
日本旅行経験者が日本で最も買いたいものとしては、
「化粧品」
「衣料・日用品」
「デジタル製品」
「食品」
「家電製品」
などが挙がった。
購入場所は「百貨店」「家電量販店」「免税店」「ドラッグストア」などが上位となった。
他方、日本製品を選ばず外国製品を買った人もいる。その理由として多かったのは「使い方、機能、効能がわかりにくかった」「値段が高すぎた」などの点であった。
そのほか、「製品にストーリー性がない」との意見もあった。これらの点は中国人への日本製品拡販のヒントと言える。
越境ECでの日本商品購入経験者は約7割、訪日旅行で気に入った品を再購入:
越境ECでの日本商品の購入経験の有無を聞いたところ、67.7%が「購入したことがある」と回答。また、「ない」と答えた人も4割以上が今後購入したいと答えており、越境ECを通じた日本商品購入のニーズは強い。
越境ECを使う理由としては、「中国の店頭で販売されていない製品だから」「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」「ニセモノではないから」「価格が安いから」などが挙がった。
特に、「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」を理由として挙げた人が前回調査時の22.7%から40.4%と17.7ポイントも増加しており、越境EC対策には訪日旅行者の取り込みが重要であることを証明している。
購入商品の上位3位は、化粧品、食品、医薬品であるが、今後購入したい商品のトップには電気製品が挙げられた。
日本産食品の購入経験者は5割を超え、原産国別で3年連続第1位:
輸入食品を購入したことがある中国人は82.6%。さらにその輸入食品の原産国について、日本、米国、英国、韓国など8ヶ国の何れかを回答してもらったところ、日本産食品の購入率は54.9%となり、原産国別で3年連続第1位となった。
第2位は韓国(42.0%)、第3位は米国(31.9%)が続いた。
日本は初回調査の2013年(47.0%)からの上昇幅が7.9ポイントと調査対象国のなかで最も大きかったほか、属性別でも全ての層で第1位となっている。
中国からの訪日客数月別推移
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2015年
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2016年
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2017年
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客数
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前年比
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客数
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前年比
|
客数
|
前年比
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1月
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226,200
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45.4%
|
475,116
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110.0%
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630,600
|
32.7%
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2月
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359,100
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159.8%
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498,903
|
38.9%
|
509,100
|
2.0%
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3月
|
338,200
|
83.7%
|
498,054
|
47.3%
|
509,000
|
2.2%
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4月
|
405,800
|
113.0%
|
514,867
|
26.9%
|
528,800
|
2.7%
|
|||
5月
|
387,200
|
133.6%
|
507,200
|
31.0%
|
517,100
|
2.0%
|
|||
6月
|
462,300
|
116.3%
|
582,500
|
26.0%
|
587,200
|
0.8%
|
|||
7月
|
576,900
|
105.1%
|
731,400
|
26.8%
|
780,800
|
6.8%
|
|||
8月
|
591,500
|
133.1%
|
677,000
|
14.5%
|
819,700
|
21.1%
|
|||
9月
|
491,200
|
99.6%
|
522,300
|
6.3%
|
678,300
|
29.9%
|
|||
10月
|
445,600
|
99.6%
|
506,200
|
13.6%
|
663,800
|
31.1%
|
|||
11月
|
363,000
|
75.0%
|
432,800
|
19.2%
|
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|||
12月
|
347,100
|
82.7%
|
427,500
|
23.2%
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|||
計
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4,993,800
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#REF!
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6,373,948
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27.6%
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6,224,400
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12.8%
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・2012年9月中国で尖閣暴動発生、日本企業施設が大量破壊
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・(注)合計値はJNTO発表数値であり、JNTOにより過月修正がかけられ少数であるが合致しない。
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中国からの訪日客数年別推移
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今年の冬はスキーにやってくる中国人たちが多いと予想されており、北海道が大人気だという
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訪日客
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前年比
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備考
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2013年
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1,314,562
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-7.8%
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尖閣影響
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2014年
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2,409,158
|
83.4%
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2015年
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4,993,800
|
107.3%
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2016年
|
6,373,948
|
27.6%
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2017年
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6,224,400
|
12.8%
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1~10月
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