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国土交通省が22日召集の通常国会に提出する建築基準法改正案の概要が明らかになった。最大の柱は用途変更による既存建築物の活用促進。大規模非住宅建築物の改修工事を段階的に行い、費用負担が平準化できる仕組みを導入する。
高齢者人口の増加に対応し、用途変更や新築で整備する老人ホームを対象に、共用部の床面積を容積率に算入しない仕組みも導入する。

改正案の骨子は、
1、既存建築物の活用促進
2、大規模木造建築物の建設促進
3、火災に対する密集市街地の安全確保
の3点。

このうち既存建築物の活用促進は、2017年1月時点で法人などが所有している非住宅建築物(床面積計約20億平方メートル)の半分弱が、築30年以上を経過している状況に対応する。
比較的規模が大きい非住宅建築物を念頭に、用途変更で必要になる法令に適合させるための大規模改修工事の費用負担について、平準化できる仕組みを導入する。
この仕組みは、現行法で増改築工事の特例措置として運用中の「段階改修制度」の準用になる。
用途変更による改修工事は原則として一気に行ってから建築確認を受ける必要がある。

老人ホームの確保と大規模化を促す仕組みも導入する。

新築時と共用住宅からの用途変更時を対象に、共用部の廊下や階段を容積率の算定基礎となる床面積から外す。

木造建築物の建設・活用促進に向けては、防火規制の適用対象外になる建築物の高さ基準を現在の13メートルから16メートル(地上3階建て以下)まで引き上げる。
規制対象になっても耐火構造以外の構造を可能にする。

地方自治体が指定する防火・準防火地域に立地している建築物全般の防火規制も合理化する。外壁の防火性能を強化して延焼火災を防げるようにすれば、室内での木材利用を可能にする。

火災に対する密集市街地の安全確保では、防火・準防火地域で耐火構造建築物に建て替える際、建ぺい率の上限を10%引き上げる特例措置を導入する。
建て替え用地が制約される密集市街地で建築面積を確保しやすくする。
以上、建設工業新聞参照