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政府が消費税増税に伴う住宅着工戸数の落ち込み対策に巧みに用意した相続税改正、これの法改正によって、相続財産から償却資産の負債が控除されることから資産家たちが飛びつき、住宅不況、消費不況の中、資産家には関係なしとばかりに開発に入った結果、総着工戸数に占める貸家の割合が、2017年は平成年間(元年:1989年)で最高となった。
政府の計画は見事達成され、2014年の消費税増税にかかわらず、貸家の着工戸数は1.7%の増加を示した。貸家を除く住宅の着工戸数は▲15.0%マイナスだった。
その後も貸家は、2015年4.6%増、16年10.5%増、17年0.2%と増え続けている。
一方、貸家を除く住宅着工戸数は2015年0.1%増、16年3.4%増、17年▲0.6%減と伸び率は低位のまま、昨年はマイナスとなった。

2017年の貸家の伸び率鈍化は、貸家を除く住宅とは異なり、国の政策によるもの。
少子高齢化が進む中、相続税対策の資産活用の賃貸マンション経営。一方、建築に伴う資金は、日銀のマイナス金利政策、アベノミクスにより企業業績絶好調により内部留保が膨らみ、貸付先不足に陥っている銀行業界にあって、大量に貸し付けられた。

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それを将来的に悲観的に見た金融庁が、銀行業界に再びサブプライムローン問題が発生する可能性を憂慮し、銀行へ調査に入った。そうしたことから、不動産に対する銀行からの貸付が絞られた結果、大幅に伸びは鈍化している。

大都市、特に東京都区部や横浜市・川崎市、大阪市、福岡市などでは人口流入により増加しているが、それ以外はほとんど人口が減少している。地方中核都市であっても人口は増加していないのが現状の中、賃貸マンションばかりが増加、バブル時代、リーマンショック前にも賃貸マンション建築ラッシュとなり、大量に供給されてきた。
その上で今回の大量供給となっており、資産家の投資家にとって、大都市やその近郊の増加している市区町を除き、賃貸マンションを建てても、いずれ値崩れを起こし、資産運用どころではなくなる危険性をはらむ。家賃保障制度の保障家賃も一定期間ごとに見直される。

住宅着工戸数に占める貸家の割合推移
 
総着工戸数
貸家
西暦
戸数
前年比
戸数
前年比
シェア
2003
1,160,083
0.8%
451,629
0.3%
38.9%
2004
1,189,049
2.5%
464,976
3.0%
39.1%
2005
1,236,175
4.0%
504,294
8.5%
40.8%
2006
1,290,391
4.4%
543,463
7.8%
42.1%
2007
1,060,741
-17.8%
441,733
-18.7%
41.6%
2008
1,093,519
3.1%
464,851
5.2%
42.5%
2009
788,410
-27.9%
321,470
-30.8%
40.8%
2010
813,126
3.1%
298,014
-7.3%
36.7%
2011
834,117
2.6%
285,832
-4.1%
34.3%
2012
882,797
5.8%
318,521
11.4%
36.1%
2013
980,025
11.0%
356,263
11.8%
36.4%
2014
892,261
-9.0%
362,191
1.7%
40.6%
2015
909,299
1.9%
378,718
4.6%
41.6%
2016
967,237
6.4%
418,543
10.5%
43.3%
2017
964,641
-0.3%
419,397
0.2%
43.5%
・貸家は貸し家+アパート+賃貸マンション
 
人口増加の市区町村ベスト50(2017住基)
数順
市区町村
人口
増加数
増加率
(率順)
2017
1(92)
世田谷区(東京都)
892,535
9,246
1.05
2(4)
中央区(東京都)
149,640
6,645
4.65
3(74)
板橋区(東京都)
557,309
6,551
1.19
4(96)
杉並区(東京都)
558,950
5,662
1.02
5(15)
港区(東京都)
249,242
5,265
2.16
6(144)
大田区(東京都)
717,295
5,238
0.74
7(143)
江戸川区(東京都)
691,514
5,127
0.75
8(98)
江東区(東京都)
506,511
5,010
1.00
9(72)
品川区(東京都)
382,761
4,638
1.23
10(164)
練馬区(東京都)
723,711
4,602
0.64
11(11)
流山市(千葉県)
180,637
4,389
2.49
12(48)
福岡市東区
304,976
4,314
1.43
13(66)
新宿区(東京都)
338,488
4,295
1.29
14(20)
福岡市博多区
223,353
4,219
1.93
15(116)
市川市(千葉県)
480,744
4,184
0.88
16(157)
船橋市(千葉県)
630,937
4,128
0.66
17(111)
葛飾区(東京都)
456,893
4,104
0.91
18(80)
北区(東京都)
345,149
3,897
1.14
19(78)
中野区(東京都)
325,460
3,726
1.16
20(113)
柏市(千葉県)
412,690
3,689
0.90
21(60)
豊島区(東京都)
284,307
3,668
1.31
22(26)
文京区(東京都)
213,969
3,657
1.74
23(47)
川崎市中原区
247,320
3,552
1.46
24(55)
墨田区(東京都)
265,238
3,515
1.34
25(41)
調布市(東京都)
229,886
3,473
1.53
26(43)
つくば市(茨城県)
227,127
3,372
1.51
27(5)
大阪市西区
94,335
3,062
3.35
28(23)
習志野市(千葉県)
171,861
3,023
1.79
29(134)
吹田市(大阪府)
369,898
2,830
0.77
30(212)
川口市(埼玉県)
595,495
2,811
0.47
31(71)
川崎市川崎区
228,589
2,782
1.23
32(38)
さいたま市南区
183,273
2,778
1.54
33(247)
足立区(東京都)
681,281
2,658
0.39
34(133)
横浜市港北区
341,531
2,629
0.78
35(19)
神戸市中央区
133,258
2,599
1.99
36(135)
越谷市(埼玉県)
339,156
2,591
0.77
37(171)
藤沢市(神奈川県)
428,612
2,588
0.61
38(40)
浦安市(千葉県)
166,551
2,517
1.53
39(198)
松戸市(千葉県)
492,199
2,482
0.51
40(87)
渋谷区(東京都)
222,278
2,380
1.08
41(97)
川崎市宮前区
227,478
2,296
1.02
42(50)
川崎市幸区
164,111
2,286
1.41
43(127)
目黒区(東京都)
273,708
2,239
0.82
44(13)
印西市(千葉県)
97,263
2,223
2.34
45(73)
三鷹市(東京都)
185,101
2,204
1.21
46(51)
さいたま市浦和区
158,340
2,197
1.41
47(139)
横浜市鶴見区
289,807
2,187
0.76
48(22)
大阪市北区
120,068
2,182
1.85
49(39)
戸田市(埼玉県)
137,320
2,077
1.54
50(88)
台東区(東京都)
193,822
2,073
1.08
 
賃貸+社宅除く住宅着工戸数推移
 
総着工戸数
賃貸+社宅除く
備考
西暦
1,151,016
前年比
700,924
前年比
割合
 
2003年
1,160,083
0.8%
708,454
1.1%
61.1%
 
2004年
1,189,049
2.5%
724,073
2.2%
60.9%
 
2005年
1,236,175
4.0%
731,881
1.1%
59.2%
 
2006年
1,290,391
4.4%
746,928
2.1%
57.9%
 
2007年
1,060,741
-17.8%
619,008
-17.1%
58.4%
 
2008年
1,093,519
3.1%
628,668
1.6%
57.5%
リーマンショック
2009年
788,410
-27.9%
466,940
-25.7%
59.2%
 
2010年
813,126
3.1%
515,112
10.3%
63.3%
 
2011年
834,117
2.6%
548,285
6.4%
65.7%
大震災
2012年
882,797
5.8%
564,276
2.9%
63.9%
 
2013年
980,025
11.0%
623,762
10.5%
63.6%
アベノミクス
2014年
892,261
-9.0%
530,070
-15.0%
59.4%
消費増税
2015年
909,299
1.9%
530,581
0.1%
58.4%
 
2016年
967,237
6.4%
548,694
3.4%
56.7%
 
2017年
964,641
-0.3%
545,244
-0.6%
56.5%
 
・注文住宅(持家)+分譲マンション+分譲戸建