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中国の成人40万人以上を対象にした研究で、1日1個の卵を食べる人は心血管疾患で死亡するリスクが18%下がるとの結果が報告された。
北京大学医学部の余灿清准教授らのチームが21日、心臓医学の専門誌に発表した。

卵には良質のたんぱく質など豊富な栄養成分が含まれているが、動脈硬化との関連が指摘されるコレステロールの含有量も多い(日本では決着している。卵は善玉HDLコレストロールと)。

中国で過去に卵の摂取と心血管疾患の関連を調べた研究は規模や情報量が限られていたため、余氏らはより幅広いデータに基づく研究を試みたという。

<大規模・長期間調査>
チームは中国の成人50万人を対象とした研究に着目し、このうち特にがんや心血管疾患、糖尿病の診断を受けたことがない41万6213人のグループについて、脳卒中や心臓発作の発生状況を9年近く追跡した。グループの年齢層は30~79歳。卵を1日約1個食べる人の割合は13%、全く食べない人は9%だった。
このグループで追跡期間に心血管疾患で死亡した人は9,985人、重い心臓発作や脳卒中が起きた人は6,103人だった。さらに、期間中、8万4,000人近くが新たに心血管疾患の診断を受けた。

<脳卒中に特に効果>
チームの分析によると、毎日1個程度の卵を食べる人は、
出血性の脳卒中を起こす確率が26%低く、
出血性脳卒中で死亡するリスクも28%低かった。
心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクも12%低くなっていたという。

この結果を基にチームは、適量の卵を食べることは、脳出血をはじめとする心血管疾患のリスク低下につながるとの見解を示した。
ただし、対象者の卵の摂取量は大まかなデータにとどまっていため、より正確な影響を推測することができなかったとも指摘。また、中国人の多様な食生活や生活習慣も考慮した解釈が必要だとも述べている。
以上、

コレストロールは脂の一種、血管内に沈着する悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の危険性が訴えられる一方、悪玉コレステロールの対極には善玉コレステロール(HDLコレステロール)が存在する。
この両者の違いはコレステロールを体内輸送する際におけるコレステロールと複合体を作るリポタンパク質の種類によるものであり、コレストロールにくっついているLDL・HDLというたんぱく質の違いでコレステロール分子自体の違いではない。卵は善玉コレステロールとされている。