韓国では、人気車種を手に入れるまで何ヶ月も待たされるケースが多いという。
これは、労働組合の同意がなければ生産台数の調整ができない韓国自動車業界の「慢性病」のせいだという。
業界関係者は、「販売が好調な車種の生産ラインを増やそうとすれば、労組は労働強度が上がると言って拒否するため、買いたい人が大勢いても企業側は増産することができない」と話している。
世界の自動車業界は、現在、全力を挙げてリストラや体質改善に取り組んでいるが、韓国の自動車業界にとっては「遠い国の話」となっている。
労組の圧力が強く、企業側は何もできない。
ルノーサムスン自動車は昨年6月の初交渉以降、8ヶ月たっても賃金団体交渉が合意に至っていない。その間に労組は28回もストを行った。
現代自では、労組幹部約600人が1月31日ストを行った。文政権お抱えの光州市と現代自が、この日「年収半額(初任給350万円)」「5年間の賃金団体交渉猶予(=禁止)」を柱とする「光州型雇用」の投資協約を締結したからだ。
「光州型雇用」とは、光州市の雇用創出事業で、完成車メーカーなどが従来よりも安い賃金で、地方自治体が福利厚生費を支給することで賃金を補うというもの。
強硬な貴族労組と世界最高水準の賃金の影響で競争力が脅かされている韓国の自動車産業にとっては苦肉の策。
しかし、現代自労組は、「光州型雇用は低賃金によって二極化を助長し、経済を破綻に追い込む」と反発している。
こうした中、韓国の自動車業界の未来については、暗い見通しが相次いで示されている。
韓国国内の自動車生産台数は402万台で、3年連続で減少している。世界の10大自動車生産国のうち3年連続して生産台数が減少しているのは韓国だけ。
以上、報道参照
<光州型雇用>「アウト5000」
光州市が文政権からの補助金により2021年に工場を完成させ、本格稼動させる「光州自動車工場」は、光州市が経営し、生産のみ現代自動車が実務主導して生産する方式、現代車のOEM生産工場となる。
生産車種は現代車の新モデルの小型SUVもしくは新小型EVとされ、年間10万台を生産予定。雇用効果はサプライヤーなどの進出により、直接間接12000人あるという。
<政府と労組から睨まれる現代自動車>
現代自動車は常に時の政権との癒着が激しく、積弊清算されたくなければ文政権の方針に従わざるを得ないお家事情がある。叩けば必ず埃が出る。
現代自動車としても、生産現場が労組に支配されており、ロウソク民心代表の文政権の庇護下で労組に風穴を開けることができる。
しかし、現代自動車は中国に5工場(合計年生産キャパ190万台)を有し、THAAD不買もあり、その稼働率は50%に達していない。2016年に河北省の滄州工場(年キャパ30万台)、2017年に重慶工場(年キャパ30万台)を完成させたことに起因している。閑古鳥が鳴いているという。
傘下の起亜自動車も中国では売れておらず工場が空いている。
現代自は、中国で東南アジア向け輸出車の生産計画も持っているが、輸出すれば韓国生産車の輸出が減る。
現代自動車の蔚山工場の年生産キャパは世界一の160万台、韓国市場の総販売台数より多い。
光州型SUVも国内外販売用、積弊清算を受けたくないならば、文政権に従うほかない。
<対峙する自動車労組>
一方、労組は、1月31日すでに部分ストを打ったように猛反発している。毎年ストもあり、工場の老朽化も進む中、世界販売台数が伸びず、現代自動車の国内生産台数が減少してきており、将来不安が付きまとっている。
2016年に中国工場のほか、起亜自動車がメキシコ工場(年キャパ30万台以上)を完成させ、現代自動車の車両も生産している。トランプ圧力により米工場の大規模な増設計画も発表している。インドでも大工場を完成させる。
韓国市場での販売が限られる中、中・墨・米・印で工場増設、ますます韓国から輸出する台数が減少することが明白となっている。
労組としては、そうした事業環境を考慮しても、光州工場を稼動させるわけにはいかない台所事情がある。
<文政権と労組が激突>
光州工場完成の2021年に向け、「文政権+現代自動車」対「自動車労組」の熾烈な戦いが予想されている。
多血で激しい国民感情からしても、過去前例を見ない労働争議に発展するものと見られる。
文政権は2022年5月まで、政権を与党勢力に引き継がせることができるか、この労働争議が左右を決するおそれもある。
(ここまで強力になった現代自動車労組が、金大中・盧武鉉政権当時の申し子でもあることによる)
当然、文在寅は野党勢力になった場合、積弊清算により、北朝鮮融和工作資金に秘密資金流用などでより収監される可能性が高く、文在寅はそれを一番恐れているものと見られる。
文政権のこれまでの積弊清算は、前例を見ない規模と強さであり、与野党政権交代では、文政権に対し積弊清算という名の復讐が始まる。山高ければ谷も深しだ。
真偽のほどは別にして、すでに文在寅の娘の婿が在籍していた会社のトリゲームに対する補助金支出問題も浮上し、娘婿が妻である娘に不動産を譲渡、その3ヶ月後不動産を売却してタイへ移住、不動産譲渡に関し、脱税の疑いももたれている。
文在寅は長生きしたければ次期政権も与党政権維持を図ることが絶対条件となる。ナショナリズム+ボピュリズムを喚起させるロウソク民心を再び糾合するために、日本は最大限利用される可能性があり、一切、文政権・ロウソク民心隊からの挑発や口車に乗らず、無関心を装うことが最良の対韓政策かと思われる。
(日本の「利」や「信用」にかかわることならば、相手の術中に嵌る直接ではなく、無言の大使召還など世界に向け対応することが必要。)
前回のケース:朴大統領弾劾 ⇒ 釜山慰安婦像 ⇒ 大統領選挙 ⇒ 圧勝
20年から21年にかけ、文政権と自動車労組がその決戦の時となる。
<光州型雇用とは初期の人民公社>
労使共生の「光州型雇用」とは、まだ試験的運用もなされないというのに、すでに各地で計画されているという。スターリンの「コルホーズ」、中国の「人民公社」、独VW地ボルスブルグの「アウト5000」の流れを汲むもの。
韓国人は何でもかんでもドイツを引き合いに出し、ドイツ神が大好きで、文在寅まで真似る。
「光州型雇用」=「韓国版アウト5000」=「労使共生雇用」と位置づけられている。
自治体が政府補助の下に、企業誘致を前提に生産基地を開発、低賃金雇用を創出、自治体が労働者に対して住宅提供・社会保険費用負担などを行い、低賃金を実質補填し、企業誘致をやりやすくするというもの。
経済が低迷している状況では有効だろうが、ほかの自治体の非正規の低賃金中小企業の労働者が大量流入し、自治体間の摩擦が生じることになる。また、経済が回復すれば、高賃金の企業へ人材は流れることが想定される。
ボルスブルグは田舎都市で、ヒトラーが1938年に軍需車両生産のためにVWに作らせた企業城下町、VWや関連企業からの税収が膨大に集まる自治体であり、人材が流出しにくいという各条件が揃い、国の社会保障制度も格段に進んでいるからこそやれる雇用増加システム。(VWには地方政府が大株主、役員も送り込んでいる)
韓国では、ボルスブルグの代わりに国がその代役を果たせば、国はお金がいくらあっても足りず、国民からの不満で持たないだろう。文政権が絶対君主政権ならば別だろうが。
↑そのほかの投資家とは政府系ファンド。貸付も政府系の産業銀行。
韓国5社の自動車販売台数/千台
|
||||
|
個別
|
全5社
|
||
|
現代
|
ルノーサムスン
|
国内販売
|
世界販売
|
2012年
|
4,401
|
154
|
1,403
|
8,198
|
2013年
|
4,721
|
131
|
1,373
|
8,605
|
2014年
|
4,963
|
169
|
1,453
|
8,946
|
2015年
|
4,964
|
229
|
1,579
|
9,011
|
2016年
|
4,815
|
257
|
1,588
|
8,805
|
2017年
|
4,504
|
276
|
1,550
|
8,196
|
2018年
|
4,586
|
227
|
1,545
|
8,232
|
・5社とは、現代・起亜・韓国GM・双龍・ルノーサムスン
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・ルノーサムスンはOEM生産の日産ローグ米輸出車分含む
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・起亜は別/世界販売台数に国内販売台数含む
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