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韓国銀行(中央銀行)が5日発表した4月の国際収支(暫定値)によると、海外とのモノやサービスなどの取引を表す経常収支は▲6億6千万ドル(約710億円)の赤字で、前年・2018年4月は13億6千万ドルの黒字だった。
赤字は、欧州債務危機が拡大した2012年4月以来、7年ぶりの赤字に転落した。世界貿易の減速に伴う輸出の減少が響いた。
<貿易収支>速報値が修正されている。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は56億7千万ドルの黒字で、前年同月に比べて▲41%減った。
輸出は前年同月比▲6.2%減の483億ドルで、輸出減少は5カ月連続。1~4月の累計は1858億ドルで、前年同期間比▲7.8%減少した。

輸入は同比1.8%増の426億3千万ドルで、1~4月の累計は1605億2000万ドルで、▲5.3%減少した。
輸出は、主力の半導体の価格低下など、輸入は原油など原材料価格が上昇したほか、家電など消費財の輸入が増えたことによるもの。
速報値の輸出前年同月比▲2%減が修正されている(最下段の輸出推移グラフも要修正)。

<サービス収支>
サービス収支は、▲14億3千万ドルの赤字で、赤字幅は2016年12月以来2年4ヶ月ぶりの低水準となった。サービス収支の構成項目のうち、旅行運輸収支が改善したことによるもの。
 中国人・日本人を中心とする入国者(観光客)の増加傾向が続き、旅行収入(17憶ドル)は2014年11月以来4年5ヶ月ぶりの高水準を記録した。
 一方、韓国国民の海外旅行(出国者)が減少し、旅行支出は23億7千万ドルにとどまった。
<所得収支>
配当所得収支は▲49億9千万ドルの赤字で、経常移転収支は7億5千万ドルの黒字だった。
その他も入れ所得収支は▲43億3千万ドルの赤字だった。
前年同月の▲56億2千万ドルの赤字に比べ赤字幅は▲23%減少したが、3月の▲7億4千万ドルの赤字と比べると約6倍急増した。これは2018年12月決算企業による外国人投資家への配当の支払いが集中するため、4月は例年、所得収支の赤字が膨らむ。

<経常収支> 
貿易収支の黒字幅が縮小し、サービス収支の赤字が続く中で、所得収支が大幅な赤字を計上したことが4月の経常収支赤字につながった。
貿易収支56億7千万ドル黒-サービス収支▲14億3千万ドル赤-▲所得収支43億3千ドル+その他=経常収支は▲6億6千万円

4月の経常収支が7年ぶりの赤字に転落したことについて韓国銀行は「年末決算企業の配当支払いという季節要因が大きい」と説明した。
「配当の支払いが減る5月は黒字になる」と、単月ベースの経常赤字は問題視しないと強調した。
以上、

韓国経済を牽引する輸出、輸出鈍化は経常収支を悪化させる。サービス収支は、海外旅行する人たちが異常に多く赤字が続いている。

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