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中国汽車工業協会が10日発表した6月の自動車販売台数は、前年同月比▲9.6%減の205万6000台だった。これは米中貿易戦争勃発による制裁が行われた昨年7月から12ヶ月連続の減少となっている。

 中国は世界最大の自動車市場だが、米中貿易戦争の影響を受けた消費の減速で昨年は年間を通して販売台数が28年ぶりに前年を下回っていた。
今年も1~6月までの上半期は、昨年の同期間よりさらに12.4%減少している。
一方、今年から新エネ車販売にノルマ(販売台数の10%、未達は金銭ペナルティ)を課したことから、電気自動車などの販売台数は6月、80%増の15万2000台と大幅に増加している。1~6月までの累計でも49.6%増加している(新エネ車は優先してナンバープレートが交付される利点がある)。
 

中国政府は、新車市場のてこ入れのため、農村部での燃費のよい車種への買い替えへの支援策を検討していたが、都市部を中心に新たな燃費規制を導入するほか、電気自動車などへの購入補助金も削減していて、今後の新車市場の回復は見通せない状況となっている。

 
補助金削減分は新エネ車販売の未達メーカーより徴収した資金が配布され予定だが、全社が到達した場合は、交付金はない。日本勢は新エネ車販売ペナルティ制度を早くから導入している米カルフォルニア州ではテスラに巨額を支払っている)
 
中国では、低迷する消費に景気刺激策により自動車の取得減税政策が講じられる予想だったが、米中貿易戦争の拡大により、それどころではなくなり、抜本的な対策が後手後手になっている。
 
米中貿易戦争
米国は中国から輸入する指定商品を制裁
発効年月
制裁額
追加関税
2018年7月
340億ドル
25%
2018年8月
160億ドル
25%
2018年9月
2,000億ドル
10%
2019年5月
25%
 
中国の自動車販売台数推移
中国汽車協会の工場出荷台数ベース(輸入車含まず)(商用車含む)
 
2017
2018
2019
 
万台
前年比
万台
前年比
万台
前年比
1
251.95
0.2%
280.92
11.5%
236.73
-15.7%
2
193.92
22.3%
171.76
-11.1%
148.16
-13.7%
3
254.29
3.9%
265.63
4.6%
252.00
-5.1%
4
208.40
-2.2%
231.86
11.4%
198.05
-14.6%
5
209.60
-0.1%
228.77
9.6%
191.26
-16.4%
6
217.19
4.5%
227.37
4.7%
205.60
-9.6%
7
197.12
6.1%
188.91
-4.0%
 
 
8
218.60
5.2%
210.34
-3.7%
 
 
9
270.91
5.6%
239.41
-11.5%
 
 
10
270.35
2.0%
238.01
-11.7%
 
 
11
295.76
0.6%
255.00
-13.9%
 
 
12
306.03
0.1%
266.15
-13.0%
 
 
合計
2,887.89
3.0%
2,808.06
-2.8%
1,231.80
-12.5%
 
2019年6月 中国の自動車販売台数
 
6月
1~6月累計
万台
前年比
万台
前年比
セダン系
86.3
-10.5
496.20
-12.9
MPV
9.8
-24.4
67.00
-24.0
SUV
73.9
0.3
430.1
-13.4
小型バン
2.8
-36.4
19.4
-17.5
 乗用車計
223.31
-7.8
1,012.70
-14.0
 商用車計
32.9
-17.8
219.60
-4.1
合計
205.6
-9.6
1,232.30
-12.4
日本勢
輸入車含む
 
6月
1~6月累計
前年比
前年比
ホンダ
148,382
37.4%
745,409
22.4%
トヨタ
140,800
18.5%
769,800
12.2%
日産
131,071
0.0%
718,268
-0.3%
マツダ
20,546
-37.8%
272,322
-27.1%
三菱
14,118
15.3%
 
 
・マークラインズ参照
ホンダは昨年2~4月間CR-Xをエンジン関係不良でリコール、販売停止に追い込まれ、同系統の販売不振が続いていた反動により大幅な販売増となっている。