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中国の7月の鉱工業生産指数は4.8%と大幅鈍化した。これは1~7月までの指数5.8%よりも落ち込んでいる。
特には製造業のハイテク産業は6.6%の伸び率であるが、1~7月は8.7%だったことからも大きく落ち込んできている。
粗鋼や金属製品、天然ガス生産も大幅に落ちてきている。スマホに至っては国内需要低迷もあり、7月は▲4.5%のマイナス、1~7月は▲5.7%のマイナスとなっている。

米中貿易戦争の激化を受け、中国経済の低迷ぶりが表面化してきている。
貿易戦争は米中にとどまらず、その影響が東南アジアへも波及、中国や東南アジアに輸出依存している日韓企業も大きな影響を受けている。特に経済に占める輸出比率が高い韓国経済を直撃している。

 中国政府は、トランプ政権から制裁解除のための要求を出され続け、これ以上譲歩することはできないとして、交渉による譲歩を打ち止めしている。
8月1日3000億ドルの追加課税制裁を発表したトランプ氏に対して、中国政府は米国からの小麦輸入を停止させたが、これまでこうした露骨な動きはなかったことからも窺い知れる。

一方、トランプ政権は来年大統領選挙を控え、貿易において圧倒的な力で中国を従わせたと鼓舞する必要があるものの、これ以上長引かせた場合、票となる米国民の消費に大きな影響が生じることから、早期に手打ちする必要性が生じている。

しかし、昨年7月から始まった中国に対する貿易制裁はすでに2500億ドル相当(25%の追加関税制裁)の米国へ輸出される製品に影響しており、中国経済の低迷は必然化している。
 
トランプ氏の9月1日から残る3000億ドル相当の中国からの輸入品に対する10%の追加課税制裁措置のうち、一部を12月1日に延長するとの今回の発言は、早期に和解したい意向の表れだと見られる。

背景には、民主党がバイデン元副大統領を擁立した場合、10ポイントの差でトランプ氏が負けると自らが唯一フェイクニュース社ではないとするFOXニュース社が、それも2回も報道し警告しており、だんだん慌て出したものと見られる。米製造業は、すでに制裁開始前の昨年春にリセッションしている。

米景気は堅調な個人消費に支えられているものの、今年5月の対中国追加関税強化(10%みぎや25%)の2000億ドル相当分も9月ころには消費者に影響してくる。

さらに9月1日からの分は12月以降影響してくる。経済低迷を先取りした金利政策は、企業と借り入れの多い消費者には好材料だろうが、米消費者にとって大幅な関税引き上げによる大幅値上げに対しては相殺勘定にはならない。
 
製造業の生産指数にも影響するボーイング社のMAX機問題の解消はまだ何ら動き出していない。当然中国が貿易戦争の駆け引きの道具にもする。
トランプ氏が6月末の大阪サミットでの首脳会談において明らかにしたファーウェイの禁輸制裁解除も北朝鮮材料を小出しし、禁輸制裁を続けている。
トランプ政権が対中の貿易交渉カードをいくら持とうと、大統領選に負けたら、腐れカードになる可能性もある。

一党独裁国で国民=消費者に(経済批判含む)政治批判を絶対許さない中国政府にあり、貿易戦争でとことん戦う姿勢をとられた場合、2年に一度中間選挙があり、4年に一度大統領選挙がある米国はとても適わない。

今では米中根競べの貿易戦争となっている。
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