日本の新コロナ感染症による死亡者が900人を突破した。欧米先進国との比較が常に用いられているが、アジアでの比較ではどうだろうか。
欧州で感染が急拡大したのは教会にあるとされ、特に高齢者は礼拝を欠かさない人たちが多く、教会や老健施設の礼拝所を通じて感染を拡大させ、高齢者の死亡を急増させたと見られている。
(中東やアジアのムスリム国のモスクを基点とした集団感染も、キリスト教の教会と同様だろう。最近、韓国でも小規模教会での感染が続いている。インドネシアとマレーシアはムスリム、フィリピンと韓国はキリスト教徒が多い)
アジア人は欧州人との人種の違いにより集団感染が少ないとか、死亡率=致死率が低いとか、アジアは欧州に比し気温と湿度が高いとか、アジア人は特定のBCGワクチン接種により感染者数も死亡率も低いとされているが、これらは新コロナ感染症の終息後、感染症研究者の検証によって明らかにされるものと見られる。
ただ、日本は医療先進国であると思っていたが、厚労省はじめ行政機関は、全自動のPCR検査機(最大日に10万件検査可能/ロシュ製35台)を昨年までに保有していながら使用せず・させず、感染検査数を圧倒的に少なくし、重症患者が全国でのピークが328人(5月1日/厚労省)でしかなかったにもかかわらず医療パニック寸前に至るなど、実際はかなり後進国のようだ。
日本のこれまでの910人の死亡者数の致死率もアジアでは現在のところワースト圏内である。
麻生財務相が先進国と比し「民度が違う」と日本国民を高く評価している。
日本では4月7日からの緊急事態宣言、外出自粛要請を国民が守り抜き、1クール14日間の新コロナウイルス不活性化に対して、国民が(自治体により異なるが)2クール~3クールを外出自粛し、大きく感染を収束させたことは高く評価される。
残念なのは、専門家会議と厚労省が新コロナ感染症に対する計画を打ち立てた2月中旬の時点で、武漢の現状を鑑み、2月下旬には韓国の大集団感染に学び、日本全国の自治体と感染症受け入れ医療機関が事前準備をしていたら、国が準備をさせていたら、死亡者数も大幅に少なかったと見られる。
やはり厚労省による感染検査の異常に高いハードル設定が重症化してからの病院受け入れとなり、特に治療薬もないなか、医療従事者の懸命の努力にもかかわらず死亡者数を増加させていることは否定できまい。