8月24日、与党「共に民主党」のキム・ジョンホ議員は特許法一部改正法律案「特許侵害を受けたとしても被害立証に相当な困難が伴うため訴訟で証拠調査ができるようにする」という骨子で発議した。6月には特許庁が「Kディスカバリー制度」導入を国会に提出し、今年の重点推進課題の一つに挙げ推進している。

「Kディスカバリー制度」は、訴訟当事者が特許侵害の事実と損害関連の証拠を公開し、効果的に確保することにより紛争を早期に終結できるというのが特許庁の導入趣旨となっている。
ディスカバリー制度は、米国と英国、ドイツなどで施行されている。特許庁は約1年前から導入を準備してきたという。

しかし、韓国の素材・部品・装備業界が反発している。韓国の実情に合わない特許先進国の制度を性急に導入することで、自分で自分の首を絞めることになりかねないという。

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業界関係者は、「『Kディスカバリー制度』は、韓国の素材・部品・装備産業、特に半導体分野に利益より損失を与えるだろう。制度推進をすぐに中断すべきだ」と主張し、「素材・部品・装備特許に強い日本が、この制度を利用して訴訟を起こしてくれば特許権が弱い韓国企業は敗訴するほかないだろう。韓国の素材・部品・装備水準を見ると時期尚早」だと話し、「この制度は、韓国で日本企業や米国企業の特許訴訟を誘導することになるだろう。この場合、韓国企業は、日本企業などのいけにえになりかねない」と主張している。

文大統領が昨年8月、「(韓国は)半導体強国、電子部品や部材・材料強国になる。日本には2度と負けない」とした公式宣言したことより、特許強国になる幻想を抱いており、その韓国内で生じている特許紛争の長期化を簡素化させるため、導入するもので文大統領の流れに沿ったものとなっている。

日本、韓国に対する特許侵害訴訟急増
韓国内での特許紛争は年に50件程度。
日本は昨年、韓国を相手取り提起した素材・部品・装備関連の特許訴訟は4件だったが、今年は7月までに素材・部品・装備関連だけですでに6件に上っている。

今年7月、日本のある個人がポスコを相手に水素自動車・電気自動車に使われる燃料電池分離板用素材の特許に対する異議申し立てを日本裁判所に提起した。

3月に、LG化学の二次電池用活物質特許を取り消してほしいという異議申し立てを日本の裁判所に提起した。

3月には、別に日本人が韓国の半導体装備メーカーの高迎(コヨン)テクノロジーを相手取り特許への異議を申し立てた。

昨年末には、日本企業がサムスンSDIの二次電池生産関連特許に対する異議を申し立てた。

昨年10月には、日本人がコーロンの高強度透明素材であるポリカーボネート素材関連特許を取り消してほしいという訴訟を提起している。

半導体企業など、日本の材料、部品・装置を使用しているためこれまで目立った特許紛争はなかったが、韓国メーカーが韓国企業産の材料、部品・装置を使用した場合、二次電池分野と同じく特許紛争が発生する可能性が非常に高くなっている。

韓国企業は、日本企業の工場内を盗撮し、撮影された製造機械などを購入し、見よう見まねで努力して製品化したとしても、製法が似るしかなく、日本の特許に引っかかる。日本人技術者を採用して類似製品を製造しても昔とは異なり、訴訟対象になる。

いくら、文大統領が日本には負けないとしても、この分野で勝つには、特許は多額の費用と長年の研究開発の成果であり、一長一短に日米欧の特許に触れない製品を開発できる確率は極めて少ないと言わざるを得ない。

これまで独自に研究開発を進めてきたのならまだしも、これまで目先の利益に開発対象をコロコロ変える韓国企業の体質に開発できる基盤は希薄で、政府補助金をもらい製造したとしても、特許に抵触することになり、訴訟に至る。

中国のように外国企業の知的財産権を無視するならば別だろうが、民主主義の世界では通用しない。

常に自国利益を最大化させる韓国の裁判所で負けても、輸出品になれば米国でも中国でも裁判を起こすことができ、韓国の輸出製品メーカーはそうした部品・部材は使用しないことになる。
日本企業は、核心技術の特許については、周辺・関連特許も包括的に数多く取得し、バーターでの特許権相殺ができないようにしている。

韓国大手どうしの特許侵害訴訟
LG化学がSKイノベーションに対して、二次電池製造の特許権侵害訴訟を韓国と米国で起こしている。
LG化学の社員たちをSKが引っこ抜き、製造技術を盗んだとしている。それに対して、韓国の産業界は、当裁判は韓国の利益にならず、政府が仲裁すべきだとの話も出ている。しかし、LGはサムスンでもどこでも相手に訴訟を起こす潔癖主義の企業でもある。

韓国の今年上半期の国際特許出願件数は、政府が特許出願などに補助金を出しており、10.3%増の8867件となっている。但し、出願であり、特許登録を認められるかどうかは審査があり、特許登録件数を見るまでわからない。その上、その後の有効無効の特許訴訟も控えている。

特許出願数
今年上半期の国際特許出願件数は、
米国が前年同期比4.7%増の2万9485件、
中国が19.8%増の2万7818件、
日本が▲0.6%減の2万6355件、
ドイツが▲2.4%減の9143件、
韓国が10.3%増の8867件、
フランスが1.2%増の3569件、
英国が0.1%増の2845件となっている。

また、韓国内での昨年の出願件数はGDP比では世界トップ。毎年21万~22万件の特許が出願され、中国、米国、日本に次いで世界で4番目に多い。
しかし、出願した特許の登録数は54%程度だという。日・米の無効化率20%に対して韓国は46%と異常に高く、特にタチが悪いのは韓国の研究者、特に教授等が実績作りに出願するケースが無効化率を異常に高めているという。出願費用も日本の半額と安く、その上、弁理士たちがダンピングして数多く受注しているという。

韓国政府主導で、半導体などの材料や部品につき日本離れを実現するため、国産化を推進しているおり、韓国の他社がすでに生産している材料でも大手が開発したとして、大喜びする韓国の報道機関だが、韓国貿易協会国際貿易通産研究院によると、今年1~5月基準で、
半導体製造用のベースオイルの対日依存度は94.8%、
半導体製造装置は86.8%、
精密化学原料は78.1%に達しているという。

韓国の大手半導体メーカーも、不具合が発生した場合、巨額の損失と信用を損ねることから、簡単に韓国産に乗り換えることはできない。
文大統領からお願いされ、韓国産を採用するにしても、ライン試験を行う必要があり、その費用も莫大なものになる。ましてや、他国の特許に抵触しているおそれのある材料や部品は、半導体メーカー自身が訴えられる可能性もあり、そうした事前審査にも巨額な費用がかかる。

そのため、信頼性の高い製品・ブレない安定した品質の製品・材料を使用するしかない。それは文大統領が使えと命令してもできない相談だ。

KAISTの愚かな教授が、評論家のように、韓国は素材大国になれると豪語しているが、まずは教授自らが活用できる特許をいくらでも開発すねことが先決なのではないだろうか。