米ハーバード大学が、毎年10部門で世界のまじめな「ありえない研究」を評して発表しているイグ・ノーベル賞、今回で30回を迎えたが、新コロナによりオンラインの表彰となる。
受賞の研究や功績は、
1、音響学賞:ヨウスコウワニが声を出すメカニズムをヘリウムガスで解明した研究
スウェーデン・ルンド大学のステファン・レバー博士や京都大学霊長類研究所の西村剛准教授などの研究チームが、ワニ同士の意思疎通について調べた真面目な研究。
ワニなどの爬虫類が、哺乳類や鳥類と同じように、自分の声音を通じて自分の体の大きさを周囲に伝えていることを証明しようとしたもの。
「(ほ乳類などは)体が大きいほど声道で空気を振動させる空間が広くなり、低い共鳴音が響く。爬虫類にそもそもこうした共鳴の仕組みがあるのか知られていなかった。例えばカエルなどの両生類にはない。まず、ワニが共鳴の仕組みを使っているのかを証明する必要があった」とレバー博士は説明。研究チームはワニを密閉したタンクに入れ、通常の空気と共に酸素とヘリウムを注入した。空気の構成要素が変われば、声帯の震動が変わらなくても、ワニの出す音に変化が出る。その結果、ワニの体の大きさと発する共鳴音が連動していることを明らかにした。
日本人の受賞は14回連続となる。