アイコン イラン 韓国籍の石油タンカー拿捕「HANKUK CHEMI」号 イラン領海侵入か

Posted:[ 2021年1月 5日 ]

AP通信が4日、アラブ首長国連邦(UAE)に向かって航行中だった韓国籍の石油タンカー「MT韓国化学」号(HANKUK CHEMI/IMOnumber9232369/積載トン数1.7万トン)が、ホルムズ海峡付近でイランの領海に侵入し、拿捕された模様だと海上保安企業の情報を引用して報じた。

船舶追跡サイト「マリントラフィック」の衛星データによると、同日午後、予告や説明なしに、予定されていた航路を外れた。
この船舶はペルシャ湾側のサウジアラビアから南下し、UAEのオマーン湾側に面するフジャイラに向けて航行中だったが、イラン南部のバンダルアバス沖の航行から外れたことが確認された。

イランの現地報道によると、
イラン海運関連産業協会のマソウド・ポール・メー事務局長は、韓国船の押収について、「各国の港湾機構は海洋環境を保護する責任がある」、「韓国の船は環境への損害を支払わなければならない」と述べている。この船の押収の理由は、「環境汚染と環境法の繰り返しの違反」だとしている。

韓国聨合ニュースによると、
韓国外交部当局者は「4日午後、ホルムズ海峡のオマーン海域で航海中だった韓国船籍のタンカーが、イラン当局の要請により同国の海域に移動していることを確認した。乗組員の安全を確認し、早期に抑留を解除するよう要請している」と説明した。タンカーには、韓国人5人を含め、20人の乗組員が乗船しているという。
韓国国防部は、オマーン・マスカット港の南海域で作戦を遂行していた清海部隊をホルムズ海峡に移動させており、5日午前には作戦海上に到着する予定だという。韓国軍は今後、外交部や多国籍軍などと緊密に協力し、対応していくとしている。
イランの国営メディアは、同国の革命防衛隊が韓国の商船をペルシャ湾で拿捕したと報じた。同船舶には韓国の国旗が掲げられており、環境汚染が拿捕された根拠になったと説明した。

以上、



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ペルシャ湾やオマーン湾、ホルムズ海峡の警備には、各国の取締りの艦船のほか韓国海軍もソマリア海族対策などからアデン湾からオマーン湾・ホルムズ海峡にかけ清海部隊(艦船/300人規模)を展開させていたはずだが・・・、イランと敵対するUAEには韓国軍はアーク部隊(150人規模)を駐留させている(名目は韓国製原発4基の安全操業のためだが・・・)。

今回のイランによる拿捕は銭が目的のようだが、銭を支払えば、支払いそのものが米制裁の対象になっており、韓国は用意に支払うことはできず、拿捕は長期化する可能性がある。バイデン大統領になったとしても、イランは先日核科学者を殺害され怒り、濃縮ウラン製造を再開させており、元に戻すにも時間がかかる。
イランは、韓国でのイラン資産が原油輸出代金など65億~90億ドル(約6960億~9630億円)を韓国の銀行に預金し、韓国からの輸入代金の相殺に当てていたが、トランプ米政権によるイラン制裁により韓国からイランへの輸出ができなくなり、イラン政府は預金の返却を求めている。しかし、韓国は当米制裁によりイランへの送金もできず、イランは韓国に対してイラついていることも事実。
どうなることやら・・・。

日本は日本のタンカーが攻撃されたこともあり、オマーン湾に護衛艦1隻とP3C哨戒機2機を展開させ、日本のタンカーなどを先導、安全航行に寄与している。

韓国の清海部隊の艦船はホルムズ海峡付近で護衛しなかったようだ。
今回は清海部隊が防衛するインド洋→オマーン湾→ホルムズ海峡→ペルシャ湾の航路ではなく、ペルシャ湾→ホルムズ海峡→オマーン湾に南下する航路で拿捕されている。防衛区域外とも見られる。
拿捕された「MT韓国化学号」もイラン領海侵入など航法装置が機能している以上、一番神経を使う海峡であり、違反するとは思われないが・・・。
当海峡は最も狭いところで約33キロ。革命防衛隊の小型高速武装船はレーダーに捉えられなかったか、漁船等に見誤った可能性もあるが・・・。

欧米など各国が自国船の安全航行のため、ペルシャ湾やオマーン湾に艦船を派遣しているが、連携はまったく取れていないようだ。
米国は度重なるイランによる各国の商船への攻撃を受け、韓国へ派兵要請したものの、韓国は米主導のホルムズ海峡での共同防衛には参加せず、独自にホルムズ海峡の自国船の安全航行のため清海部隊をアデン湾からホルムズ海峡まで拡大させ自国船の保護に当たっていた。

日本も米主導の共同防衛には参加していないが、それなりに情報を共有させ、防衛に当たっている。

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