アイコン 「敵は建築家にあり」⑮/福岡のデザイン会社の住宅瑕疵問題

北九州市の施主が、建築ジャーナル社の本に掲載されていた福岡市の有名な設計デザイン事務所の建築家に、デザインから施工会社手配まで住宅建築のすべてを依頼。住宅は完成したものの補修工事が山のように発生し続け、補修は少しづつしてもらっていたが、寝室の床下浸水、建築基準法違反内容なども出てきたため訴訟を起こした。施主の奥さんが「敵は建築家にあり」というブログで、ブログ閲覧者からアドバイスを得ながら裁判を闘っているブログ記録を追ったものである。

建築家渡り廊下について
1原告の主張
原告は、本件建物の渡り廊下は主要構造体であり、二次部材でないから構造計算の対象となるもので、二次部材であるとしでも、構造計算によって断面を決定する必要があると主張する。(渡り廊下の安全性を証明するよう要求しているもの)
2 反 論
(1)繰り返し述べているとおり、本件建物の鉄筋コンクリート達部分と木造部分は、本来的に別々の構造体であるが、これをつなぐ渡り廊下を木造部分にはめ込む場合には、渡り廊下の材料である鉄骨と木造は、水平応力に対しては相互に揺れ方が異なるため、相互に各々の揺れが伝わらないようにする必要がある。
そこで渡り廊下が木造部分の揺れに追随できるよう、鉄骨の部材の寸法を小さくし、二次部材として位置づけるように設計した。なお、垂直応力に対しては、二次部材としての鉄骨で充分に耐力が出るように設計した。

(2)このように、ふたつの構造体を結ぶ渡り廊下は互いにもたれ合う構造となっており、構造設計上、ふたつの異なる強度を有する構造体を鉄骨部材で構成されている渡り廊下で結節し、互いにもたれ合う構造とすることには充分な合理性がある。

(3)このふたつの構造体を結ぶ『渡り廊下』に要求される性能は、地震時は強度の異なるふたつの建築物に対する応力による変形を相互に伝えることがないという点にあるもので、渡り廊下部分のみが独立した建築物とは捉えられない以上、それ自体が耐震性能をもつ必要はない。無論、渡り廊下については、二次部材としての構造計算は行っている。

<ブログ閲覧者コメント>
①以前からの皆さんの議論の通り、このルーズホールはエキスパンション・ジョイントとはならないでしょうね。一方向(Y方向)しか孔が無さそうですし、ルーズとするならばX方向もY方向も45度方向も必要な訳ですし。例の可動支承なら問題ないでしょうけど(笑)。こちらでもダメダメ!との結論です(笑)。耐震性能を証明する接合部の設計図と計算書はありませんよね。
②実際の『ルーズホール接合』施行状況、この記事の、二枚目の写真ですが。孔の形とプレートの傾きが気になりますが、孔は他方向にあいていませんか?

③ ボルトナットの外形より大きなル-ズホ-ルだったりして(笑。

④教えていただいた「可動支承」を例に引用して、このようなルーズホールの考え方はできない、と結論したらよいと思うのですが、教授の印鑑があるので、どのような基準で、「ルーズホール」を考えていらっしゃるか、聞いて見たいです。
もちろん、耐震性能を証明する接合部の設計図と計算書はありません。呆れるのですが、
建築士ではないけれどもプロの建築家として検証した証拠が、何も出ないのです。もしかしたら、本当に理系的な計算ができない人なのかもしれないと思い、空恐ろしく感じています。とても変な証拠、意味のないものばかりです。実は、ここがダメなので、お世話になっている建築士Kさんは、本当は剥いで写真取る必要を感じていらっしゃらないようです。主人の希望だけなのです。(ブログ者の応答分)

⑤重要箇所ですので事実確認は絶対必要だと思います。1階だけではなく・・・、
序に渡り廊下の2階天井裏の両端の接合部、めくられてはどうですか?

⑥相手が主張する、4つのルーズホールの孔の2つは、楕円。残り2つは、一応丸のつもりなのですが、この2枚目の写真の孔は、グチャグチャ、丸の形をきれいに開けてないだけです。この施工会社らしい、きたない施工なだけです。傾きも無いです。

⑦(2)・・・充分な合理性がある。←私は合理性があるとは思えないけど? どうしたらそんなことが言えるのだろう。
(3)の内容。 庇だったらまだ理解できるけど、廊下なのに地震時に人がいる可能性があるのですが考えてませんと言ってますよね。

⑧ ボルト外形より大きなル-ズホ-ルは、接合できないということです(笑。自由に動きますね。きっと…(爆

⑨ARC様、そんなに大きい穴が開いていたら、コンクリート持ち出し棚から脚柱が落下します。ですから、構造計算をするのかどうかは別として、鉄骨部分は小規模でありRCに従属させること…別の言葉で…RCに寄りかかって建っていると考えるのです。自立するより、RCという強固な支持材に寄りかかるほうが構造的にもコスト的にもメリットがある。故に、EXP・Jなど最初から不要だと言っているのです。自立する場合、小断面鉄骨ならブレ-スが必要となるでしょう。RCに寄りかかる従属する構造体の場合、ブレ-スが不要かもしれませんが、その判断には構造計算が必要です。2次部材ではないでしょうし。(ブログ者の応答分)

⑩建物は不可分の観点から一敷地に建つ一つの建物ということになりますが、構造的には三つの建物が混在しています。鉄骨造でピン接合というと軽量鉄骨の建物を思いうかべますが、この場合壁長の1/4以上の耐力壁(ブレースの入った壁)が必要になります。ちょうど軸組み木造の筋交いの入った壁です。しかし、この鉄骨部は重量鉄骨ですから、接合部は溶接となり、剛接点のはずだろうと思います。ピンであれば、全面ガラス窓のような開口部を取れば自立することが難しいはずです。・・・・

⑪相手側の反論で鉄骨の接合部が回転するピン接点と主張している以上、自立するには斜材なくして無理だと思いますが。重量鉄骨の場合、柱と梁の接合は現場溶接とガセットプレートで挟む方法が有りますが、現場溶接だと剛、ガセットプレートの場合でもボルト4本程度だとピンになりますが、多ければ剛と見たほうがいいでしょうネ。たぶん、この程度の使用量を考えますと現場溶接だと思います。いずれにしても現場をめくって構造屋さんに見て頂くことですネ。

 

[ 2010年1月20日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
この記事を見た人は以下も見ています(敵は建築家にあり、)
スポンサードリンク
スポンサードリンク