【解説】タマホーム 5月期決算 判明
タマホームの5月決算数値の概要が判明した。
それによると、住宅不況を反映して売上高は、前期比15%ダウンの1,537億19百万円、営業利益は5億97百万円、経常利益は7億80百万円、当期利益は資産の売却損・評価損などにより▲28億97百万円の赤字となった。有利子負債については、具体的数値はコメントがもらえなかったが、前期よりかなり減少したとしている。
完成棟数は、昨年期の10,793棟より14.6%ダウンして9,216棟となっている。
2010年5月期/万円 | 2009年5月期 | ||
売上高 | 15,371,900 | 1817億円 | |
営業利益 | 59,800 | 30億円 | |
経常利益 | 78,000 | 33億円 | |
当期利益 | -289,700 | 9億円 | |
自己資本 | 300,400 | ||
総資産 | 5,519,100 | ||
自己資本率 | 5.4% | ||
完成棟数 /棟 | 9,216 | 10,793 |
同社は、販売棟数の減少の原因について、「現在では長期優良住宅の販売が主を占めているが、審査に不慣れなところもあり、当初時間がかかり、売上高・完成棟数に影響した」としている。いずれにしろ、今期に持ち越されることから、今期の数値で明らかになろう。
なお、同社は「今年に入り前年同月比持ち直してきており、6月からは前年同月比12%増で推移している」としている。
また、同社は現在川崎市でマンション開発(タマレジデンス高津、36戸)しているが、今後のマンション開発について問い合わせたところ、「いい物件があれば今後とも開発する」としている。物件用地も保有しているとしているが、今開発できる所有地はなさそうであった。また、杉並区の上井草の戸建分譲地は、元々マンション用地として所有していたが、時世柄、戸建分譲に政策転換した分譲物件ということであった。
全国・首都圏・東京・九州各県の住宅着工件数については、当HPトップページ右コーナーに7月分まで掲載。
住宅着工件数は、戸建分譲が本年に入り前年より20%以上増加している。特に首都圏の7月までの4ヶ月間は、30%以上の高い伸びを示している。同社の住宅は注文住宅であるが、価格的には廉価帯にあり、同社の首都圏の売上高は、戸建分譲に引きずられて好調に推移するものと思われる。(同社は全国展開のハウスメーカー)
全国の注文住宅も5~7月までは4%以上前年同月比増加している。そうしたことから、同社が述べた12%増での推移は事実だと思われる。
マンション開発については、川崎市で1棟開発中であるが、当方の意見として、同社のマンション開発は高津で打ち止めにし、取得済みのマンション開発用地や分譲地も早期処分が望まれ、注文住宅の本業一筋で、自己資本も安全域の30%以上の財務内容に固めてもらいたいものである。
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