アイコン 長崎新市立病院PFIに暗雲/全国各地の議員さんも問題視 

<官庁速報で全国に配信される>
2010年 12月 15日
 「なぜこんなことに…」―。長崎市が民間資金活用による社会資本整備(PFI)方式で建て替え・運営する予定の新たな市立病院の行く末に暗雲が漂っている。今年8月に事業者を選び、事業者で組織する特定目的会社(SPC)と契約直前だったにもかかわらず、今になって事業者選定のプロセスをめぐり市議会で議論が紛糾。11月議会でSPCへの委託予算約640万円が削除される事態となり、市幹部に焦燥感が広がっている。

きっかけは、「市の選んだ事業者の落札価格(約164億円)が、最低価格を提示したグループより14億円も高く、審査会の選定に疑義がある」として、契約無効を求めた市内男性の住民監査請求だった。

 請求を受けて市監査委員は、市に個々の審査委員による採点結果提出を求めたが、「忌憚(きたん)のない意見を交換するために非公開にした」(病院局)などとして拒否。市議会がこれを問題視し、12月13日の定例会最終日の本会議で、SPC委託費を削除した病院事業会計補正予算を全会一致で可決してしまった。

 市執行部からすれば、「価格と提案内容を総合的に選ぶPFI方式では、選んだ事業者が一番安いとは限らない」のが当然の認識だっただけに、ある幹部は「この段階で最初の640万円を全会一致で止められるとは…」と肩を落とす。

 一方、別の幹部は「市民や議会は『なぜ14億円高い事業者を選んだのか』という素朴な疑問があるのだろう」とした上で、「それを説明するのはPFIの趣旨から見て非常に難しい」と、PFI制度そのものが内包する問題点を指摘する。

 市は「老朽化が著しく、2014年2月の新病院オープンをこれ以上遅らせるわけにはいかない」としており、何らかの形で個々の採点結果を公表するなどの打開策を検討しているようだ。

 ただ、新病院計画をめぐっては過去に、長崎県、長崎大医学部から日赤長崎原爆病院との統合を強く求められ、長崎市がそれを突っぱねるといった想定外のトラブルも起きた。 
それだけに、「市立病院には何かとケチがつく。これを乗り切っても、本丸の課題である医師確保が心配だ」と、幹部連の顔色はさえない。

当記事は、大阪府の議員が官庁速報として掲載していた。 

[ 2010年12月17日 ]
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