丹青社/1月決算 底から回復へ 株価375円、乃村工藝247円この違い
「丹青不知老将至 富貴於我如浮雲」
同社の1月決算は、属するディスプレイ業界の事業環境について、個人消費が本格的な回復に至らないなか、企業の設備投資や販促関連投資は弱含みで推移しており、依然として厳しい状況が続いている。そうした経営環境下、利益目標達成のため、堅実経営に徹し、リストラ等も敢行して固定費削減に努め、原価の圧縮に取り組むとともに、積極的な受注獲得に取り組んだとしている。
<商業施設分野>
商業施設分野では、衣料専門店市場及び飲食店市場においては、店舗投資に積極的なアパレルショップやファストフード店の需要を取り込み、売上は堅調に推移した。しかしながら、大型店市場においては「京急ストア」の新装工事を手掛けたものの、ショッピングセンターの新改装は依然として減少傾向が続いており、売上は低調に推移した。
この結果、商業施設分野の売上高は290億54百万円(前期比9.0%増)、営業利益は12億71百万円(前期比▲10.7%減)となった。
<展示施設分野>
恒久展示施設分野は、博物館市場においては「松江歴史館」の展示工事を手掛けたこと等により、売上は堅調に推移した。また、企業資料館・ショールーム市場においても「トヨタテクノミュージアム産業技術記念館テクノランド」の改装工事を手掛けたこと等により、売上は堅調に推移した。
この結果、恒久展示施設分野の売上高は90億52百万円(前期比21.9%増)、営業利益は9億23百万円(前連結会計年度比35.7%増)となった。
<その他分野>
その他の分野では、アミューズメント施設市場においては「T・ジョイ博多店」の新装工事を手掛けたものの、企業の設備投資抑制の影響を受け、売上は低調に推移。
しかし、「羽田空港新国際線ターミナル」の内装工事を手掛けたこと等により、その他の分野全体での売上は堅調に推移した。
この結果、その他の分野の売上高は119億45百万円(前期比10.0%増)、営業利益は12億67百万円(前期比130.5%増)となったとしている。
丹青は、思い切ってリストラを掛け、企業体質強化を図ったことが奏功したのか、少なくとも資本市場は、それを評価して株価375円を付けている。一方、業界トップの乃村工藝社は利益回復が遅れていると見て247円と、丹青社の株価より100円以上後塵に甘んじている。
丹青社 連結/百万円 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 |
10年1月期 | 49,763 | -199 | -73 | -2,297 |
11年1月期実績 | 53,441 | 1,020 | 1,050 | 811 |
11期/10期 | 107.4% | |||
12年1月期予想 | 51,500 | 1,190 | 1,240 | 1,000 |
12期予想/11期 | 96.4% | 116.7% | 118.1% | 123.3% |
11年1月期 | 総資産 | 純資産 | 自己資本 | 自己資本率 |
30,685 | 9,401 | 9,401 | 30.6% |
連結/百万円 | 2008年2月期 | 2009年2月期 | 2010年2月期 | 11年2月期予 |
売上高 | 108,902 | 87,248 | 80,436 | 90,000 |
営業利益 | 4,149 | 567 | 845 | 1110 |
経常利益 | 4,350 | 820 | 1,282 | 1285 |
当期利益 | 1,239 | 175 | 407 | 400 |
総資産 | 59,076 | 49,897 | 53,011 | |
自己資本 | 26,494 | 25,017 | 24,843 | |
資本金 | 6,497 | 6,497 | 6,497 | |
有利子負債 | --- | --- | 1,017 | |
自己資本率 | 44.80% | 50.10% | 46.90% |
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