アイコン 原弘産 元社長原将昭氏亡くなる 最期は壮絶な再建の戦いであった

原弘産の元オーナー社長であった原将昭氏(59)が、10日心筋梗塞で亡くなった。
原氏は、学卒後積水ハウスを経て1986年に不動産会社の原弘産を設立。上場まで果たし、不動産事業に加え、風力発電機のメーカーとして全国でも知られる存在となり、一躍時の人となった。事業目標も不動産事業750億円、風力発電事業750億円の1,500億円の売上高を目指していた。
ところが、リーマンショックの発生で、各地で開発していた分譲マンション等が大量の在庫となり、不動産事業が窮地に陥り、風力発電事業も急速に市場が縮小していった。そのため、オランダまで進出していた風力発電事業を売却、不動産事業に経営を集中させ、分譲マンション在庫など数多くの手持不動産を見切り処分していった。

ところが、処分すればするほど赤字は巨大化、評価損も含めて09年2月期▲91億円、10年2月期▲101億円の赤字を露呈させ、10年期には▲55億円の債務超過に陥った。
それでも原氏は、ADRの申請も含めて何ら法的な措置も取らず、それまでに発行していた社債のディスカウント償還を繰り返すなどして特別利益を捻出、再建に努め、その集大成が今2月期の決算に発現されるものとなっていた。

原氏は、2010年4月に、自ら関与した金融商品取引法違反(インサイダー取引)や業績悪化の責任を取り、社長を辞任、それからは息子の孝氏にバトンタッチしていた。
また、昨年8月には、株主から、過去のアパマンショップ関連への17億59百万円(引当済)の融資につき、役員会の承認を得ておらず原元社長が勝手に融資したとして、会社は原元社長を訴えるよう請求された。息子が社長を務め、また自らが作った会社から、訴えられる事態に陥っていた。
この問題でも先月、同社が持つ負債と相殺の形を取り決着させた。当然、水面下で動いていたのは原元社長である。

2月決算の同社にあり、一連の問題をやっと片付けたところであった。大きな荷物から開放されたのであろうか、それにしてもまだ59歳の若さでの急逝であった。同氏のこれからの動きが期待されていただけに惜しまれる。
これまでの原氏は、早期に太陽光発電付分譲マンション開発や風力発電事業を行うなど、異色のロマンチスト経営者でもあった。黙祷。
 

連結/百万円
182
192
202
212
222
232月予
営業収益
25,911
52,841
55,338
20,096
11,087
10,800
経常利益
1,903
3,065
181
-5,981
-6,658
-175
当期純利益
1,014
1,959
83
-9,134
-10,161
6,000
純資産額
9,639
14,768
14,656
4,602
-5,569
 
総資産額
30,713
69,745
68,128
43,078
20,052
特別利益別途
自己資本率
31.4
20.9
21.0
10.5
-27.8
1759百万円
従業員数
227
326
370
218
74
 

風力 

千の風になって

[ 2011年3月15日 ]
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