㈱アーク(上場)の子会社㈱サトーセン/民事再生申請
電子部品製造・メッキの㈱サトーセン(大阪市西成区玉出西2-20-65、代表:作田和彦)は3月30日、大阪地裁に民事再生法の適用申請をした。申立代理人は、中井康之弁護士(堂島法律事務所)ほか、監督員には石井教文弁護士(大阪西総合法律事務所)が選任されている。負債額は約19億89百万円。
㈱アークが92.94%の株を所有する子会社のサトーセンは、昭和5年の創業来、電子部品事業とめっき事業という二つの事業を中心に経営を続けてきたが、売上高の7割程度を占める電子部品事業については、樹脂製品や銅をはじめとした地金類の原材料価格の高騰および高止まりに加え、企業間における競争激化の影響により、売上高が低迷していた。また、粗鋼・液晶フィルムへのめっきを主要製品とする特化事業についても、主要顧客である鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が、原油をはじめとした資源価格の高騰や米国サブプライムローン問題およびこれに引き続くリーマン・ショックに端を発した世界的な信用収縮への懸念などにより減少したことにより、サトーセンの受注も大きく減少した。
こうした大幅な売上の落ち込みや競争の激化により厳しい経営状況が続いていく中、サトーセンは経営努力を続けてきた。しかし、事業を継続するために講じた数々の資金調達に伴う有利子負債の負担が重く、このまま事業を続けても、やがては事業を廃止しなければならない事態となることが予想されたため、思い切った財務体質の改善によって経営を立て直すべく、民事再生手続によって事業の再建をはかることを最善策と判断し、民事再生手続開始の申し立てを行った。
アークは、サトーセンに50百万円の貸付債権があり、またサトーセンの14億13百万円の借入債務に対し保証している。アークの自己資本は39億63百万円であるが、3期連続して膨大な赤字を出している。今3月期は950億円の売上高に対して2億円の黒字を予想している・・・。
㈱アーク ( 試作品製作大手 ・金型) | |||
連結/百万円 | 2008年3月期 | 2009年3月期 | 2010年3月期 |
売上高 | 383,324 | 297,422 | 122,186 |
営業利益 | 6,792 | 4,387 | -5,004 |
経常利益 | 2,613 | -1,303 | -5,637 |
当期利益 | -26,073 | -17,051 | -15,415 |
総資産 | 340,426 | 201,613 | 116,613 |
自己資本 | 49,289 | 16,810 | 3,961 |
資本金 | 30,755 | 30,755 | 30,755 |
有利子負債 | 145,571 | 105,121 | 77,285 |
自己資本率 | 14.50% | 8.30% | 3.40% |
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