どうなる日本風力開発(2766)/監査法人鞍替えの顛末
いかがわしくなった上場会社になると、思い通りになるいい加減な監査法人に変えてしまい自ら問題を露呈してしまうことが良くある。
日本風力開発は、これまで大手の新日本監査法人に上場監査を依頼していたが、会計基準に則り厳格で煩いことから、昨年6月からやよい監査法人に切り替えた。
ところが、思い通りにしてくれるはずのやよい監査法人が、日本公認会計士事務所(監査法人の総本山)から、本年6月1日付けで、品質管理のシステムに重要な瑕疵があるとして、上場会社監査事務所登録規則第8条に従い、監査法人の上場会社監査事務所部会への登録申請を認めないとの決定を下し、上場会社の監査法人資格をなくした。
やよい監査法人の日本風力発電開発の過年度決算修正処理に対する一説
「旧調査委員会においては、G氏・C氏覚書や公社覚書等の各文書について、本件取引に係る風力発電機100基分及びNAS蓄電池合計67MW分の手数料売上に法的影響を与えるような法的効力を有するものかどうかについてのみ検討してきたが、当委員会においては、上記法的効力の有無だけでなく、本件取引の実態及び当該実態が対象会社の会計処理に与える影響等について検討を行ったものであり、調査の過程において散見された対象会社の問題点に付き、念のため付言しておく」として、逃げていたが・・・
http://www.jwd.co.jp/pdf/news/100715gaibutyousaiinkaikekka.pdf
同社の株価は、原発事故を受け、代替エネルギーの本命の一つとして脚光を浴び、原発事故前の3月1日49,500円だった株価が、5月9日には214,500円の年初来高値まで上昇、だが6月6日の終値は98,500円まで落ちている。監査法人の資格を停止するという当重大問題が、同社の経営にとって深刻な問題ならば、急激に底割れする恐れもある。
同社の自己資本は126億68百万円、株主から集めた資本の額は196億08百万円(内資本金98億66百万円)であり、既に株主から集めた資本を69億40百万円喰い潰している。
これまでの風力発電事業の殆どは、官庁助成金ブローカーが暗躍して、市町村議員に風力発電を持ちかけ、全国の糞田舎のあちこちにブンブン丸が誕生した。しかし、国の助成金が殆どなくなると、低周波騒音問題だけが地元に取り残されている。
これまでの風力発電事業は、電力自由化の下に国の助成金を頼りに全国各地に建設された。しかし、そうした国の施策が施されなければ、同社の命運も尽きる可能性もある。
連結/百万円 | 2009年3月期 | 2010年3月期 | 2011年3月期 |
売上高 | 6,858 | 5,112 | 5,246 |
営業利益 | 2,627 | -784 | -2,459 |
経常利益 | 1,861 | -2,406 | -3,626 |
当期利益 | 630 | -2,394 | -5,696 |
総資産 | 73,976 | 103,267 | 86,235 |
自己資本 | 16,049 | 19,031 | 12,668 |
資本金 | 7,121 | 9,866 | 9,866 |
有利子負債 | 46,807 | 51,787 | 47,058 |
自己資本率 | 21.70% | 18.40% | 14.70% |
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/