ドル安は、米国のリーマン・ショックに対する財政出動による財政悪化と経済回復の遅れから生じており、日本がバブル崩壊の処理に20年かかったように、そっくりさんの日本の教科書があったとしてもアメリカ経済は、10年は立ち上がれない。共に不動産バブルの崩壊であり、実質的な国民所得（ローン負債を背負っている）の改善が進まない限り、ハゲタカの金融資本が一時的に景気を改善させたように思わせようが、底辺のファンダメンタルズの部分が、疲弊したままでは米経済の改善は進めようがない。財政悪化で増税でもすれば、日本の似の前にもなる。またアメリカではハゲダカ軍団と低所得者層との所得格差が途方もなく拡がっており、失業率が悪化すればイギリス同様の暴動がいつ起きてもおかしくない状況となっている。

アメリカが、これまでドルの垂れ流しを続け、欧州（ＥＣ）も加盟国の経済破綻で責任の擦り付け合いにより通貨安誘導、正に通貨安戦争である。間隙を縫って快進撃を遂げている中国もインフレ抑制に躍起になっている。
経済無策の優等生の日本だけは、国内ではファンドバブル崩壊＝世界ではリーマン・ショックにより経済が崩壊している上に、大震災及び地球を放射能で覆った原発問題のさなか、チョー円高になってしまった。

現在の日銀総裁は、自民党と民主党の戦いのなかで民主党によって登場させた産物、こうした異常事態に対応する度胸も何もない音無し過ぎる人である。野田など民主党の頭の連中は、経済に関して付け焼刃であり、官僚たちは経済がどうなろうと関係ない官僚の高給取り、円高よりも民主党がどうなるのか、天下り予定先がどうかなどに注意がいっており、執行できる政治状況・官僚状況ではない。こうして指を咥えていた結果、今では世界の通貨戦争に唯一敗者＝ハケ口にさせられている。

震災復興対策とともに、挙国一致の円高対策内閣も必要であろう。このままでは、輸出業界は海外に生産基地をシフトするしか生き残れない状況にいたる。国と経済が一体化している韓国はウォン安政策で競争力をアップさせ、世界シェアーの拡大に余念がない。また、電気代も日本の１／３であり、インフラにおける価格競争力も雲泥の差下にある。
車が、テレビの似の前にならなければと心配している（新興国に高級ＴＶを売り付け失敗した日本のＴＶ業界（全滅）、普及品を格安で世界市場を席捲してしまった韓国勢･･･円高とウォン安で大きな価格差が生じている）。（ＴＰＰがすべてを解決するとは大錯覚である。ＴＰＰ断じて万能薬ではない）
今や韓国や中国の製造物は、日本製の世界最高水準のロボットが生産しまくっている。そうした経済環境で日本が生き残るには・・・・
今は、昔から垂れ流し続けるドルのように、日本も円を垂れ流すしかない。

海外メディアに調子に乗り軽率な発言をした中尾財務官は当然更迭である。腑抜けの民主党政権にそんな力もないのが現実であるが・・・。