アイコン ダイハツ「e:S(イース)」低燃費車投入で軽自動車復権へ

ダイハツ「e:S(イース)」 燃費表示基準は業界を苦しめないためか、いい頃加減な基準が採用されてきた。現在の10・15モード基準はマシな方であるが、当表示の燃費でさえ、実走行では2割方ダウンする車が殆どである。
そうした中、実走行に近いとされる新燃費基準「JC08モード」が登場、今回ダイハツが、販売する軽自動車「e:S(イース)」は、その「JC08モード」で30キロ/ℓ(以後/ℓ)をタタキだし、10・15モード値は32キロとなっている。

「JC08モード」で30キロをクリアーするのは、HV車のプリウス(32.6キロ)だけであり、「e:S(イース)」は軽ながら評価される。
「JC08モード」では、ホンダ・フィットハイブリッドが26km、マツダのデミオSKYアクティブが25km(10・15モードだとリッター30km)である。

ダイハツ工業は、今月発売される新型軽自動車に導入する低燃費技術「e:S(イース)」の概要を発表している。
燃焼効率を高めた新エンジンの採用などで、従来の「10・15モード」よりも厳しい新燃費基準「JC08モード」で、ガソリン1リットル当たり30キロの走行距離を達成。
 同技術を搭載した新型車の価格は、最も安いモデルで80万円(本体価格78万円より)を切る設定をしている。
低燃費と低価格の両立により、エコカーとして台頭するハイブリッド車(HV)などに対抗し、経済性を重視する消費者の取り込みを図る。
 
 「e:S(イース)」の技術は、圧縮比率向上と燃料噴射装置改良で燃焼効率を高めた新エンジンと、ブレーキをかけて車速が時速7キロ以下になると自動的にエンジンを停止する「停 車前アイドリングストップ」機能とを組み合わせた。これに車両重量の軽量化、空気抵抗の低減などを通じ、燃費性能を大幅に向上させている。
【e:Sテクノロジーの主な技術】
1.パワートレーンの進化
・燃焼効率向上とエネルギーロス低減を極めた新エンジン
・動力伝達効率をさらに向上したCVT
2.車両の進化
・シェルボディの骨格合理化などにより、約60kgの軽量化を実現
・空気抵抗や転がり抵抗などの走行抵抗を低減
・エンジンルーム内の熱マネジメント
3.エネルギーマネジメント
・停車前アイドリングストップ機能付の新「eco-IDLE」
・エコ発電制御(減速エネルギー回生機能付)

【技術の概要】
1.パワートレーンの進化
◆燃焼効率向上とエネルギーロス低減を極めた新エンジン
・圧縮比の向上(10.8→11.3)やインジェクター噴霧微粒化など8項目にわたる改善を積み重ね燃焼効率を向上。
・燃焼室内のイオンで燃焼状態を検知するイオン電流燃焼制御をEGR制御に応用した、「i-EGRシステム」を採用。エンジン特性に合わせ緻密に制御することで、EGRガスをより大量に送り込み、ポンピングロスを大幅に低減。
・チェーン幅細化による張力低減や、ピストンリングの低張力化、オイルシールの見直しなど、11項目にわたる改善を積み重ねメカニカルロスを極限まで低減。
・軽量な樹脂製電子スロットルボディを採用。電子スロットルによるエンジンとCVTの協調制御を、速度域に応じて緻密に制御することにより、CVTがあらゆる変速比であっても最も効率の良い状態に維持。
◆動力伝達効率をさらに向上したCVT
・高効率オイルポンプの採用や、CVT制御圧の低圧化など8項目にわたる改善を積み重ね、動力伝達効率を向上。
・動力伝達効率の向上、走行抵抗の低減、車両の軽量化などを踏まえた、変速ギア比の最適化(ハイギア化)により、エンジン負荷を低減。
2.車両の進化
◆シェルボディの骨格合理化などにより、約60kgの軽量化*を実現
・安全性や快適な乗り心地に必要なボディ剛性の維持を前提とした、シェルボディの骨格合理化により、全長を短縮することなく約30kgの軽量化を実現。
(1)骨格部材の配置見直し
(2)構成部品を可能な限りストレート化することで補強材を削減する形状最適化
(3)高張力鋼板の効果的な配置など
・新構造シート骨格の採用や、インストルメントパネル・ドアトリムなどの樹脂部品の薄肉化など、内装部品ひとつひとつの徹底した見直しにより、軽量化を実現。
・CVTケースの薄肉化や、オイルポンプカバーおよびプラネタリキャリアのアルミ化、セカンダリーセンシングギアとピストンの一体成型化などにより、アイドリングストップ用CVTユニットの軽量化を実現。
◆走行抵抗の低減
・トレッドゴムの変更などを行なった低転がり抵抗タイヤの採用に加え、駆動部品の改善などにより、転がり抵抗を低減。
・デザイン段階から、CAEシミュレーションや風洞実験を実施し、フロントのコーナー形状の改善や床下流速の減速化などにより空気抵抗を低減。
◆エンジンルーム内の熱マネジメント
・バンパーの開口部やエアクリーナーダクトの最適配置、さらには導風経路を改善することで、エンジンへの吸気温を低減する熱マネジメントを採用。吸気の体積膨張による吸気量の減少を抑えて、エンジンの燃焼効率を向上。
3.エネルギーマネジメント(グレードにより設定?)
◆停車前アイドリングストップ機能付の新「eco-IDLE」
・CVT車としては世界で初めて、停車前アイドリングストップ機能を採用。ブレーキをかけ、車速が7km/時以下になるとエンジンを停止し、アイドリングストップ時間を増加することで、さらに燃費を向上。
・アイドリングストップシステム専用部品を減らし、軽量化・コンパクト化を実現。
(1)エンジン再始動時のナビゲーションのリセットなどを防止する補助電源一体型アイドリングストップコンピューターに、CVT用ECUを統合
(2)電動オイルポンプを廃止したCVTを搭載
(3)ヒルスタートシステムを内蔵したブレーキユニット
◆減速時の運動エネルギーを最大限活用する「エコ発電制御(減速エネルギー回生機能付)」
・減速時の 走行する車両の運動エネルギーをオルタネーターが電気エネルギーに変換してバッテリーに回生する機能を進化。減速時のオルタネーターの発電量を増加させる とともに、バッテリーの受入性を向上させ蓄電量を増加することで、通常・加速走行時のオルタネーターによる発電を大幅に抑制し、エンジンの負荷を低減。
 

[ 2011年9月20日 ]
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