アイコン 中国事情 「影の金融システム」

中国では、冷めぬ不動産投機市場やインフレ圧力を押さえ込むため、国有の金融機関を使い、様々な方策が採られているが、まだまだ金が金を生むバブル期である。それを支えているのが「影の金融システム」、今のところ国の金融政策を形骸化させている。

資金を持つ国有企業などが、金融会社を作り、民間金融会社(=担保会社といわれている)に貸し付け、民間金融会社は、資金不足の企業に高利で貸し付けている。こうした中国の金融危機へ迫る実態状態をシンガポールの報道機関も報じている。 

こうした高利の連鎖が破綻したら最後、民間金融会社が破綻、高利でも繋ぎ資金で永らえている多くの企業へ連鎖、また、民間金融会社へ融資している企業などに危機は広がっていく。高利金融へ手を染めた企業は、その連鎖に危くなる。

こうした中国の民間金融の急拡大は、内陸部へ、製造業から上場企業へ、さらに一般家庭にまで広がっており、一端、噴き出せば、負の連鎖で手が付けられないものとなる。

国有企業が、手持ち資金を、こうした民間金融会社に貸し出したり、上場企業が公募により資金調達するケースもあり、そうした民間金融機関から「担保会社」と呼ばれる民間金融会社へ貸し付けられ、企業や個人に対して高利で貸し付けられ、その末端金利は年利が60%以上に達しているとされる。
中国では、国有銀行が貸し出しを政策面から、大幅に縮小させており、代わりにこうした金融市場が急拡大しているようだ。

日本でもバブル時代、商工ローン会社が、都市銀行から資金を借入れ、高利で貸し付けていたが、最後は回収に事欠き、腎臓売れ事件まで引き起こし社会問題化、今では法律により金利は20%(小口分)未満まで落とされている。

日本のファンドバブル期の最後は、銀行が過熱化した不動産市場への融資から撤退、その穴埋めに活躍したのが不動産ファンド資金であった。ファンドは、機関投資家や金持ち・ブラックマネーまでも集め、不動産投機を続けた。アメリカでサブプライムローン問題が発覚、それでも日本では不動産投機が続いた。リーマン・ショックでさすがの不動産市場もその鉄槌を受け、不動産ファンドの殆どがボロボロとなり朽ち果てた。

そうしたことが、現在、中国でも総量規制下で生じており、拡大すればするほど根も深くなり、危険性は増すばかりである。守銭奴の国の中国では、こうした高利に群がる投資家や企業が多く、日本のように銀行の締め付けにより、サラ金や商工ローンが縮小するのと異なり、バブル式が大量に流入しながら拡大している。

国有企業であっても、高利貸しの片棒を担ぎ、多くの利益をはじき出し、情報通信の中国最大手であるチャイナモバイルでも然りとされる。

庶民までこうした民間金融会社(=担保会社)に投資しており、30万元で毎月13,400元の利息収入があるという。年間利率は53.61%であり、担保会社にあっては、何ぼで貸し出されているのか恐ろしいものである。

日本が過去そうであったように、社会問題化しようが、白い猫を好む中国、高利での借入は違法、法律的な保護もないとされ、政府により情報は隠蔽されることが考えられる。

景気問題は、日本だけではなく、また米経済やギリシャ問題だけでもなく、中国経済もソフトランディングできるか紙一重のところまで来ている。

中国への依存度を高める日本にあっては、中国経済がメルトダウンしても大企業は少々のことでは経営問題には発展しないだろうが、中小企業にとっては命取りにもなる。こうした中国の金融・経済情勢や社会情勢も見ながら、中国での経済活動を行うべきではなかろうか。
 

[ 2011年9月20日 ]
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