アイコン ハウステンボスのH.I.S./10月決算 海外旅行円高フルに寄与

ハウステンボス H.I.S.は10月決算につき、次のように説明している。
旅行業界における海外旅行需要は、震災直後は大きく減少したものの、歴史的な円高傾向の継続や企業の夏期休暇長期化の流れ、訪日外国人の大幅な減少による航空座席の容易な確保などにより、徐々に回復へと向かった。
日本政府観光局(JNTO)による平成22年11月から平成23年10月にかけての日本人出国者数(推計値)は、前年同期比約1.5%増(約24.9万人増)の約1,674万1千人と見込まれている。

<旅行事業>
ネットを利用した旅行販売の取り組みとしましては、平成22年12月に、当社のHPを、わかりやすく利用しやすいように、全面リニューアルした。また、海外ホテルやオプショナルツアーなどの販売サイト「H.I.S.VACATION」の管理業務を海外拠点へ移管し、海外からの商品直販体制を整え、順調にご利用者数を伸ばすことが出来た。
さらには、全世界発着の航空運賃や空席の検索が可能となる航空券販売の新システムを平成23年7月にリリースし、利便性向上や競合サイトとの差別化を図り、航空券販売のいっそうの強化を図った。このようにパソコンやモバイル、スマートフォンを活用した自動予約機能や情報提供機能の強化を引き続き推進し、ネットを利用した旅行販売は全般的に好調に推移した。

法人・団体旅行の取り組みは、法人ごとに出張データの管理が可能な法人様向けの専用予約システム「SFIDA(スフィーダ)」の運用を本格的に開始し(平成22年12月)、大企業や官公庁を中心に営業展開を強化した。また、国内では新たな需要が見込める地域への営業拠点の拡充(大阪・広島・九州など)や、海外では法人営業の海外ネットワーク確立へ向けた営業拠点や人員の整備などを実施した(上海・バンコク)。さらに、2012年ロンドンオリンピック初の公式代理店となったことによる観戦ツアーの発表を行うなど、新たな客層の開拓にも注力した。
店舗における営業は、一部店舗において、現金自動入金機やCTI(コンピュータと電話を統合する技術)を導入し、生産性を重視した新たなスタイルの展開を実施した。また、利便性向上を考えた営業時間の拡大(モーニング、ナイト)なども行った。さらには、店舗網の再配置や海外ウェディングを専門に扱う店舗の新規オープン(池袋・静岡・金沢・札幌)を行うなど、販売体制の一層の強化を図った。
新たな旅行商品やサービスの展開としましては、成田からのタイ・ビジネスエアーやイタリア・メリディアーナ・フライ、関空からのハワイアン航空など、当社独自の旅行商品の提供ができるよう日本各地区からチャーター便の積極的な展開を実施した。特にビジネスエアーは、春と夏の期間において、成田とバンコク間の毎日運行を行い、繁忙期の旅行需要創出に努めた。また、当社オンライン予約サイトにて海外旅行商品を購入客に「Pontaポイント」が貯まるサービスの開始やH.I.S.クーポンを利用した新たなプロモーションの展開などを実施した。

<海外事業>
海外における旅行事業の展開は、南米初の拠点(ブラジル・サンパウロ)や海外初の法人団体専門店(タイ・バンコク)など計10拠点を新規開設し、引き続き拠点の拡充を図った。また、アジア圏中心に、日本人以外に向けた海外現地発の旅行商品の販売強化をはかった。さらには、海外拠点間での送受客業務や他旅行会社からの受客業務などの強化も推進した。
以上のように各種施策を展開した結果、東日本大震災による旅行取消の影響があったものの、当連結会計年度における旅行事業の日本から海外への送客数は、前年を越える実績を残す事が出来、売上高は3,656億52百万円(前期比107.4%)と増収を確保することができた。利益面も、前期まで残高があった長期為替予約契約が終了したことに伴う原価率の改善や生産効率を重視した営業展開などが寄与し、営業利益100億22百万円(同129.0%)と大幅増益となった。

<ホテル事業>
ホテル事業は、オーストラリアのゴールドコーストとブリスベン、札幌の3ホテル共に、お客様満足や収益性の向上に努めた結果、売上高22億36百万円(前期比103.4%)、営業損失25百万円(前期は営業損失22百万円)となった。

<テーマパーク事業=ハウステンボス)
テーマパーク事業を運営するハウステンボス(株)は、東日本大震災の影響により、国内旅行事業と連携しながら、営業や宣伝活動の重点を西日本中心に早めに移行させた。平成23年4月運航スタートの「ONE PIECE“サウザンド・サニー号” in ハウステンボス」、夏開催の「ハウステンボス 日本一の元気祭り」など、新たなイベントやエンターテイメントがご好評いただき、順調に入場者数が増加した結果、売上高133億74百万円、営業利益9億89百万円となった。また、平成23年1月にHTBクルーズ(株)を設立し、平成24年1月下旬の上海航路就航に向けた準備も進めているとしている。

日本の放射能汚染により外国人観光客は、ハウステンボスさえ大きく減少したが、日本の観光客をONE PIECEや世界庭コンテストなどのイベントの数々により確実に増加させている。
 

ハウステンボス決算前期比較
 
前年同期
当期
前年同期比
対前年同期
 
(自 平成21年10月1日
(自 平成22年10月1日
 %
増減
 
至 平成22年9月30日)
至 平成23年9月30日)
 
 
入場者数/千人
1,542
1,799
117.0
258
(うち、海外客数)
217
143
66.0
-74
売上高
10,247
13,198
129.0
2,951
営業損益
-1,197
1,056
 
2,253
経常損益
-622
1,978
 
2,600
当期純損益
-6,859
1,914
 
8,773

 
本体の確実な利益を基に、ハウステンボスの飛躍のために上海航路まで開設するオーナーの情熱が、全社を牽引しているようだ。

連結/百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
10年10月期
348,065
6,278
5,019
3,384
11年10月期
380,805
9,407
11,005
8,300
前期比
109.4%
149.8%
219.3%
245.3%
12年10月期予想
444,000
11,000
12,500
7,500
09年10月期実績
325,086
7,137
5,582
3,371
08年10月期実績
368,384
5,902
6,204
2,487
来期(12年)予想/11年期比
116.6%
116.9%
113.6%
90.4%
11年10月期実績
総資産
純資産
自己資本
自己資本率
 
139,018
65,589
62,984
45.3%

 
[ 2011年12月19日 ]
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