富士フィルムがオリンパスに対し提携の提案書提出
優良企業である富士フィルムは、オリンパスとの提携について、オリンパスのアドバイザーであるSMBC日興證券を通じて提案書を提出したことを明らかにしたとロイターが報じている。
SMBC日興證券の親会社である三井住友銀行は、オリンパスの筆頭融資先である。富士フィルムが、同社の株主であり関係が深い三井住友銀行を利用して、提携の揺さぶりにかけたのであろうか。
財務内容が悪化しているソニーはどう動くのだろうか。ソニーの救済策としては重すぎると思われる。
オリンパスの借入金と社債 2011.3.31現在
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借入先/百万円
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単体
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連結
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三井住友銀行
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90,300
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90,930
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三菱東京UFJ銀行
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77,900
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78,295
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みずほ銀行
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62,000
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三菱UFJ信託銀行
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30,000
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日本生命
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24,500
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その他
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81,605
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合計
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366,305
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538,427
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社債残
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110,000
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110,360
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有利子負債合計
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440,000
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648,787
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<株主のテルモの動き>
ロイターは次の通り伝えている。
テルモの羽田野彰士・執行役員経営企画室長は30日の決算会見で、オリンパスへの増資について「公表できる状況にない。コメントを控える」と述べた。同社は、資産保全のため、昨年、オリンパス株の一部を売却したことを明らかにした。保有比率は、2.5%から2.1%に低下したという。
同社は、オリンパスと2001年に業務提携、2005年に資本提携を結んだ。オリンパスとの提携については「今後とも変わらず続けていくし、さらに強化していきたい」と述べた。
オリンパスの強みである内視鏡やテルモの強みであるカテーテルなど「治療にかかわる分野で、お互いの力が出せる。新商品の開発や商品化に取り組んでいる。両社のジョイントベンチャーも新しい分野で事業に取り組んでいる。これらは、継続していく」と述べた。オリンパスの治療の分野については「高く評価している」とし「5年先、10年先に日本発で治療機器に使える医療機器の開発をできるような提携関係に進み、成果が出てくれば良いと思っている。今後とも大きく展開したい」と述べた。
オリンパスへの増資については「事業主としては、テルモが大きな株主であることに間違いはない。提携も進んでおり、あらゆる選択肢が考えられる。そういうことも検討している」としながらも、増資については「公表できる状況ではなし、コメントを差し控えたい」と述べるにとどめた。羽田野執行役員は、「今の(保有株の)ままでもできることはある。今後の状況を見極めたうえで」とし、増資については「コメントできない」と繰り返した。
[ 2012年1月30日 ]
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