アイコン インフレ・ターゲットによる円安誘導 通貨安全面戦争へ突入

ロイターは、円安相場の綱引きを次のとおり記載している。

<本日の為替概況>

15日の午後3時50分のドル/円相場は78円460銭。ニューヨーク午後5時時点と同じところにおさまっている。この日も日銀追加緩和を材料とする短期筋の円売りが続き、ドルは一時3ヶ月半ぶりの高値となる78円670銭まで上昇していた。

ユーロは、ユーロ圏財務相が15日に予定していたギリシャへの第2次支援策を協議する会合を中止し、電話協議に切り替えることを決めたことが嫌気さ れ一時1.3109ドルまで下落したが、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁が、中国はユーロ圏政府債への投資を継続するとの考えを示したことを受け、 ユーロは1.3164ドル付近まで反発した。(午後3時50分現在1ユーロ/103円371銭)

<通貨安戦争>

市場では、主要国の中央銀行がこぞってインフレ・ターゲットを設定したうえで、量的緩和により通貨価値の下落策を取り始めたとの指摘が出ている。今週に限ってみれば、円が3カ月半ぶり安値に下落するなど、通貨価値下落競争で日銀が一歩リードした格好になっている。
しかし、市場では、日銀の追加緩和を受けたドル高/円安は長持ちしないとの意見も聞かれた。「今回の追加緩和は、円に弱気な投機筋に格好の円売りの口実を与えたとみられるが、こうした投機的な円売りは早晩巻き戻される可能性が高い」とJPモルガン・チェース銀、チーフFXストラテジストの棚瀬順哉氏は言う。
なぜなら「本邦企業による海外留保利益の国内送金も一因となり、ドル/円は2月半ばから3月半ばにかけて下落するという明確な季節性がある」ためと同氏は指摘する。

さらに、3月末でヘッジファンドへの出資契約を解消する投資家は、「45日ルール」があるため、2月半ばまでにファンドにその旨を申し出る必要がある。こうしたヘッジファンド解約によって、「主要通貨やエマージング通貨が思わぬ方向へ振れることがこれまでもあった」(外資系ファンド)とされ、2月後半は為替相場の方向性を予測しづらい展開になる可能性がある。

また、インフレターゲティングと量的緩和の組み合わせは、長期的なリスクをはらむとの指摘が出ている。
「日銀はそもそもFRBやECBに先んじて時間軸を打ち出し、量的緩和を実践してきたが、日本の政治家の目にはなぜかFRBばかりが積極的で、日銀はなにもしていないと映ったらしい」と東海東京証券のチーフエコノミスト斎藤満氏は言う。
日銀の資産は昨年末で143兆円(GDP比30%)で、20%強のECBやFRBの19%を大きく凌駕する。
日本の場合は「当面」1%を目標としているが、「市場がこれを評価し、期待インフレ率が1%で実質金利が1%という正常化に向かうと、長期金利は2%に向かって上昇する。『当面』が外れて日本も2%インフレを目指すと、さらに金利上昇が大幅となり、国債を大量に保有する金融機関は大規模な評価損を、財政当局は大きな金利負担に直面することになる」と斎藤氏は述べ、「皮肉にも、行き過ぎた金融緩和が結果的に日本の財政を圧迫することになる」と予想している。以上。

 

<インフレ・ターゲット>

インフレ・ターゲット(inflation targeting)とは、物価上昇率(インフレ率)に対して中央銀行が一定の範囲の目標を定め、それに収まるように金融政策を行うこと。
インフレ率が低い時は、通貨量を意図的に増加させて(公開市場操作)緩やかなインフレーションを起こして、経済の安定的成長を図る政策(リフレーション、通貨再膨脹)となる。
マネーサプライと物価との関係が不安定となったことが導入の背景にある。
なお類似政策として「物価目標政策」というのもある。こちらはある年の一般物価水準を基準として、それに決められた上昇率分を加えたものをターゲットにするもので、物価水準が目標未達成の場合は未達成率+決められた上昇率をあわせて、あくまで決められた物価指数まで上げることである。
  今回の日本のインフレ・ターゲットによる政策は、欧米から日銀の為替単独介入に、茶々が入り、介入外の方法で、円安誘導をはかる手段として用いられている。また、現在のデフレ経済を是正させる必要もあり、円をたれ流すことにしたもの。

  これまでのユーロ安で最大の恩恵を受けているのはドイツ。日本の為替介入による円安誘導に茶々入れさせながら、ユーロ安を満喫している。
  米国は、ハゲタカに超円高を実現させ、日本への輸出を増加させる目論見であったが、超円高になっても輸出が増えず、シナを変え今ではTPP締結を迫っている。
トヨタたたきをやったかと思えば、馬鹿デカイ車しか作らない米国が、的外れな排気量の小さい日本の軽自動車の制度を貿易不均衡だとして撤廃せよと迫る。

[ 2012年2月15日 ]
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