アイコン 肥満/トマト騒動 価格とカゴメ株価を上げた京大教授の功績  がんとの関係付き

京大の研究者たちは2月10日、トマトの脂質代謝異常の改善に有効な新規成分を見出した研究成果を発表した。その衝撃は、肥満に悩む消費者によって、トマトがスーパーの野菜棚から消えるほどの現象を生じさせている。

京大の河田教授らは、トマトの実とジュースの成分を精密に分析。脂肪の燃焼を最も活性化させる成分として、不飽和脂肪酸のリノール酸に類似した物質13-oxo-DOAを特定した。
この物質を化学的に合成し、肥満マウスの餌に1.05%加えた結果、4週間で血液と肝臓の中性脂肪が約30%減少した。脂肪燃焼に関わるたんぱく質の増加やエネルギー代謝の向上、血糖値の低下も見られたという。
 
ところで、河田教授の勇み足による「人間の場合、毎食コップ1杯(約200cc)のトマトジュースを飲むことで同様の効果が得られる」との話しが、バカ売れのトマトジュース騒動となっている。
消費者たちがネットやコンビニに殺到、ここでも一時トマトジュースが棚から消えた。河田教授の個人的な期待であり、人への効果の実験研究データは発表されていない。

あくまで、肥満マウスでの実験結果であり、既に、トマトジュースなど過度に飲料した場合の塩分(3本=2.4g/日の適正限度量5~6g/WHO)による健康被害の危険性が指摘されるなど、波紋を呼んでいる。

 
こうした野菜には、いろいろな有効成分があるが、トマトの一成分に脂質代謝効果の成分が特定できたというだけの話。もともとトマトは健康にとってもよい野菜として知られている食材である。
 
<トマトの生産量>
南米原産のトマトの世界生産量は約1億4千万トン、豚満人が比較的少ない中国が世界生産量の約22%の3,164万トンを生産している。中国人はウーロン茶など脂質を分解する発酵茶を採ることでも知られる。
バーガー好きな米国人は、トマト野菜を挟んだバーガーを良く食べている。しかし、牛肉やチーズなどが主であり、豚満人だらけ。トマトを食すれば痩せるとは片手落ち、食生活を変えることだ。
ただ、トマトは健康のためにも食べないより食べた方が良い(トマトが赤くなると坊主が青くなるほどの健康野菜)。
 
 
 
トマト
2009年
 
世界生産量
141,401
1
中国
34,120
2
アメリカ合衆国
14,142
3
インド
11,149
4
トルコ
10,746
5
エジプト
10,000
6
イタリア
6,383
7
イラン
5,888
8
スペイン
4,749
9
ブラジル
4,205
10
メキシコ
3,000
11
ロシア
2,170
12
ウズベキスタン
2,110
13
ウクライナ
2,041
 
(日本)
717
 
総務省統計局資料  
 
 
今回の研究成果は、ヒット商品に陰りが出てきた健康食品業界にとってはビッグニュース、喜び勇んでいるだけの話。トマト生産業者も一時的に価格が高騰して喜んでいようが・・・。
 
その昔、日本人にはドジョウなど悪名代官を除き豚満人など殆どいなかった。野菜や近海魚の小魚中心の食生活であったためであるが、西洋から入ってきた肉食系食材により、豚満人が増加した次第。
そうしたことでも明らかなように、適度な運動と植物性食材や植物性発酵食品中心に食生活を改めたら、肥満からは開放される。何より肉と乳性品及びパンの食を今までのペースから減らすこと。豚満人対策にはマックなどは特にご法度である。
 
<京都大学河田教授の発表の原文>
トマトから脂肪肝、血中中性脂肪改善に有効な健康成分を発見:効果を肥満マウスで確認
研究のトピックス性
トマト
写真:トマトの生育過程(成熟に伴い健康機能性成分が作り出される)
 
トマトは世界で最も生産されている野菜であり、生食だけでなく、ジュースやソースなど幅広く利用・消費されている食品素材です。ヨーロッパでは古くから「トマトが赤くなると医者が青くなる」という諺があり、トマトは健康野菜として知られています。
 これまではトマトのカロテンやリコペンなどの抗酸化成分の健康機能性は知られていましたが、今回は全く新しい機能性成分が見出されました。本研究は、このような身近な食品であるトマトから、肥満に伴う脂質代謝異常の改善に有効な成分を発見した初めての知見です。
 
研究の背景と目的
 過栄養と運動不足を背景とした、肥満に伴う脂質代謝異常症やメタボリックシンドロームの増加が世界的な社会問題となっています。脂質代謝異常は、動脈硬化症などの直接的な危険因子となるため、このような代謝異常の予防・改善は非常に重要です。本研究では、身近な食品であるトマトに着目し、脂質代謝異常の改善に有効な新規成分の探索およびその機能解析を行うことを目的としました。
 
研究の成果
図1
1:トマトジュースに見出された健康成分13-oxo-ODAの化学構造式
 
 肝細胞などを用いたin vitroの解析結果から、トマト、特にトマトジュース中に脂肪燃焼作用を有する13-oxo-ODAが多く含まれることを発見しました(図1) 。
 脂質代謝異常に対する13-oxo-ODAの有効性を評価するために、肥満・糖尿病モデルマウスであるKK-Ayマウスを用いて、機能解析を行いました。KK-Ayマウスを13-oxo-ODAを0.02%あるいは0.05%含む高脂肪食(60% kcal 脂肪)で4週間飼育した結果、13-oxo-ODA摂取は、高脂肪食による血中および肝臓中の中性脂肪量の上昇を抑制しました(図2A、B)。また13-oxo-ODA摂取群では肝臓における脂肪酸酸化関連遺伝子群の発現増加(図2C)と同時に、エネルギー代謝亢進の指標である直腸温の上昇が認められ、13-oxo-ODA摂取により脂肪酸酸化、すなわち脂肪燃焼が亢進していることが示唆されました。
   
2:肥満・糖尿病モデルマウスKK-Ayの脂質代謝異常に及ぼす13-oxo-ODAの影響
AおよびB; 13-oxo-DOAの摂取により、血中(A)および肝臓中(B)の中性脂肪量が約30%減少した(B; 肝臓組織切片の顕微鏡写真。 Oil Red Oにより中性脂肪を赤く染色)。 C; 13-oxo-ODAを摂取したマウスの肝臓では、脂肪酸酸化に関連する重要な遺伝子群の発現が顕著に増加した(CPT1aAOX は、脂肪酸酸化に関連する遺伝子)。D; 本研究の結果の概念図。* p<0.05(統計的に有意差がある)。
 
本研究は、農林水産省「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」および独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター「生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業」の支援を受けました。
 
用語解説
トマト
原産地は南米アンデス高原。世界の生産量は約1億4100万トン/年、日本の生産量は70万トン/年(FAO統計、2009)。世界で最も生産額の多い野菜。
 
脂質異常症(脂質代謝異常症)
LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症に分類される。以前は高脂血症と呼ばれていた。
 
メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)
わが国では2005年に発表された疾患概念。ウエスト周囲径(内臓脂肪)をキープレーヤーとして、それにいくつかの病気(高血圧、脂質異常症、高血糖)が二つ以上重なった病態。特に、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクを高める。リスクの高い対象者(ハイリスク者)を効率よく抽出し、実効性のある保健指導(生活習慣病改善支援)を行うなどの対策として重要な概念。
 
追、<カゴメの研究:トマトとがん発生率の関係>
カゴメが、トマトの大消費国であるイタリアを南北に分けトマトの消費量と消化器系がんの発生率を調査したところ、トマトとオリーブオイルを料理のベースに使う南イタリアの方が、バター、ラードと肉類をベースにした料理をふんだんに食べる北イタリアよりも消化器系がんの発生率が低いことが分かったと発表している。以上。
なお、地中海性気候の南イタリア地方同様トマトとオリーブオイルを食材ベースにするギリシャでも、同様な結果が出ている。(下記表のイタリアの数値は全土であり、南北イタリアでの比較はカゴメの調査)
 
こうした実証データの方が、河田教授の発表より説得性があるが、豚満人は肥満に効果ありと聞くやすぐ飛びつき、しかも飽きっぽい性格上、今回のトマト情報も餌食になったようだ。
 
河田教授もトマトという食物を研究している以上、一般に売られているトマトジュースには塩分が入っていることを前提に喋る必要があったのではなかろうか。・ホな学者が短絡的に喋るから今回の騒動のようなことになる。論文だけで結構。
 
 
 
 
 
 
<厚労省/ボディマス指数による県民肥満度ランク>2012年1月31日発表。
BMI=w/t2乗//身長160cm (1.6m)、体重50kgの場合:BMI=50/1.6(2乗)=5000/256=約19.5となる。目安は25.0。
  厚労省の長生き調査では、太り気味(BMI:25~30未満)の人が最も長命、2番目に普通体重(BMI:18.5~25未満)の人、3番目に肥満(BMI:30以上)の人、最も寿命が短いのは痩せた(BMI:18.5未満)人の順となっている。
しかし、下記表のように県別肥満ランキングでは、日本人の殆どの大人が肥満であることになる。当調査では体脂肪率などは考慮されていない。
2012 肥満指数ランキング
1
沖縄県
45.2
2
宮崎県
44.7
3
栃木県
40.5
4
福島県
40.3
5
徳島県
40.1
6
宮城県
39.5
7
岩手県
38.7
8
北海道
38.5
9
青森県
38.0
10
高知県
37.6
11
大分県
37.3
12
長崎県
36.5
13
熊本県
33.7
14
鹿児島県
33.5
15
愛媛県
33.0
16
奈良県
32.6
17
千葉県
31.7
18
和歌山県
31.5
19
大阪府
31.4
20
佐賀県
31.3
21
秋田県
31.2
22
茨城県
31.2
23
埼玉県
31.0
24
東京都
30.5
25
神奈川県
30.3
26
福岡県
29.8
27
富山県
29.6
28
群馬県
29.6
29
広島県
29.4
30
愛知県
29.4
31
山形県
29.3
32
三重県
29.2
33
岐阜県
29.2
34
石川県
28.4
35
島根県
27.8
36
新潟県
27.7
37
兵庫県
27.7
38
岡山県
27.5
39
山梨県
27.2
40
長野県
25.7
41
京都府
25.6
42
香川県
25.4
43
静岡県
25.2
44
鳥取県
25.1
45
滋賀県
23.0
46
福井県
22.5
47
山口県
22.1
 
全国平均
31.1
付随した発表では、皮肉にも貧困世帯に肥満の人が多い結果となっている。
[ 2012年2月20日 ]
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