アイコン 「イニミニマニモ」(博多区)高島屋が100%取得

博多リバレイン/イニミニマニモ高島屋グループの東神開発(株)は、日本リテールファンド投資法人と共同で運営している「博多リバレイン/イニミニマニモ」(福岡市博多区)の不動産信託受益権を100%取得したと発表した。

日本リテールファンド投資法人は平成15年3月に本物件を取得していたが、平成19年8月に、東神開発へ不動産信託受益権の持分50%を譲渡していた。

博多リバレインは、福岡市主導の下に行われた土地区画整理事業、箱物行政のムダの傑作と称された開発であった。その呪いからか、その後、第3セクターの運営母体は破綻。
平成15年3月、日本リテールファンド投資法人が「博多リバレイン/イニミニマニモ」=商業施設部分を115億円で購入していた。しかし、集客力のない商業施設、コロコロ変わるテナント、日本リテールファンド投資法人は、利益を出すには程遠く、このたび所有する50%も18億円(帳簿価格:57億60百万円)で東神開発に譲渡した。

元々、博多リバレインの商業施設部分には、老朽化していた中洲の百貨店の福岡玉屋を入れる予定で建設された。しかし、第3セクターの世間知らずの銀行や官僚共が、福岡玉屋に示した家賃があまりにも高く、びっくりした福岡玉屋側は、採算が取れないことから入居を拒否。その後、福岡玉屋と関係が深い高島屋へも打診されたが、賃貸料の高さに断わられた。
バブルも崩壊して久しいにもかかわらず、仕方なく、スーパーブランドシティ(SBC)としてオープンさせた。しかし、集客力のなさにテナントは唖然としたままとなっている。

博多リバレインは、こうして後先考えず、箱を作ることだけを目的とした開発であったため、その価値をジャンジャン下げ続けている。昨春にはSBCの看板テナントであったルイ・ヴィトンも、あまりに集客力のなさに嫌気して、福岡における商業のメッカ「天神」に移転してしまった。

東神開発は、今後は、単独所有物件として、商業デベロッパーとしてのノウハウを最大限生かし、一層の施設価値の向上を図るとしている。

何の因果か知らないが、今回の東神開発の全取得により、高島屋がテナントで入るどころか取得してしまった。しかも原価も下がり、損益バランスも取れ安い数値となっており、高島屋には大いに今後を期待したい。(ただ、百貨店での進出は場所がら危い)

<施設概要>
敷地面積:約8,680㎡(イニミニマニモ持分)
施設構成:地下2階~地上6階の8フロア
延床面積:42,797㎡(イニミニマニモ専有分)
賃貸可能面積:25,224.23㎡
建築時期:1998年12月24日
テナント数:58店
主なテナント名:IDC大塚家具、ブルガリ

<日本リテールファンド投資法人>
<譲渡の概要>
1) 譲渡予定資産:不動産信託受益権(準共有持分50%)
2) 物件名称   :博多リバレイン/イニミニマニモ
3) 譲渡価格   :1,800百万円(譲渡費用等除く)
4) 帳簿価額   :5,760百万円(引渡予定日時点想定)
5) 譲渡価格と帳簿価額の差額:▲3,960百万円
6) 売買契約締結日 :平成24年2月28日
7) 譲渡年月日 :平成24年2月29日
8) 譲渡先    :東神開発株式会社(準共有持分50%を保有する準共有者)

[ 2012年3月 5日 ]
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