建材の大倉工業(東証一部)の詫間工場 JIS取消処分受ける
四国経済産業局は29日、フィルム・建材メーカーの大倉工業(上場)が、詫間工場(香川県三豊市詫間町)で生産するパーティクルボードについて、日本工業規格(JIS)が出荷前に義務付けている検査を実施しなかったとして、同工場のJIS認証が取り消されたと発表した。
(同社は四国にオークラホテルをいくつか所有していることから、オークラの名が付いた)
取り消される認証番号 JQ0708001、JIS 規格:JIS A 5908、名称 :パーティクルボード
四国経産局は、外部からの通報で今月7、8の両日、JIS認証機関の日本品質保証機構(東京)が立ち入り検査を実施した。その結果、昨年9月から今年1月にかけ、出荷前に強度などを調べるサンプル検査を出荷後に後回しすることが常態化していたことが判明した。
パーティクルボードは、チップ化した建築廃材を接着・圧縮したもので、住宅用の壁材や床材などに使用されている。同社は「取引先が求める納期に応えるためだった」と釈明しており、検査自体は適正に行われていたという。
JIS認証は、鉱工業製品の品質保証を目的に1949年に制定された。詫間工場では2008年7月に認証を受けた。取消処分を受けた場合、1年以上は再取得できない。
<曲げ強度不足も>
一方、大倉工業は同日、08年7月から10年10月にかけ、詫間工場で生産したボードの一部について、JISが規格する曲げ強度を満たしていないにもかかわらず、基準値を満たしているように書き換えて出荷していたと発表した。
同機構の立ち入り検査後、独自で行った社内調査で判明。約2年の間に、曲げ強度の基準値に若干達していない製品が十数件出荷された可能性があるという。
数値の書き換えについて同社は「過信と甘えがあった。お客さまにご迷惑をかけ誠に申し訳ない」と謝罪。
現在のところ、安全面へのクレームや品質上の欠陥などは確認されていない。
(当然だろう、同社は材料屋に卸しており、エンドユーザーは、現実、どこの製品を使ってあるのかもわからない。建築会社だって終わったところの分を調べようとすることはない)
大倉工業の業績推移と今期予想
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決算期
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2009年12月期
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2010年12月期
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2011年12月期
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2012年12月期予
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売上高
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73,228
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80,030
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85,797
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87,500
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営業利益
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1,073
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2,015
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2,438
|
2,600
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経常利益
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740
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1,667
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2,101
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2,250
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当期利益
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-1,745
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1,205
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1,551
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1,550
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総資産
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88,327
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88,347
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86,426
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自己資本
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30,305
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31,386
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32,532
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資本金
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8,619
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8,619
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8,619
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有利子負債
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23,766
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23,508
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22,672
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自己資本率
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34.3%
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35.5%
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37.6%
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