アイコン アジア特殊製鋼(株)(北九州市)/事業停止 特別清算へ 倒産

電炉のアジア特殊製鋼(株)(福岡県北九州市若松区向洋町43-1、代表:奥原征一郎)は4月3日事業停止、事後処理を高木裕康弁護士(電話03-3213-1081)ほかに一任して、特別清算の準備に入った。
負債額は約205億円。

 

同社は、寿工業(東京・呉市、特殊鋼メーカー)と韓国の最大手鉄鋼メーカーポスコ子会社などとの合弁により、資本金30億円(ポスト系18%出資)で、平成19年7月に設立された新しい電気炉製鋼業者。(寿工業は関連企業の位置づけ)。建設は日本で韓国建設会社始めてのプラント工事となるポスコ建設が担当した。
同社は、若松区の響灘の港湾約14.4万m2に工場立地、専用岸壁を持ち、韓国や東南アジア向けなどへの海上輸送を可能にしていた。
電炉設備は、60tのAC電気炉1基、12トンの熱処理炉など4基、年間約15万トンの生産能力を備えた最新鋭設備を導入、平成21年5月に電気炉を稼働させたばかりである。

高強度部品の素材となる鍛造用鋼塊(インゴット)を生産、自動車、造船をはじめ鉄鋼需要の拡大する韓国、中国、東南アジア向け輸出を軸に事業を展開、予定の年商は約180億円であった。
しかし、設立後3年間を工場建設や試験運転に費やし、この間、リーマン・ショックで市場の状況が一変。平成22年12月期の売上高は約10億円にとどまり、約26億円損失計上。平成23年12月期は、本格稼動ができたものの、円高・ウォン安や鉄鋼市況の悪化により、売上高は約34億円、約67億円の損失を計上、債務超過に陥った。

同社は、鉄鋼関係の株主たちから見放され、スポンサー探しなどしていたが見つからず、業績の好転も見込めないことから3月末、工場をストップさせていた。

[ 2012年4月 4日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサードリンク

コメント

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
サイト内検索