アイコン 新日鉄エンジニアリング/次世代寮竣工 スマートヒートポンプシステム導入 図あり

新日鉄エンジニアリングは、発祥の地であり、「北九州スマートコミュニティ創造事業」の対象地域である北九州市東田地区に、「次世代の独身寮」の実現を目指した北九州寮を完工した。
本施設は、建築・鋼構造事業部が、施設の省エネ性能と快適性・生産性・経済性等を高いレベルで融合させるエンジニアリングとして力を入れて取組むグリーンエンジニアリングに基づいて設計・建設された、北九州技術センターE館(昨年5月竣工)に続く2番目の自社施設。

 

今年は官営八幡製鉄所創業から111年目に当たり、この年に運営が開始される「次世代の独身寮」の実現に際し、

 [1]社員満足度を高める快適な個室空間の提供
 [2]交流の活性化による連帯感の醸成を促進する共用空間の充実
 [3]スケルトン(柱・梁・床等の構造躯体)とインフィル(住戸内の内装・設備等)分離の考え方に基づいた施設の長寿命化
 [4]省資源・省エネ技術の積極的な導入
 [5]地域・都市景観と調和するデザイン
の5つのコンセプトのもと、合計111個の提案を施設に反映した。

環境負荷低減の面からは、太陽熱、風、地中熱等の自然エネルギーを最大限に活用して入居者に快適性を提供するとともに、構造躯体の耐久性の向上と改修や模様替えの自由度の確保による施設の長寿命化、建設で発生した残土の外壁タイルとしての活用等、幅広い分野から工夫を行っている。

本施設では、太陽熱と地中熱を利用した中央式ヒートポンプシステムを導入する事で、給湯で排出するCO2を57%削減。更に、給湯システムの工夫に加え、LED照明や当社の独自技術である少水量対応地中熱ヒートポンプ空調の採用等で、従来の独身寮に比べ、トータルで20%のCO2を削減。
本施設では、環境負荷低減のために、開発中の新しいスマートヒートポンプシステムの導入と、「北九州スマートコミュニティ創造事業」の実証実験への参加という、2つの新しい試みに挑戦している。

今回導入したスマートヒートポンプシステムは、空調ヒートポンプ、給湯ヒートポンプ、太陽熱集熱器と地中熱交換杭を同じ熱源水配管ループで結んだシステム。
冷熱と温熱を作るヒートポンプを組み合わせるとお互いの排熱を利用出来、より省エネを図る事が出来るが、残念ながら排熱と利用熱は必ずしも同時には存在しないため、補助熱源によるサポートが必要になる。そこで本システムでは、地中熱利用のための地中熱交換杭を通して地盤の持つ蓄熱性を利用する事で、排熱と利用熱の時間差を吸収し、補助熱源の運転を最小限に抑え、更なる省エネを実現させた。
又、「北九州スマートコミュニティ創造事業」では、太陽光や風力等の出力調整が困難な再生可能エネルギーを活用するため、家庭や商業・業務施設等と連携して、天候に応じたエネルギーの効率的利用を促す事で、地域全体の電力需給の安定化とCO2排出量の削減を目指している。

本施設は、地域からの電力抑制/促進の指示に応じて施設内の照明、冷暖房、給湯を制御するという、スマートコミュニティを具現化するための中枢システムを導入した最初の施設。

実証実験から得られるデータ・ノウハウを通して本システムの改良を進め、スマートコミュニティ実現のための中核技術の早期確立を目指すとしている。

<施設概要>
 建物用途:寄宿舎(単身用51室、独身用179室(内女子用10室)、合計230戸)
 階数:地上7階
 延床面積:9,374m2
 構造種別:鉄筋コンクリート造
 設計:新日鉄エンジニアリング(株) 建築・鋼構造事業部
 施工:新日鉄エンジニアリング(株) 九州支社
 工期:平成23年3月~平成24年2月

スマートヒートポンプシステム

[ 2012年4月 5日 ]
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