アイコン 欧州財政問題再燃/スペイン燃え上がる  ハンガリーも懸念

5日の欧州外為市場で、スペイン財政懸念の再燃を背景に安全資産とされるスイスフラン高が進み、昨年9月6日の上限設定以降初めて、スイス中銀の防衛水準である1ユーロ=1.20フランを突破した。

投資家はスイスの上限設定で損失を被った苦い経験から、スイスフラン高を進めることにはこれまで消極的だったが、無制限の介入で防衛水準を死守する姿勢を示していたスイス中銀にとって、この日は上限設定後初めての正念場となった。

電子取引システムEBSで、スイスフランは対ユーロで7カ月ぶり高値となる1.1990フランに急伸。1102GMT(日本時間5日午後8時02分)時点では、0.2%安の1.2018フランで推移している。

スイス中銀の報道官は「われわれは(ユーロ/スイスフランが)1.20を下回る為替相場は容認しない。この水準を防衛するため、無制限の外貨購入にコミットしている」と言明した。

市場関係者によると、スイス中銀はフラン高抑制に向け市場介入を行った。中銀はユーロ買い介入を行ったかどうか明らかにしていない。
ただ一部では、スイスフラン高というよりはユーロ安の側面が強いとの指摘も上がっている。

プレミアム・カレンシー・アドバイザーズのジュゼッペ・マニエリ氏は「スイスフランも含め、ユーロは他の通貨に対しほぼ全面安の展開となっている。また復活祭の休日を控え、市場の流動性は低い」と指摘した。

一方、シティの外為アナリスト、ジェームズ・ソーンヒル氏は「フランの急伸はストップロスによるところが大きい」と指摘。「1.2030フラン水準でのストップロスを巻き込み(ユーロ/スイスフラン)相場が下落した。1.20フランの水準で10─20億ユーロ程度が売られたとみている」と述べた。

スペインでは2月の失業率が23.6%に達し、25歳以下の失業率は50.5%と異常な失業率となっている。
先般は財政赤字対策の諸政策への反発からゼネストが敢行され、問題の深刻さを浮き彫りにしている。

こうした背景にCSS市場では、スペインの銀行債の保証料率が、過去1ヶ月で急上昇しており、スペイン10年債の利回りは、5.8%と昨年12月依頼の水準まで上昇、こうした国債の上昇圧力の高まりが、スペインの銀行の大きな痛手となっているという。

 欧州財政の信用収縮から、欧州全体で景気は下押ししており、スペインより小型ながらハンガリーの財政も厳しさを増している。

 欧州経済の停滞は、回復基調にあるアメリカだけでは中国経済が持たず、中国経済の減速が明らかになるほど世界市場は縮小している。そうした中で、核開発疑惑のイラン制裁を目的とするイスラエルと米英の軍事的圧力は、原油価格を暴騰させ、更に世界経済を悪化させている。

[ 2012年4月 6日 ]
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