アイコン 半導体の過去と現在 エルピーダ

世界3位のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)メーカーであるエルピーダメモリが、同4位の米国マイクロンテクノロジーに 2000億円で買収される見通しとなった。エルピーダは今年2月、資金繰りに行き詰まり、会社更生法の適用申請をして、事業譲渡先を探した結果、マイクロ ンを優先交渉権者に選出した。
世界シェアが11.6%のマイクロンが、エルピーダ(13.1%)を統合すれば、世界市場はサムスン電子(42.1%)、SKハイ ニックス(23.0%)、マイクロンの3強体制に再編される。
 

世界の半導体市場は、1950年代から70年代までは米国が支配。80年代からは日本企業が主導権を握った。90年代までは、世界1~3位を日本企業が独占、そのシェアは実に75%に達した。

その後、韓国のサムスン電子、ハイニックス半導体(現SKハイニックス)が台頭したことを受け、平成11年12月日立製作所とNECがDRAM部門を分離、国の300億円の支援も受けエルピーダ(NEC日立メモリ)が設立、その後三菱電機のDRAM部門も糾合した。

汎用性の高いDRAM専業のエルピーダも経営破綻した。日本の製造業の象徴だった電器産業は、2012年3月期決算で、大手3社(ソニー、パナソニック、シャープ)が計1兆6800億円の赤字を出した。

20年近く日本経済を牽引してきた電器・半導体業界の斜陽化は、日本経済の栄枯盛衰を象徴するものとなっている。ユダヤ・チャイナ・オイルの世界中のハゲタカが連動して仕組んだ円高もこうした事業領域の産業の寿命を短くした。
 
スマホ革命への対応が遅れたフィンランドのノキアも昨年14年間続いた携帯電話 端末最大手の座を、韓国のサムスン電子に譲った。今年第1四半期(1~3月)の営業損益は13億4,000万ユーロ(約1,400億円)の赤字となり、信用格付けは「投資不適格」レベルに落ち込んだ。
ノキアの業績低迷は、ノキアという企業の没落だけでなく、フィンランド経済を低迷に追い込んでいる。
 
半導体、自動車、造船、石油関連は、韓国の今年第1四半期の輸出に占める割合が38.6%に達し、韓国経済に大きく貢献している。しかし、世界をリードしてきた日本の半導体・電器産業の没落は、韓国の代表的産業、企業がいつまで韓国経済を支えられるかという問題をまた提起している。当然、中国が台頭してくるのは時間の問題といえる。

どんな産業、企業であれ、「生老病死」の運命は避けられない。自動車産業でも同じである。技術・デザイン・アイデアを常に革新させ続けうるかが問われている。

 

[ 2012年5月 8日 ]
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